StudyNurse

運動経路と神経疾患を整理しよう

看護師国家試験 第103回 午前 第53問 / 成人看護学 / 脳・神経系

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第53問

運動神経の刺激の伝達経路を図に示す。 Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群(Guillain-Barré syndrome)で主に障害される部位はどれか。

運動神経の刺激の伝達経路を図に示す。 Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群(Guillain-Barré syndrome)で主に障害される部位はどれか。
  1. 1.
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.

対話形式の解説

博士 博士

今日は運動神経の伝達経路とギラン・バレー症候群について学ぶぞ。

サクラ サクラ

図のア、イ、ウ、エはそれぞれ何ですか?

博士 博士

アは大脳から脊髄までの上位運動ニューロン、イは脊髄前角から筋肉までの下位運動ニューロン、ウは神経筋接合部、エは骨格筋じゃ。

サクラ サクラ

ギラン・バレー症候群はどこが障害されるのですか?

博士 博士

末梢神経の髄鞘が自己抗体で攻撃されるから、答えは2のイ、下位運動ニューロンじゃ。

サクラ サクラ

上位運動ニューロンが障害される疾患は?

博士 博士

原発性側索硬化症や脳血管障害で、痙性麻痺と反射亢進が特徴じゃ。

サクラ サクラ

神経筋接合部が障害されるのは?

博士 博士

アセチルコリン受容体抗体による重症筋無力症や、ボツリヌス症が代表じゃ。

サクラ サクラ

骨格筋自体が障害される疾患は?

博士 博士

筋ジストロフィーや多発筋炎で、CK上昇を伴う筋力低下が起こる。

サクラ サクラ

ギラン・バレーの臨床像はどうですか?

博士 博士

下肢から上行する弛緩性麻痺、腱反射消失、髄液の蛋白細胞解離が特徴じゃ。

サクラ サクラ

治療はどうしますか?

博士 博士

免疫グロブリン大量療法か血漿交換が中心で、呼吸筋麻痺に備え呼吸管理が必須じゃ。

サクラ サクラ

部位ごとに疾患を整理しておきます。

博士 博士

看護では呼吸状態と嚥下機能の観察が最重要じゃ。

POINT

ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄により下位運動ニューロンが障害され、図のイが正解です。上位運動ニューロン障害ではALSや脳血管障害、神経筋接合部障害では重症筋無力症、骨格筋障害では筋ジストロフィーが代表的です。看護では呼吸筋麻痺の観察と急性期のリハビリテーションが鍵となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:運動神経の刺激の伝達経路を図に示す。 Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群(Guillain-Barré syndrome)で主に障害される部位はどれか。

解説:正解は2です。ギラン・バレー症候群は感染やワクチン接種を契機に自己抗体が末梢神経の髄鞘やランビエ絞輪を攻撃して生じる急性炎症性脱髄性多発神経炎で、下位運動ニューロン(脊髄前角細胞より末梢の運動神経)が主に障害されます。図中のイは脊髄から筋肉に向かう下位運動ニューロンに相当します。

選択肢考察

  1. × 1.  ア

    アは大脳から脊髄に至る上位運動ニューロンで、障害されると痙性麻痺、腱反射亢進、病的反射陽性となります。ALSや原発性側索硬化症などが該当します。

  2. 2.  イ

    イは下位運動ニューロンで、ギラン・バレー症候群はこの末梢神経の脱髄により下肢から上行する弛緩性麻痺、深部腱反射消失、軽度の感覚障害を呈します。

  3. × 3.  ウ

    ウは神経筋接合部で、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生される重症筋無力症や、ボツリヌス症で障害される部位です。

  4. × 4.  エ

    エは骨格筋そのもので、進行性の筋萎縮と筋力低下を呈する筋ジストロフィーや多発筋炎が該当します。

ギラン・バレー症候群はカンピロバクター腸炎などの先行感染後1〜3週で下肢から始まる左右対称性の弛緩性麻痺を呈し、顔面神経麻痺や呼吸筋麻痺を起こすこともあります。髄液は蛋白細胞解離(蛋白上昇・細胞数正常)が特徴で、治療は免疫グロブリン大量療法(IVIg)や血漿交換が用いられます。多くは数か月で回復しますが、重症例では人工呼吸管理が必要です。

運動経路の各部位と代表的疾患を対応付けられるかを問う問題です。