呼吸中枢はどこにあるか
看護師国家試験 第111回 午後 第13問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
呼吸中枢があるのはどれか。
- 1.間脳
- 2.小脳
- 3.大脳
- 4.脳幹
対話形式の解説
博士
今日は脳の機能局在について学ぶぞ。呼吸中枢があるのはどこじゃ?
サクラ
脳幹の延髄にあるって聞いたことがあります。選択肢だと4の脳幹ですね。
博士
正解じゃ。呼吸中枢は脳幹、特に延髄と橋に存在するんじゃ。
サクラ
脳幹ってどの部分を指すんですか?
博士
脳幹は上から間脳・中脳・橋・延髄の4つからなる。このうち延髄には呼吸中枢・心臓中枢・血管運動中枢といった生命維持に不可欠な中枢が集中しておるんじゃ。
サクラ
ということは、1の間脳は違うんですね。
博士
その通り。間脳は視床と視床下部からなり、視床は感覚神経の中継点、視床下部は自律神経・内分泌・体温調節の中枢じゃ。呼吸中枢はないんじゃよ。
サクラ
2の小脳はどんな働きをしているんですか?
博士
小脳は平衡感覚や姿勢反射、随意運動の協調を担う器官じゃ。小脳が障害されると運動失調が現れるが、呼吸は止まらん。
サクラ
3の大脳は高次機能の中枢ですよね。
博士
そうじゃ。運動・感覚・思考・記憶・言語といった高次機能を担う。ただし、呼吸の自動的なリズム調節は大脳ではなく延髄が行っておる。
サクラ
意識して深呼吸するときは大脳が関わっていそうですが。
博士
よく気付いたな。随意的な呼吸調節は大脳皮質からの下行性入力が延髄に働きかけることで行われる。普段の無意識の呼吸は延髄の自動リズムじゃ。
サクラ
延髄が障害されると呼吸停止になるんですね。
博士
その通り。脳幹障害では自発呼吸が失われ、脳死判定の重要な要素にもなる。
サクラ
呼吸中枢はCO2やpHを感知して呼吸を調節するんですよね。
博士
さすがじゃ。延髄の化学受容器は血中のCO2分圧やpHの変化を感知し、換気量を調節する。低酸素は末梢の頸動脈小体・大動脈小体が主に感知するぞ。
サクラ
脳幹の解剖と機能を関連付けて覚えれば忘れませんね。
博士
よい心がけじゃ。橋には呼吸調節中枢があり、延髄の呼吸リズムを微調整しておる。橋と延髄がセットで呼吸をコントロールしておるのじゃよ。
POINT
本問は呼吸中枢の局在を問う必修問題です。呼吸中枢は脳幹の延髄および橋に存在し、血中のCO2分圧やpHの変化に応じて換気を自動調節しています。間脳は自律神経・内分泌の中枢、小脳は運動協調、大脳は高次機能を担い、いずれも呼吸の自動リズム形成には関与しません。延髄障害は即座に呼吸停止を招くため、脳幹は生命維持の要であることを押さえましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:呼吸中枢があるのはどれか。
解説:正解は 4 です。呼吸中枢は脳幹の延髄および橋に存在します。脳幹は大脳・小脳と並ぶ脳の3大区分の1つで、上から順に間脳・中脳・橋・延髄で構成されています。延髄には呼吸中枢のほか、心臓中枢・血管運動中枢・嘔吐中枢・嚥下中枢など生命維持に不可欠な中枢が集中しており、この部位が障害されると直ちに呼吸停止や循環虚脱を来すため、脳死判定においても重視されます。
選択肢考察
-
× 1. 間脳
間脳は視床と視床下部からなり、視床は感覚の中継、視床下部は自律神経・内分泌・体温調節の中枢です。呼吸中枢はありません。
-
× 2. 小脳
小脳は平衡感覚・姿勢反射・随意運動の協調を担う器官であり、呼吸中枢は存在しません。
-
× 3. 大脳
大脳は高次機能を担い、運動・感覚・思考・記憶などの中枢ですが、呼吸の自動リズム調節を行う呼吸中枢はありません。
-
○ 4. 脳幹
脳幹には呼吸中枢が存在し、特に延髄の背側呼吸群・腹側呼吸群と橋の呼吸調節中枢が呼吸リズムを形成しています。
延髄の呼吸中枢は血中のCO2濃度やpHの変化を化学受容器からの入力に基づいて検知し、呼吸のリズムと深さを調節します。一方、意識的な呼吸は大脳皮質からの制御を受けます。脳幹障害では呼吸停止を来すため、集中治療では人工呼吸管理が不可欠になります。
脳の区分と、生命維持に不可欠な呼吸中枢の局在を問う基本問題です。
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