膀胱の容量と排尿
看護師国家試験 第105回 午後 第10問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
成人の膀胱の平均容量はどれか。
- 1.100mL
- 2.500mL
- 3.1,000mL
- 4.1,500mL
対話形式の解説
博士
今日は成人の膀胱容量を問う問題じゃ。排尿ケアの基本じゃぞ。
アユム
膀胱容量ってどれくらいなんですか?
博士
成人の平均は約500mLじゃ。ただし個人差があり、また状況により変動するのがポイントじゃ。
アユム
選択肢を見ると正解は2の500mLですね。
博士
そうじゃ。1の100mLは初発尿意も感じない段階、3の1,000mLは強く我慢したときや尿閉に近い状態、4の1,500mLは病的膨満時の量じゃ。
アユム
尿意はどの段階で感じるんですか?
博士
膀胱に150〜250mL貯まると初発尿意、300〜400mLで強い尿意、500mLで最大容量に達する。膀胱壁の伸展受容器が仙髄のS2〜S4にある排尿中枢へ信号を送るのじゃ。
アユム
排尿のメカニズムを教えてください。
博士
排尿反射は副交感神経(骨盤神経)が主役じゃ。排尿筋を収縮させ、同時に内尿道括約筋を弛緩させる。外尿道括約筋は随意筋で陰部神経支配、意識的に尿を止めたり出したりできる。
アユム
蓄尿時はどうなっていますか?
博士
蓄尿時は交感神経(下腹神経)が優位で、排尿筋を弛緩させ内尿道括約筋を収縮させる。バランスが大事じゃ。
アユム
高齢者は膀胱にどんな変化がありますか?
博士
膀胱容量は減少し、排尿筋の過活動や萎縮が起こる。過活動膀胱、切迫性尿失禁、夜間頻尿が増え、男性では前立腺肥大による排尿困難も加わる。
アユム
小児の膀胱容量はどう計算しますか?
博士
一つの目安として『30×(年齢+2)mL』という式がある。例えば5歳なら30×7=210mL程度じゃ。
アユム
1日の尿量はどれくらいですか?
博士
成人で1,000〜1,500mL/日が正常。400mL未満は乏尿、100mL未満は無尿、2,500mL以上は多尿と定義される。
アユム
排尿障害にはどんな種類がありますか?
博士
尿閉、尿失禁(腹圧性、切迫性、溢流性、機能性)、頻尿、多尿など。神経因性膀胱では蓄尿障害と排尿障害が混在する。
アユム
排尿ケアの観察点は?
博士
回数、量、性状、残尿感、尿意の有無、排尿時の痛み、失禁の有無など。導尿時の無菌操作も重要じゃ。
POINT
成人の膀胱平均容量は約500mLで、150〜250mLで初発尿意を感じます。排尿は副交感神経による排尿筋収縮と括約筋弛緩で成立し、随意筋の外尿道括約筋でコントロールされます。高齢者では容量減少や過活動膀胱が増えるため観察と支援が必要です。正常値を基準に異常を判断するのが看護アセスメントの基本です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:成人の膀胱の平均容量はどれか。
解説:正解は 2 です。成人の膀胱平均容量は約500mLです。膀胱は腎臓で作られた尿を一時的に貯める中空の筋性器官で、通常150〜250mL貯留で初発尿意を感じ、300〜400mLで強い尿意、500mL前後で最大容量に達します。解剖学的には恥骨結合の背側、骨盤底に位置し、尿管から尿が流入し尿道から排尿されます。
選択肢考察
-
× 1. 100mL
100mLは尿意を感じる前の段階で、成人の膀胱平均容量としては少なすぎます。
-
○ 2. 500mL
成人の膀胱平均容量は約500mLで、これが正答です。
-
× 3. 1,000mL
1,000mLは強く我慢したときや尿閉状態に近く、通常の平均容量としては過大です。
-
× 4. 1,500mL
1,500mLは病的な尿閉・過度膨満時の量であり、正常な膀胱容量ではありません。
排尿反射は膀胱壁の伸展受容器が仙髄(S2〜S4)の排尿中枢に刺激を伝え、副交感神経(骨盤神経)が膀胱排尿筋を収縮させ、内尿道括約筋を弛緩させることで起こります。外尿道括約筋は随意筋で、陰部神経支配です。高齢者では膀胱容量が減少し頻尿傾向となり、過活動膀胱や尿失禁のリスクが高まります。小児の膀胱容量は『30×(年齢+2)mL』で概算できます。1日尿量の正常値は成人で1,000〜1,500mLです。
成人の膀胱解剖生理、特に正常な膀胱容量の数値を理解しているかを問う必修問題です。
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