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介護を支えているのは誰?国民生活基礎調査が映す「家族介護」の実像

看護師国家試験 第109回 午後 第54問 / 老年看護学 / 高齢者の家族への支援

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第54問

平成 28 年( 2016 年)の国民生活基礎調査で、要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合のうち、「同居の家族」が占める割合に最も近いのはどれか。

  1. 1.20%
  2. 2.40%
  3. 3.60%
  4. 4.80%

対話形式の解説

博士 博士

今日は統計問題じゃ。平成28年の国民生活基礎調査で、要介護者を主に介護している人のうち「同居の家族」が占める割合はどれくらいかね?

アユム アユム

家族が多いというのは何となく知ってますが、具体的な数字は…半分くらい?

博士 博士

正解は3の60%じゃ。正確には58.7%。次いで別居の家族等が12.2%、事業者が13.0%という構成になっておる。

アユム アユム

6割が同居家族なんですね。具体的にはどんな関係の人ですか?

博士 博士

同居家族の内訳は、配偶者が25.2%、子が21.8%、子の配偶者が9.7%。つまり「夫婦で介護」と「親を子が介護」の二つが大きな柱じゃな。

アユム アユム

子の配偶者っていうのは、いわゆるお嫁さんやお婿さんですね。昔はもっと多かったイメージがあります。

博士 博士

鋭いな。かつては嫁介護が主流だったが、女性の就労や核家族化で減少傾向じゃ。一方で配偶者同士の介護、いわゆる老老介護が目立つようになっておる。

アユム アユム

老老介護って、介護する人も高齢ってことですよね。

博士 博士

その通り。主介護者の過半数が65歳以上で、さらに両者が認知症という「認認介護」も社会問題になっておる。

アユム アユム

この調査はどうやって行われているんですか?

博士 博士

国民生活基礎調査は厚生労働省が3年ごとに大規模調査、その間の年は簡易調査で実施する。保健・医療・福祉・年金・所得の基礎資料となる重要統計じゃ。

アユム アユム

介護の担い手が家族中心ということは、家族支援が欠かせないですね。

博士 博士

まさに。介護離職、介護うつ、虐待リスクなど家族介護の負担は大きい。レスパイトケア、デイサービス、ショートステイなどのサービス利用や、地域包括支援センターの活用が重要になる。

アユム アユム

看護師としてはどんな視点が必要ですか?

博士 博士

患者だけでなく家族介護者の健康状態・心理的負担・社会資源活用状況をアセスメントし、必要なサービスにつなぐ橋渡し役が求められる。退院支援や訪問看護の場面で特に重要じゃ。

アユム アユム

単に数字を覚えるんじゃなく、その背景にある家族の姿を意識することが大切なんですね。

博士 博士

その通り。統計の裏にある人々の生活を想像する力こそ看護師に求められる資質じゃよ。

POINT

平成28年国民生活基礎調査において要介護者の主介護者は「同居の家族」が58.7%と過半を占め、その内訳は配偶者25.2%、子21.8%、子の配偶者9.7%と続きます。別居家族は12.2%、事業者は13.0%で、在宅介護の中心は依然として同居家族であることがわかります。しかし主介護者自身が高齢である老老介護や認認介護、介護離職の増加など、家族介護の負担は深刻化しており、レスパイトや地域包括ケアによる支援が不可欠です。看護師は患者本人だけでなく家族介護者の健康と生活全体を視野に入れ、適切な社会資源へつなぐ役割を担います。統計の数字を知ることは、その背景にある人々の暮らしを想像し、必要な支援を設計する出発点となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:平成 28 年( 2016 年)の国民生活基礎調査で、要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合のうち、「同居の家族」が占める割合に最も近いのはどれか。

解説:正解は3の60%である。平成28年国民生活基礎調査によれば、要介護者等の主な介護者の構成は「同居の家族」が58.7%、「別居の家族等」が12.2%、「事業者」が13.0%となっており、同居家族の割合は全体の約6割を占めていた。その内訳は配偶者25.2%、子21.8%、子の配偶者9.7%で、配偶者介護と子介護が中心的担い手である。同居家族による在宅介護は主介護者の高齢化や老老介護、認認介護、介護離職といった課題を伴い、地域包括ケア体制やレスパイト、家族介護者支援の充実が求められる。

選択肢考察

  1. × 1.  20%

    20%では実際の割合を大きく下回る。この水準は別居家族と事業者を合わせた値に近いが、同居家族単独の割合とは一致しない。

  2. × 2.  40%

    40%も実際より低い。平成28年時点で同居家族は依然として在宅介護の主担い手であり、5割を超える水準が続いている。

  3. 3.  60%

    同居家族の割合は58.7%で、選択肢の中では60%が最も近い。内訳は配偶者25.2%、子21.8%、子の配偶者9.7%である。

  4. × 4.  80%

    80%は過大評価。かつて在宅・同居介護が大多数だった時代に近い数字で、現在は介護サービスの利用拡大により同居家族の割合は約6割まで低下している。

国民生活基礎調査は3年ごとに大規模調査、中間年は簡易調査で実施される厚生労働省所管の統計で、保健・医療・福祉・年金・所得に関する基礎資料となる。介護分野では主介護者の続柄、要介護度、介護時間、介護者の年齢・性別などが集計される。経年的に同居家族の割合は減少、別居家族や事業者の割合が増加傾向にあり、核家族化・高齢化・女性の就労拡大を反映している。近年の調査では、主な介護者自身も65歳以上である「老老介護」が半数を超えるなど、家族介護の高負担化が社会課題となっている。

平成28年国民生活基礎調査での主介護者の構成を問う統計問題。「同居家族」が約6割を占めることと、その内訳に配偶者・子・子の配偶者が含まれることを理解する。