災害医療体制の要点、医療計画とDMATを理解する
看護師国家試験 第107回 午前 第67問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
災害医療について正しいのはどれか。
- 1.災害拠点病院は市町村が指定する。
- 2.医療計画の中に災害医療が含まれる。
- 3.防災訓練は災害救助法に規定されている。
- 4.災害派遣医療チーム< DMAT >は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。
対話形式の解説
博士
大規模災害では医療需要が一気に跳ね上がるが、その体制は法的にどう整備されておるんじゃ?
サクラ
医療法に基づく医療計画で、都道府県が災害時の医療提供体制を定めています。
博士
医療計画に含まれる5疾病と5事業を言えるかな?
サクラ
5疾病はがん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患。5事業は救急医療、災害時医療、へき地医療、周産期医療、小児医療です。
博士
その通り。災害時医療はしっかり5事業に含まれておるな。
サクラ
最近は新興感染症が加わって6事業になったんですよね。
博士
その通り、2024年度から改定されたんじゃ。さて、災害拠点病院は誰が指定する?
サクラ
都道府県です。地域災害拠点病院と基幹災害拠点病院の2種類があります。
博士
災害拠点病院に求められる機能は?
サクラ
24時間対応の救命医療、被災地からの重症患者受入、DMAT保有、自家発電や応急資器材の備蓄などです。
博士
DMATとは何の略じゃ?
サクラ
Disaster Medical Assistance Teamで、災害急性期に機動的に活動する医療チームです。活動期間はおおむね48時間以内です。
博士
DMATのメンバー構成は?
サクラ
医師、看護師、業務調整員などで構成され、専門研修を修了した者のみで組まれます。
博士
長期的な支援は誰が担うのかな?
サクラ
JMAT、日赤救護班、DPAT、自治体派遣医療班などが亜急性期以降を担います。
博士
DPATは何を専門にするチームかの?
サクラ
災害派遣精神医療チームで、被災者のメンタルヘルスケアを担当します。
博士
防災訓練はどの法律に根拠があるんじゃ?
サクラ
災害対策基本法と消防法です。災害救助法ではなく、平時の備えに関する規定は災害対策基本法が中心ですね。
博士
災害救助法の役割は?
サクラ
災害発生後の応急的救助、避難所設置、食料・衣料・医療提供、仮設住宅の供給などを定めます。
サクラ
看護師のトリアージも重要ですよね。
博士
その通り。START法が広く用いられ、赤・黄・緑・黒に色分けして治療優先順位を決めるんじゃ。
POINT
災害医療は医療法の医療計画(5事業)に位置づけられ、都道府県が災害拠点病院を指定します。DMATは急性期48時間の機動的支援、長期支援はJMATや日赤救護班が担うと役割分担を覚えましょう。防災訓練の根拠は災害対策基本法と消防法で、災害救助法は発災後の救助が対象です。法律の守備範囲の違いが頻出ポイントです。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:災害医療について正しいのはどれか。
解説:正解は2です。医療法で都道府県が策定を義務付けられる医療計画には、5疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・糖尿病・精神疾患)と5事業(救急医療・災害時医療・へき地医療・周産期医療・小児医療)が定められており、災害医療はその5事業の一つに位置づけられています。
選択肢考察
-
× 1. 災害拠点病院は市町村が指定する。
災害拠点病院は都道府県が指定します。地域災害拠点病院は二次医療圏に原則1か所以上、基幹災害拠点病院は都道府県に原則1か所設置され、24時間対応の救命医療や医療支援機能を備えています。
-
○ 2. 医療計画の中に災害医療が含まれる。
医療法に基づき都道府県が策定する医療計画は、5疾病5事業(近年は在宅医療を加えて5疾病5事業+在宅、さらに新興感染症対策が追加され6事業化)で構成され、災害時医療はその重要な柱の一つです。
-
× 3. 防災訓練は災害救助法に規定されている。
防災訓練の実施は災害対策基本法や消防法に規定されています。災害救助法は災害発生後の被災者救助(避難所設置、食料・医療提供、仮設住宅供給など)に関する法律で、訓練の規定はありません。
-
× 4. 災害派遣医療チーム< DMAT >は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。
DMATは災害発生からおおむね48時間以内の急性期に活動する機動的な医療チームです。長期的支援はJMAT(日本医師会災害医療チーム)、DPAT(災害派遣精神医療チーム)、日赤救護班、自治体派遣医療班などが担います。
災害サイクルは超急性期・急性期・亜急性期・慢性期・静穏期・準備期に分けられます。DMATは急性期、DPATは精神科医療を中心に亜急性期以降、JMATや日赤救護班は亜急性期から慢性期、と活動時期で役割を分担しています。2024年度からは医療計画に新興感染症が加わり「5疾病6事業+在宅医療」になっています。
災害医療体制の法的位置づけと、DMATをはじめとする支援チームの役割分担を理解しているかを問う問題です。
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