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看護過程の本質を理解する

看護師国家試験 第108回 午後 第17問 / 必修問題 / 看護の基本技術

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第17問

看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。

  1. 1.問題解決思考である。
  2. 2.医師の指示の下で計画を立てる。
  3. 3.看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
  4. 4.アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。

対話形式の解説

博士 博士

看護過程について一緒に整理しよう。看護師の思考の骨格じゃからしっかり押さえるぞ。

サクラ サクラ

看護過程って、患者さんの問題を見つけて解決していく流れですよね。

博士 博士

その通り。つまり本質的に「問題解決思考」じゃ。選択肢1が正解になる。

サクラ サクラ

他の選択肢も見ていきますね。2の「医師の指示の下で計画を立てる」は間違いですね。

博士 博士

看護計画は看護師が専門職として自律的に立てるもの。医師の指示下で行うのは「診療の補助」の部分、例えば点滴や採血などじゃ。保助看法でも区別されている。

サクラ サクラ

3の「看護師の価値に基づいてゴール設定」はどうですか?

博士 博士

これもダメじゃ。患者のゴールは患者の価値観や生活背景、希望を踏まえて共有しながら設定する。看護師が「こうあるべき」と押し付けるのは自己満足の看護になってしまう。

サクラ サクラ

患者中心の看護、という視点ですね。

博士 博士

その通り。インフォームドコンセントや自己決定権の尊重にもつながる。

サクラ サクラ

4の「アセスメント、計画立案、評価の3段階」はどうでしょう。

博士 博士

看護過程は普通5段階じゃ。アセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価の5つ。診断を計画に含めた4段階で表すこともあるが、3段階は不十分じゃな。

サクラ サクラ

実施がないと看護にならないですもんね。

博士 博士

そう、評価もアセスメントに戻るから循環的じゃ。PDCAサイクルに似ておる。

サクラ サクラ

看護診断といえばNANDA-Iですね。

博士 博士

その通り、NANDA-Iの診断名、NOCの成果分類、NICの介入分類の3つで体系化されておる。

サクラ サクラ

看護過程はいつ頃から使われ始めたのですか?

博士 博士

1950年代にアメリカで提唱され、日本でも1970年代以降に広まった。今では看護記録の骨格そのものじゃ。

サクラ サクラ

近年はストレングスモデルやリカバリー志向の考え方もあると聞きました。

博士 博士

問題だけでなく患者の強みに焦点を当てるアプローチじゃな。特に精神科領域で広がっている。

サクラ サクラ

問題解決思考を基本にしつつ、対象者の強みも活かす、という視点ですね。

POINT

看護過程はアセスメント・看護診断・計画立案・実施・評価の5段階からなる系統的な問題解決思考プロセスです。看護師が自律的に判断・実施し、評価結果を次のアセスメントに循環させて質を高めます。ゴールは患者と協働して設定することが原則で、看護師の価値観で決めるものではありません。NANDA-I、NOC、NICなどの標準分類体系も併せて理解しておきましょう。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。看護過程とは、対象者の健康問題を見出し、解決に向けて計画的に援助を提供する系統的かつ科学的な思考プロセスであり、本質的に「問題解決思考」に基づきます。アセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価の5段階で構成され、評価結果を次のアセスメントへフィードバックして循環的に展開します。看護師が自律的に判断・実施する専門的判断過程である点が特徴です。

選択肢考察

  1. 1.  問題解決思考である。

    看護過程は対象者の健康上の問題を明らかにし、最適な介入を選択・実施・評価する問題解決プロセスそのものです。

  2. × 2.  医師の指示の下で計画を立てる。

    看護計画は看護師の専門的判断に基づいて自律的に立案するもので、医師の指示下で立てるのは診療の補助業務です。

  3. × 3.  看護師の価値に基づいてゴールを設定する。

    ゴールは患者の価値観・希望・生活背景を踏まえ、患者と協働して設定します。看護師個人の価値観で決めてはいけません。

  4. × 4.  アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。

    看護過程はアセスメント・看護診断・計画立案・実施・評価の5段階(またはアセスメント・計画・実施・評価の4段階)で構成されます。3段階ではありません。

看護過程は1950年代に米国で提唱され、現在ではアセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価の5段階モデルが主流です。NANDA-I看護診断、NOC(看護成果分類)、NIC(看護介入分類)が標準的枠組みとして使われます。PDCAサイクルと同様に循環的で、評価から再アセスメントへ戻ることで継続的な質改善を図ります。近年はストレングスモデルやリカバリー志向など、問題解決思考だけでなく対象者の強みに着目したアプローチも併用されています。

看護過程の基本概念と構成要素、自律性を問う必修問題です。