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無対の静脈を見分ける

看護師国家試験 第107回 午後 第69問 / 人体の構造・機能 / 循環器系

国試問題にチャレンジ

107回 午後 第69問

無対の静脈はどれか。

  1. 1.鎖骨下静脈
  2. 2.総腸骨静脈
  3. 3.内頸静脈
  4. 4.腕頭静脈
  5. 5.門脈

対話形式の解説

博士 博士

今日は「無対」の静脈を見つける問題じゃ。

サクラ サクラ

体内に1本しかない静脈ということですね。

博士 博士

その通り。選択肢の中で左右対でないのはどれかの?

サクラ サクラ

鎖骨下静脈は左右対ですよね。

博士 博士

うむ、上肢から戻る静脈として対になっておる。

サクラ サクラ

総腸骨静脈、内頸静脈、腕頭静脈も左右1対ずつあります。

博士 博士

正解じゃ。それらは合流して下大静脈や上大静脈を形成していく。

サクラ サクラ

残るのは門脈ですね。

博士 博士

そうじゃ。門脈は無対で、上腸間膜静脈と脾静脈が合流してできる。

サクラ サクラ

門脈の役割は何でしょうか。

博士 博士

消化管で吸収された栄養素や毒素を肝臓へ運び、最初に処理させる「第一通過効果」を担うのじゃ。

サクラ サクラ

肝臓には動脈血も入るのですよね。

博士 博士

肝動脈から約30%、門脈から約70%じゃ。門脈血の方が栄養素に富む。

サクラ サクラ

門脈圧亢進症ではどんな症状がありますか。

博士 博士

食道静脈瘤、腹水、腹壁静脈の怒張などじゃ。メデューサの頭という所見は有名じゃな。

サクラ サクラ

門脈の重要性がよく分かりました。

POINT

門脈は体内に1本しか存在しない無対の静脈で、消化管・膵・脾からの血液を肝臓に運ぶ重要血管です。他の選択肢は全て左右1対の有対静脈です。門脈の機能は肝臓での第一通過効果と深く関わり、肝硬変などの病態理解にも直結する解剖知識です。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:無対の静脈はどれか。

解説:正解は5です。門脈は消化管や脾臓からの静脈血を肝臓に運ぶ血管で、体内に1本しか存在しない無対の静脈です。他の選択肢の鎖骨下静脈、総腸骨静脈、内頸静脈、腕頭静脈はいずれも左右1対ずつ存在する有対の静脈です。

選択肢考察

  1. × 1.  鎖骨下静脈

    鎖骨下静脈は左右対になっており、上肢の静脈血を集めて内頸静脈と合流し腕頭静脈となります。

  2. × 2.  総腸骨静脈

    総腸骨静脈も左右対になっており、合流して下大静脈を形成します。

  3. × 3.  内頸静脈

    内頸静脈は左右1対あり、頭部からの静脈血を集めて鎖骨下静脈と合流します。中心静脈穿刺の代表的アプローチ部位です。

  4. × 4.  腕頭静脈

    腕頭静脈も左右1対で、合流して上大静脈を形成します。

  5. 5.  門脈

    門脈は上腸間膜静脈と脾静脈が合流して形成され、消化管・膵・脾からの血液を肝臓に運びます。体内に1本だけ存在する無対静脈です。

無対(体内に1本のみ)の血管の代表は、大動脈、下大静脈、上大静脈、門脈、肺動脈幹、腕頭動脈などです。門脈は肝臓への血液の約70%を供給し、消化管で吸収された栄養素や毒素を最初に肝臓で処理する「第一通過効果」を担います。肝硬変などで門脈圧が亢進すると、食道静脈瘤や腹壁静脈怒張(メデューサの頭)が生じます。

門脈は消化管→肝臓を結ぶ唯一無二の無対静脈で、肝機能と直結する重要血管です。