誰もが医療を受けられる国 ─ 国民皆保険1961
看護師国家試験 第109回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護で活用する社会保障
国試問題にチャレンジ
日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。
- 1.医療保険
- 2.介護保険
- 3.雇用保険
- 4.労災保険
対話形式の解説
博士
今日は日本が世界に誇る社会保障制度、国民皆保険について学ぶぞ。
アユム
国民皆保険って、全員が保険に入っているってことですか?
博士
その通り。1961年、昭和36年に実現した『全国民がいずれかの公的医療保険に加入する制度』じゃ。
アユム
でも介護保険や雇用保険も『保険』ですよね。それらは皆保険じゃないんですか?
博士
良い疑問じゃ。社会保険は医療・年金・介護・雇用・労災の5本柱だが、このうち皆保険・皆年金と呼べるのは医療保険と年金保険だけなのじゃ。
アユム
介護保険はなぜ違うんですか?
博士
介護保険の被保険者は40歳以上に限られる。39歳以下は加入しておらん。だから『皆保険』とは呼ばない。
アユム
雇用保険や労災保険は?
博士
雇用保険は労働者のうち週20時間以上など要件を満たす者のみ。労災保険は労働者のみが給付対象で、自営業者や学生は外れる。
アユム
医療保険の中身はどう分かれているんですか?
博士
会社員などが入る被用者保険(健康保険・共済組合)、自営業や無職の人が入る国民健康保険、そして75歳以上の後期高齢者医療制度の3区分じゃ。
アユム
みんな3割負担で受診できるイメージです。
博士
基本は3割じゃが、就学前は2割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割(現役並み所得は3割、一定所得以上は2割)など年齢と所得で変わる。
アユム
皆保険ができる前はどうだったんですか?
博士
戦前から健康保険はあったが、自営業者や農家は保険に入れず『無保険』だった。高額医療費で家計が破綻する例も多かったのじゃ。
アユム
国民皆保険は医療へのアクセスを平等にする仕組みなんですね。
博士
そうじゃ。WHOもジャパンモデルとして評価しておる。ただし少子高齢化で保険財政は厳しく、持続可能性が課題じゃよ。
アユム
看護師として、この制度の上で仕事をしているんだという意識を持たないとですね。
POINT
日本では1961年に国民皆保険制度が実現し、全国民がいずれかの公的医療保険に加入することで、いつでも・どこでも・誰でも必要な医療を受けられる体制が確立しました。社会保険5制度(医療・年金・介護・雇用・労災)のうち、全国民対象の『皆保険』と呼べるのは医療保険と年金保険のみで、介護保険は40歳以上、雇用保険・労災保険は労働者のみに限られます。医療保険は被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度に区分され、年齢・所得による自己負担割合の違いも押さえておきたい重要ポイントです。少子高齢化による財政圧迫の中で制度の持続可能性が課題となっており、看護師も社会保障制度の全体像を理解して患者説明や連携に活かすことが求められます。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。
解説:正解は 1 の「医療保険」です。日本では1961年(昭和36年)に国民健康保険法の全国実施により、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する『国民皆保険制度』が確立しました。これにより『いつでも・どこでも・誰でも』必要な医療を比較的低い自己負担で受けられる体制が整い、世界的にも高い医療アクセスと健康水準を支える基盤となっています。医療保険は被用者保険(健康保険・共済組合など)と地域保険(国民健康保険)、さらに75歳以上が対象の後期高齢者医療制度に大別されます。
選択肢考察
-
○ 1. 医療保険
1961年に国民皆保険が実現。全国民がいずれかの公的医療保険に加入する義務を負う、日本の医療制度の根幹。
-
× 2. 介護保険
2000年施行。被保険者は40歳以上(第2号被保険者)と65歳以上(第1号被保険者)に限定され、全国民は対象とならない。
-
× 3. 雇用保険
労働者の失業等に備える保険で、加入対象は一定要件を満たす被雇用者に限られる。自営業者や学生は対象外。
-
× 4. 労災保険
労働者災害補償保険。労働者を雇用する事業者が原則全額負担し、労働者のみが給付対象となるため皆保険ではない。
日本の社会保険は『医療・年金・介護・雇用・労災』の5つが柱。このうち医療保険と年金保険は国民皆保険・皆年金として全国民が加入する。医療保険は大きく被用者保険(健康保険・船員保険・共済組合)、国民健康保険、後期高齢者医療制度の3区分に分けられる。自己負担割合は原則3割(就学前2割、70〜74歳2割、75歳以上1割〔現役並み所得者3割〕、一定所得以上2割)。
社会保険のうち国民全員が加入する『皆保険』がどれかを問う問題。医療保険と年金保険が皆保険・皆年金であることを押さえる。
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