フィンクの危機モデル第2段階を押さえよう
看護師国家試験 第111回 午後 第6問 / 必修問題 / 看護の基本技術
国試問題にチャレンジ
フィンク, S. L.(Fink, S. L.)の危機モデルで第2段階はどれか。
- 1.衝撃
- 2.承認
- 3.適応
- 4.防御的退行
対話形式の解説
博士
今日はフィンクの危機モデルについて学ぶぞ。アメリカの心理学者フィンクが脊髄損傷患者の観察から提唱した理論じゃ。
アユム
4段階あるんですよね。
博士
その通り。『衝撃→防御的退行→承認→適応』の順に進む。マズローの欲求階層説の『安全のニード』が満たされていく過程として説明されておる。
アユム
第1段階の衝撃はどんな状態ですか。
博士
危機に直面した直後の強烈な不安やパニック、思考の混乱が特徴じゃ。身体的にも動悸・過呼吸などの急性反応が起こる。
アユム
第2段階の防御的退行は。
博士
衝撃から自己を守るため、否認・抑圧・逃避といった防衛機制を用いる段階じゃ。『大したことはない』『自分には起こっていない』と考えて一時的な安定を得る。
アユム
では正解は選択肢4ですね。
博士
その通り。看護では、この時期に無理に現実を直視させず、心理的安全を保証することが重要じゃ。
アユム
第3段階の承認は。
博士
現実を直視し始める段階で、深い悲嘆・抑うつ・無力感を経験する。自殺念慮を抱くこともあり、最も注意を要する時期じゃ。
アユム
第4段階の適応はどんな状態ですか。
博士
新しい自己像や価値観を構築して、建設的に現実に対処する段階じゃ。リハビリテーションなどに積極的に取り組めるようになる。
アユム
看護師の関わり方は段階ごとに違うんですね。
博士
その通り。衝撃期には安全確保と付き添い、退行期には受容的態度、承認期には情緒的支援と自殺予防、適応期には現実的目標設定の支援じゃ。
アユム
他の危機モデルとはどう違うんですか。
博士
アグイレラは問題解決型、コーンは障害受容過程、ションツは近親者の死の受容に焦点を当てておる。区別して覚えるとよい。
アユム
臨床ではどんな場面で活用されますか。
博士
疾病告知、事故による障害、死産、災害など、突然の危機に直面した患者や家族の理解に幅広く使える。
アユム
段階は戻ることもあるんですか。
博士
よい質問じゃ。必ずしも一方向ではなく、退行することもある。個別性を尊重して対応することが大切じゃ。
アユム
実習でも意識して観察したいと思います。
博士
心理的過程を理解することで、より適切な看護ができるようになるぞ。
POINT
フィンクの危機モデルは衝撃・防御的退行・承認・適応の4段階からなり、第2段階の防御的退行は防衛機制で自己を守る段階です。看護では段階ごとに異なる援助が求められ、特に承認期には抑うつや自殺念慮への配慮が重要です。マズローの安全のニードを基盤とする理論で、他の危機モデルと区別して理解しましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:フィンク, S. L.(Fink, S. L.)の危機モデルで第2段階はどれか。
解説:正解は 4 です。フィンクの危機モデルは、脊髄損傷患者の臨床観察をもとに危機の過程を4段階で示したものです。第1段階『衝撃』、第2段階『防御的退行』、第3段階『承認』、第4段階『適応』の順で進行します。第2段階の防御的退行は、現実の脅威から自己を守るため、否認・抑圧・逃避などの防衛機制を用いて一時的な安定を図る段階です。
選択肢考察
-
× 1. 衝撃
衝撃は第1段階で、危機に直面した直後の強烈な不安・パニック・思考の混乱を示します。
-
× 2. 承認
承認は第3段階で、現実を直視し深い悲嘆や抑うつを経験しながら再組織化が始まる段階です。
-
× 3. 適応
適応は第4段階で、新しい自己像や価値観を構築し建設的に現実に対処していく段階です。
-
○ 4. 防御的退行
防御的退行は第2段階であり、否認や逃避などの防衛機制で自己を守ろうとする段階です。
フィンクのモデルはマズローのニード理論を基盤にしており、『安全のニード』が満たされていくプロセスとして危機からの回復を説明します。看護では、防御的退行期には現実を無理に直視させず心理的安全を保証し、承認期には情緒的支援、適応期には現実的目標設定への援助が必要とされます。他の危機モデル(アグイレラ、コーン、ションツなど)と区別して覚えましょう。
フィンクの危機モデル4段階の順序、特に第2段階『防御的退行』を理解しているかを問う問題です。
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