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新鮮凍結血漿の温度管理―凝固因子を守る30〜37℃のルール

看護師国家試験 第114回 午前 第40問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第40問

新鮮凍結血漿の説明で正しいのはどれか。

  1. 1.30〜37℃の湯で融解する。
  2. 2.輸血には輸液セットを使用する。
  3. 3.融解後は48時間以内に使用する。
  4. 4.融解後に直ちに使用しない場合は20〜24℃で保管する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は新鮮凍結血漿、FFPについて学ぶぞ。血液製剤の中でも温度管理が特にデリケートなんじゃ。

アユム アユム

FFPは-20℃以下で凍結保存と聞きました。なぜそんなに低温なんですか?

博士 博士

凝固因子の活性を保つためじゃ。フィブリノゲンや第V因子、第VIII因子といった凝固因子は熱に弱く、温度が高いと変性してしまう。

アユム アユム

使うときはどう融解するんですか?

博士 博士

30〜37℃の温水で融解する。専用の融解装置を使うのが原則じゃ。これより高温だと蛋白変性で凝固因子が失活し、せっかくの製剤が無駄になる。

アユム アユム

37℃を超えてはいけないんですね。

博士 博士

そう。逆に低温だと融解に時間がかかる。30〜37℃が黄金の温度帯じゃよ。

アユム アユム

選択肢2の「輸液セットを使用する」はどうですか?

博士 博士

これはダメじゃ。輸血には必ずフィルター付きの輸血セットを使う。微小凝集塊や異物を除去するためじゃよ。輸液セットだとフィルターがないから不適切。

アユム アユム

融解後の使用期限はどれくらいですか?

博士 博士

融解後は凝固因子活性がどんどん低下していくから、できるだけ速やかに使うのが原則。遅くとも24時間以内じゃ。だから「48時間以内」は誤り。

アユム アユム

使えなかったら2〜6℃で冷蔵保管ですね。

博士 博士

その通り。20〜24℃で常温保管すると細菌増殖や凝固因子の失活が進む。なお一度融解したFFPを再凍結することはできん。

アユム アユム

血小板製剤と保存条件が違うんですね。

博士 博士

鋭いの。血小板は20〜24℃で振とう保存、赤血球は2〜6℃で冷蔵、FFPは-20℃以下で凍結。製剤ごとに違うから整理しておくこと。

アユム アユム

輸血の副作用も注意ですよね。

博士 博士

アレルギー反応、TRALI(輸血関連急性肺障害)、TACO(輸血関連循環過負荷)、感染症伝播など多岐にわたる。輸血開始15分間は特に厳重に観察するんじゃ。

アユム アユム

輸血前のダブルチェックも大事ですね。

博士 博士

患者氏名、血液型、製剤番号、有効期限を複数人で確認することが必須じゃ。一つの確認ミスが命に関わるからな。

アユム アユム

輸血は献血してくださった方の善意の結晶ですから、無駄にせず安全に使う責任があるんですね。

博士 博士

その視点が看護師として重要じゃ。技術と倫理の両方を持つことが医療人としての基本じゃよ。

POINT

新鮮凍結血漿(FFP)は採血後早期に分離した血漿を-20℃以下で凍結保存した血液製剤で、フィブリノゲンや第V・VIII因子などの凝固因子を含み、凝固因子欠乏症やDIC、大量出血時に用いられます。融解は30〜37℃の温水または専用融解装置で行い、37℃超では蛋白変性により凝固因子が失活するため厳重な温度管理が必要です。融解後は凝固因子の活性低下を防ぐためできるだけ速やかに、遅くとも24時間以内に使用し、すぐに使用しない場合は2〜6℃で冷蔵保管します。輸血実施時にはフィルター付き輸血セットを用い、患者氏名・血液型・製剤番号・有効期限のダブルチェックと、開始15分間の副作用(アレルギー反応・TRALI・TACO・感染症など)観察を徹底することが看護師の重要な役割です。血液製剤は献血者の善意で成り立つ貴重な医療資源であり、保管・取り扱い・実施の各段階で正しい知識を持つことが患者安全と医療資源の有効活用につながります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:新鮮凍結血漿の説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 の「30〜37℃の湯で融解する。」である。新鮮凍結血漿(FFP:Fresh Frozen Plasma)は、採血後早期に分離した血漿を-20℃以下で凍結保存した血液製剤で、凝固因子(フィブリノゲン、第V・VIII因子など)を含む。融解は専用の融解装置または30〜37℃の温水で行う。37℃を超えると蛋白変性により凝固因子活性が失われるため温度管理が極めて重要である。融解後は凝固因子の活性低下を防ぐため速やかに使用する。

選択肢考察

  1. 1.  30〜37℃の湯で融解する。

    FFPは30〜37℃の温水で融解する。これより高温だと蛋白変性で凝固因子が失活し、低温では融解に時間がかかる。FFP用の融解装置を用いるのが望ましい。

  2. × 2.  輸血には輸液セットを使用する。

    輸血には微小凝集塊や異物を除去するためのフィルター付き輸血セットを用いる。一般的な輸液セットでは血液成分のろ過ができず使用してはならない。

  3. × 3.  融解後は48時間以内に使用する。

    融解後は凝固因子の活性が時間とともに低下するため、できるだけ速やかに、遅くとも24時間以内に使用する。48時間は誤り。

  4. × 4.  融解後に直ちに使用しない場合は20〜24℃で保管する。

    融解後に直ちに使用しない場合は2〜6℃で冷蔵保管する。常温保管は細菌増殖や凝固因子失活のリスクがあり不適切。なお一度融解したFFPを再凍結することはできない。

血液製剤は種類ごとに保存温度が異なる。赤血球製剤は2〜6℃で冷蔵、血小板製剤は20〜24℃で振とう保存、新鮮凍結血漿は-20℃以下で凍結保存である。FFPの適応は凝固因子欠乏による出血傾向、大量輸血時、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血栓性血小板減少性紫斑病などである。輸血実施時は必ず患者氏名・血液型・製剤番号・有効期限を複数人で確認するダブルチェックを行い、輸血開始15分間は副作用(アレルギー反応、TRALI、TACO、感染症など)の出現に注意して観察する。輸血副作用への対応は看護師の重要な役割である。

新鮮凍結血漿の取り扱い(融解温度・使用期限・保管条件・輸血セット)を問う問題。30〜37℃で融解し速やかに使用するのが原則。