StudyNurse

災害拠点病院のしくみ

看護師国家試験 第111回 午後 第75問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第75問

災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。

  1. 1.国が指定する。
  2. 2.災害発生時に指定される。
  3. 3.広域搬送の体制を備えている。
  4. 4.地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される。

対話形式の解説

博士 博士

阪神・淡路大震災の教訓から1996年に制度化されたのが災害拠点病院じゃ。災害医療の要となる病院じゃよ。

サクラ サクラ

災害時に重要な役割を担うんですね。正解は何番ですか?

博士 博士

正解は3番、広域搬送の体制を備えている、じゃ。ヘリポートを敷地内か近隣に備えることが指定要件の一つなのじゃ。

サクラ サクラ

1番の国が指定する、は?

博士 博士

これは誤り。災害拠点病院は都道府県知事が指定する。厚生労働省が要件を定め、都道府県医療審議会等の承認を経て指定されるんじゃ。

サクラ サクラ

2番の災害発生時に指定される、は?

博士 博士

これも誤り。平時に指定し、備蓄・訓練・体制整備を常日頃から行っておく必要がある。発災時に指定していたら間に合わんのじゃよ。

サクラ サクラ

4番の地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される、は?

博士 博士

これも誤りじゃ。地域災害拠点病院は二次医療圏ごとに原則1か所以上設置される。都道府県に1か所なのは基幹災害拠点病院のほうじゃ。

サクラ サクラ

基幹と地域、2種類あるんですね。違いは何ですか?

博士 博士

基幹災害拠点病院は都道府県全体の司令塔として、地域拠点病院の支援やDMAT活動の統括を担う。地域災害拠点病院は各医療圏で重症傷病者を受け入れる役割じゃ。

サクラ サクラ

指定要件ってほかにどんなものがありますか?

博士 博士

24時間緊急対応、重症患者受入れ、DMAT保有、耐震構造、自家発電、3日分の食料・水・医薬品備蓄、衛星電話、定期訓練、などじゃ。東日本大震災後はBCP、事業継続計画の策定も求められておる。

サクラ サクラ

DMATって災害派遣医療チームですよね。

博士 博士

そうじゃ、Disaster Medical Assistance Teamの略で、災害急性期、おおむね48時間以内に活動できる機動性をもった医療チームじゃ。

サクラ サクラ

災害医療はチームワークと事前準備が命なんですね。

博士 博士

その通り。平時の準備、通信・搬送・備蓄・訓練、すべてが災害時の救命につながるんじゃよ。

POINT

災害拠点病院は阪神・淡路大震災の教訓から1996年に制度化され、都道府県知事が平時に指定します。本問の正解は3番で、広域搬送対応のためヘリポート設置などが指定要件です。国指定ではなく(1は誤)、発災時指定でもなく(2は誤)、地域災害拠点病院は二次医療圏ごとに設置されます(4は誤)。基幹災害拠点病院は都道府県に1か所設置され、県全体の司令塔役を担います。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。災害拠点病院は、阪神・淡路大震災(1995年)の教訓から1996年に制度化された病院で、災害時における初期救急医療体制の充実強化を図る目的で整備されました。24時間緊急対応、重症傷病者の受入れ、広域搬送への対応、医療救護班(DMAT)の派遣機能、自己完結型の医療救護チームとしての活動、地域医療機関への応急用資器材の貸与などの機能を備えています。

選択肢考察

  1. × 1.  国が指定する。

    災害拠点病院は国ではなく都道府県知事が指定します。厚生労働省が定める指定要件に基づき、都道府県医療審議会等の承認を経て指定されます。

  2. × 2.  災害発生時に指定される。

    災害発生時ではなく、平時に指定されます。発災時に即応するためには、耐震構造・備蓄・訓練・ヘリポートなどを事前に整備しておく必要があるためです。

  3. 3.  広域搬送の体制を備えている。

    災害拠点病院は広域搬送患者の受入れ・搬出に対応する機能を有し、病院敷地内または近隣にヘリコプターの離着陸場(ヘリポート)を備えることが指定要件となっています。

  4. × 4.  地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される。

    地域災害拠点病院は原則として二次医療圏ごとに1か所以上設置されます。各都道府県に1か所設置されるのは基幹災害拠点病院で、都道府県全体の司令塔的役割を担います。

災害拠点病院の主な指定要件は、(1)24時間緊急対応し重症傷病者を受入れ可能、(2)災害派遣医療チーム(DMAT)を保有しチーム派遣体制を整備、(3)耐震構造の病棟、自家発電、受水槽、備蓄(食料・医薬品・飲料水3日分)、(4)ヘリポート設置、(5)衛星電話など通信手段の確保、(6)定期的な災害訓練の実施、などです。2011年東日本大震災後に要件が強化され、BCP(事業継続計画)策定も求められるようになりました。

災害拠点病院の指定主体・時期・機能・設置基準を問う基礎問題です。