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年代別の体内水分量を一気に覚えよう

看護師国家試験 第105回 午前 第13問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第13問

高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

  1. 1.45%
  2. 2.55%
  3. 3.65%
  4. 4.75%

対話形式の解説

博士 博士

今日は体内水分量の話じゃ。年代によって体重に占める水分の割合が変わることを知っておるかな?

サクラ サクラ

確か新生児は多くて、大人になると減るって習いました。

博士 博士

その通りじゃ。新生児は75〜80%、乳児で70%、幼児で65%、成人で約60%、そして高齢者では50〜55%まで下がるんじゃ。

サクラ サクラ

ずいぶん減るんですね。どうして高齢者はこんなに水分が少なくなるんですか?

博士 博士

ポイントは体組成の変化じゃ。骨格筋は75%が水分でできておるが、加齢に伴いサルコペニアで筋肉量が減る。一方で脂肪組織は水分を10〜20%しか含まない。つまり筋肉→脂肪へ置き換わることで、体全体の水分比率が下がるのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど!だから高齢者は脱水を起こしやすいんですね。

博士 博士

それだけではないぞ。口渇中枢の感受性低下で『のどが渇いた』と感じにくくなること、腎臓の尿濃縮力が落ちて水分を保持しづらくなること、ADH(抗利尿ホルモン)への反応性低下、そして心配による飲水制限や夜間頻尿を嫌って水分摂取を控えることも重なる。まさに脱水リスクのオンパレードじゃ。

サクラ サクラ

選択肢で55%が正解、ということですね。

博士 博士

その通り。45%はむしろ脱水状態に近い低値、65%は幼児レベル、75%は新生児レベルじゃ。

サクラ サクラ

覚え方のコツはありますか?

博士 博士

『新生児7.5割、成人6割、高齢者5.5割』と『10ポイントずつ減る』イメージで覚えるとよい。細かく言えば成長期を挟んで徐々に減少する。

サクラ サクラ

臨床で脱水を見つけるにはどうすれば?

博士 博士

高齢者は口渇感に頼れん。皮膚ツルゴールの低下、舌・口腔粘膜の乾燥、腋窩の乾燥、尿量低下、尿比重上昇、BUN/クレアチニン比の上昇(通常10:1だが20:1以上で脱水疑い)などを総合的に判断するんじゃ。

サクラ サクラ

体重測定も役立ちますよね?

博士 博士

そうじゃ。短期間の体重減少はほぼ水分喪失と見なせる。体重の2%減少で口渇、5%で頭痛・脱力、10%で意識障害、20%で生命の危機じゃ。

サクラ サクラ

ありがとうございます。数字と背景がセットで理解できました。

POINT

高齢者の体内水分量は体重の50〜55%程度で、選択肢のうち55%が最も近い値です。筋肉量の低下と脂肪率上昇、口渇感の鈍麻、腎尿濃縮力の低下などが重なり、高齢者は脱水を起こしやすい状態にあります。新生児75〜80%・乳児70%・幼児65%・成人60%・高齢者50〜55%という年代別の目安を覚えておき、臨床では自覚症状に頼らず皮膚・粘膜・尿量・体重変化・血液データを組み合わせて評価することが大切です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

解説:正解は 2 です。体内総水分量は年齢とともに低下し、胎児でおよそ90%、新生児で75〜80%、乳児で70%、幼児で65%、成人で約60%、高齢者では50〜55%程度まで減少します。選択肢のうち最も近いのは55%です。高齢者で水分量が減少する主因は、水分保持量の多い筋肉(骨格筋は約75%が水分)が加齢性サルコペニアで減り、相対的に水分の少ない脂肪組織が増えるためです。加えて口渇感の低下、腎臓の尿濃縮力低下、自発的飲水量の減少が重なり、脱水を起こしやすい状態にあります。

選択肢考察

  1. × 1.  45%

    45%は高齢者の平均的な体内水分量より低めの値で、重度の脱水や極端な体組成の場合に近い数値です。一般的な高齢者の体内水分比率としては低すぎます。

  2. 2.  55%

    高齢者の体内水分量は50〜55%とされており、55%は最も近い値です。筋肉量減少と脂肪率上昇、腎濃縮力低下により、成人期の約60%からおよそ5〜10ポイント低下します。

  3. × 3.  65%

    65%は幼児の体内水分量に近い数値です。成長期の子どもは成人よりも水分比率が高く、細胞外液の割合も大きいため脱水を起こしやすい一方、高齢者の値としては高すぎます。

  4. × 4.  75%

    75%は新生児の体内水分量に相当します。新生児・乳児は体重に占める水分の比率が非常に高く、少量の水分喪失でも容易に脱水となります。高齢者の値ではありません。

体液は細胞内液(体重の約40%)と細胞外液(約20%、さらに血漿と間質液に分かれる)に区分されます。高齢者では主に細胞内液が減少するため、脱水時には細胞外液より細胞内液の変化に注意が必要です。臨床では体重の2%の減少で口渇感、5%で頭痛・脱力、10%で意識障害、20%で死に至るとされ、高齢者は口渇感が鈍いため自覚症状に頼らず、尿量・皮膚ツルゴール・舌の乾燥・BUN/Cre比・尿比重などで多面的に評価することが重要です。

年代別の体内水分量の目安を理解し、高齢者が脱水リスクを抱える理由を説明できるかを問う問題です。