災害慢性期における避難所看護師の役割
看護師国家試験 第103回 午後 第77問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
- 1.住宅支援
- 2.感染予防
- 3.安全な避難と誘導
- 4.居住スペースの確保
対話形式の解説
博士
災害看護では時期によって求められる役割が変わる。今日は慢性期、つまり復興期における避難所での看護師の役割を考えよう。
サクラ
博士、災害サイクルってどう分けられているんですか?
博士
超急性期は発災から72時間まで、急性期は1週間まで、亜急性期は1ヶ月まで、そして慢性期・復興期は数ヶ月から数年に及ぶ長い期間じゃ。それぞれで看護のポイントが違うんじゃよ。
サクラ
慢性期では避難所がどんな状況になっているんですか?
博士
多くの被災者が長期にわたって集団生活を送る状況じゃ。プライバシーが乏しく、衛生環境が悪化しやすく、疲労とストレスで免疫力も低下しておる。
サクラ
だから選択肢2の「感染予防」が正解なんですね。
博士
その通り。避難所ではノロウイルスやインフルエンザ、新型コロナなどが集団発生しやすい。看護師は手指衛生指導、消毒剤の整備、有症状者の早期発見と隔離、ワクチン調整などで感染予防の中心的役割を担うんじゃ。
サクラ
選択肢1の「住宅支援」はどうですか?
博士
仮設住宅の整備や住宅再建支援は主に市町村や国の行政の仕事じゃ。看護師の専門的役割ではないのう。
サクラ
選択肢3の「安全な避難と誘導」はどうでしょう?
博士
これは超急性期の役割じゃ。発災直後に被災者を安全な場所に避難させる活動で、慢性期の課題ではない。
サクラ
選択肢4の「居住スペースの確保」も時期がずれていますか?
博士
そうじゃ。これは避難所開設時、つまり超急性期から急性期の役割で、慢性期にはすでに確保されておる。看護師の専門でもないのう。
サクラ
慢性期の避難所看護では他にどんな活動が大切ですか?
博士
感染予防に加えて、運動不足による生活不活発病の予防、深部静脈血栓症の予防、こころのケア、慢性疾患患者の服薬・通院支援などじゃ。被災者の生活全体を支える視点が必要じゃ。
サクラ
長期化するからこそ多面的なケアが必要なんですね。
博士
その通り。看護師は地域の保健師、医師、行政、ボランティアと連携しながら長期的な健康支援を行うんじゃ。
サクラ
災害看護の幅広さがよく分かりました。
博士
災害は誰にでも起こりうる。看護師として平時から備えておくことが命と健康を守る基盤になるんじゃ。
POINT
災害慢性期の避難所では集団生活と衛生悪化、免疫低下により感染症蔓延のリスクが高く、看護師の中心的役割は感染予防となります。住宅支援は行政、避難誘導や居住スペース確保は急性期の対応であり、慢性期の看護師業務ではありません。慢性期では加えて生活不活発病予防やこころのケア、慢性疾患管理など多面的支援が求められます。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。災害の慢性期(復興期)の避難所では、多数の被災者が集団生活を送るなかで衛生環境が悪化しやすく、疲労やストレスによる免疫低下も加わり感染症が蔓延しやすい状況にあります。看護師の役割としては手指衛生の指導、マスクや消毒剤の整備、有症状者の早期発見と隔離、ワクチン接種の調整など感染予防活動が中心となります。
選択肢考察
-
× 1. 住宅支援
仮設住宅や住宅再建の支援は主に行政(市町村・国)の役割であり、看護師の専門的役割ではありません。
-
○ 2. 感染予防
避難所では集団生活による感染リスクが高く、感染予防は看護師が果たすべき中心的役割です。
-
× 3. 安全な避難と誘導
避難・誘導は災害発生直後の急性期(発災~72時間)に必要な対応であり、慢性期の役割ではありません。
-
× 4. 居住スペースの確保
避難所開設時に必要な対応であり、慢性期にはすでに居住スペースは確保されています。看護師の専門領域でもありません。
災害サイクルは超急性期(発災~72時間)、急性期(~1週間)、亜急性期(~1ヶ月)、慢性期・復興期(~数年)に分けられます。慢性期の避難所看護では感染予防に加え、生活不活発病予防、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)予防、こころのケア、慢性疾患の継続管理が重要です。
災害サイクルにおける慢性期の避難所看護の役割を問う問題です。
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