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国民健康保険の仕組みを図解、保険者は誰?高額療養費って?

看護師国家試験 第109回 午後 第34問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会保障制度の基本

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第34問

国民健康保険で正しいのはどれか。

  1. 1.被用者保険である。
  2. 2.保険者は国である。
  3. 3.高額療養費制度がある。
  4. 4.保険料は加入者の年齢で算出する。

対話形式の解説

博士 博士

今回は国民健康保険、いわゆる国保について学ぶぞ。日本の医療保険制度は複雑じゃから、しっかり整理するのじゃ。

アユム アユム

日本は国民皆保険って聞きますが、どんな保険があるんですか?

博士 博士

公的医療保険は大きく分けて「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の三つじゃ。被用者保険は会社員や公務員など雇用関係のある人が入る。国民健康保険は自営業者や無職者、退職者など被用者保険に入らない人が対象じゃな。

アユム アユム

国民健康保険の保険者は誰なんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。保険者は都道府県と市町村で、2018年度の改正以降、都道府県が財政運営の責任主体になった。ただし窓口業務や保険料徴収、給付の実務は引き続き市町村が担っておる。

アユム アユム

「国」が保険者じゃないんですね。

博士 博士

そのとおり。選択肢2は誤りじゃ。国は制度設計や財政支援をする立場で、直接の保険者ではない。

アユム アユム

保険料はどう計算されるんですか?

博士 博士

基本は前年の所得、世帯の加入者数、固定資産などを基に市町村が算定する。均等割と所得割の組み合わせで、年齢だけで決まるわけではない。ただし40〜64歳は介護保険料が上乗せされる。

アユム アユム

高額療養費制度ってよく聞きますが、どんな制度ですか?

博士 博士

医療費の自己負担が1か月の上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される公的医療保険共通の制度じゃ。所得区分で上限が異なり、たとえば一般所得者の70歳未満なら月8万円ちょっとが目安になる。

アユム アユム

窓口で高額を払ってから戻ってくるんですか?

博士 博士

事前に「限度額適用認定証」を申請して医療機関に提示すれば、窓口支払い自体が上限額までで済むから負担が軽い。入院前の患者に必ず情報提供すべき制度じゃ。

アユム アユム

国民健康保険は被用者保険じゃないんですか?

博士 博士

違う。被用者保険は労使折半で保険料を負担する仕組みで、国保は全額自己負担(世帯主がまとめて支払う)というのが大きな違いじゃ。また傷病手当金は被用者保険のみの給付で、国保には原則ないという点も覚えておくとよい。

アユム アユム

自己負担割合も保険ごとに違うんですか?

博士 博士

自己負担割合は保険の種類ではなく年齢で決まる。小学校入学前は2割、小学生〜69歳は3割、70〜74歳は2割(現役並み所得は3割)、75歳以上は後期高齢者医療制度で原則1割じゃな。

アユム アユム

看護師として患者さんにどう説明すればいいですか?

博士 博士

とくに高額療養費や限度額認定証、出産育児一時金、公費負担医療(指定難病・小児慢性特定疾病など)の情報は、経済的負担に悩む患者にとって大きな助けになる。医療ソーシャルワーカーと連携して適切に案内する視点が看護の重要な役割じゃ。

POINT

国民健康保険は被用者保険に加入しない自営業者や無職者などを対象とする地域保険で、保険者は都道府県と市町村です。2018年度の改正で都道府県が財政運営の責任主体となりましたが、窓口業務や給付実務は市町村が担います。保険料は前年所得や世帯人数などに基づいて算定され、年齢のみで決まるわけではありません。高額療養費制度は公的医療保険共通の給付で国保でも利用でき、限度額適用認定証を事前申請すれば窓口負担を上限額に抑えられます。看護師として、患者の経済的負担を軽減するこれらの制度を理解し、医療ソーシャルワーカーと連携して適切に案内する視点は、退院支援や在宅移行支援の場面で欠かせない重要な知識です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:国民健康保険で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。国民健康保険は、被用者保険(健康保険、共済組合、船員保険など)に加入しない自営業者、農林水産業従事者、無職者、退職者などを対象とした地域保険である。2018年の改正により、財政運営の責任主体は都道府県に移行したが、資格管理・保険給付・保険料徴収などの実務は引き続き市町村が行う。高額療養費制度は公的医療保険共通の給付で、1か月の自己負担額が所得区分ごとの上限を超えた場合、超過分が支給される仕組みであり、国民健康保険でも当然適用される。

選択肢考察

  1. × 1.  被用者保険である。

    被用者保険は雇用関係にある労働者が加入する保険で、協会けんぽ・組合健保・共済組合・船員保険が該当する。国民健康保険は地域保険であり被用者保険ではない。

  2. × 2.  保険者は国である。

    保険者は都道府県および市町村(一部は国民健康保険組合)であり、国ではない。2018年度から都道府県が財政運営の責任主体となった。

  3. 3.  高額療養費制度がある。

    公的医療保険共通の制度で、国民健康保険でも利用できる。1か月の医療費自己負担が所得に応じた上限を超えた場合、超過分が払い戻される。事前に限度額適用認定証を申請すれば窓口支払い自体を上限額に抑えることもできる。

  4. × 4.  保険料は加入者の年齢で算出する。

    保険料は前年の所得、世帯の加入者数、資産などを基に市町村ごとに算定される。年齢のみで決まるわけではない。ただし40〜64歳は介護保険料が上乗せされる点は押さえておきたい。

日本は1961年に国民皆保険が達成され、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入している。医療費の自己負担は原則3割だが、小学校入学前は2割、70〜74歳は2割(現役並み所得は3割)、75歳以上は後期高齢者医療制度で原則1割(一定以上所得は2割、現役並みは3割)となる。高額療養費制度のほか、出産育児一時金、傷病手当金(被用者保険のみ)なども押さえておくとよい。

国民健康保険の保険者・保険料算定・給付内容の特徴を問う問題。地域保険か被用者保険かの区別が基本。