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立位X線のニボー像はイレウスのサインじゃ

看護師国家試験 第104回 午前 第38問 / 疾病の成り立ちと回復の促進 / 疾病に対する医療

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第38問

成人の立位の腹部エックス線写真を以下に示す。この所見から最も考えられる疾患はどれか。

成人の立位の腹部エックス線写真を以下に示す。この所見から最も考えられる疾患はどれか。
  1. 1.胆石症(cholelithiasis)
  2. 2.イレウス(ileus)
  3. 3.潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
  4. 4.十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)

対話形式の解説

博士 博士

学生くん、この立位腹部X線で何が見えるかの?

アユム アユム

お腹の中央に蛇のようにとぐろを巻く影が見え、左側に空気と液体が分かれた像があります。

博士 博士

その境界線が水平に並んでおる像を「ニボー像」または「鏡面像(air-fluid level)」というのじゃ。

アユム アユム

これはどんな病気ですか?

博士 博士

イレウス、つまり腸閉塞の典型所見じゃ。閉塞部より口側に空気と液体がたまり、立位で重力により分離して水平な境界を作るのじゃ。

アユム アユム

胆石症ではこういう像は見えないのですか?

博士 博士

胆石症は超音波やCT、MRCPで診断するのが基本じゃ。単純X線では石灰化した一部の結石しか見えん。

アユム アユム

潰瘍性大腸炎は?

博士 博士

大腸内視鏡で粘膜のびらんや潰瘍を直接見るのが診断の中心じゃ。単純X線でニボー像は出ないのじゃ。

アユム アユム

十二指腸潰瘍はどうですか?

博士 博士

上部消化管内視鏡が標準じゃ。ただし潰瘍が穿孔した場合は腹腔内にfree air(遊離ガス)が見えることがあるぞ。

アユム アユム

イレウスはどう分類されるのですか?

博士 博士

機械的(閉塞性)と機能的(麻痺性)じゃ。機械的のうち血流障害を伴う絞扼性は緊急手術適応で見逃せんのじゃ。

アユム アユム

臨床症状は何ですか?

博士 博士

腹痛、嘔吐、排ガス排便停止、腹部膨満の4徴じゃ。これに頻脈や発熱、腹膜刺激症状があれば絞扼性を疑うのじゃ。

アユム アユム

看護のポイントは?

博士 博士

絶飲食、胃管によるドレナージ、輸液、バイタル監視、腹部所見の経時的観察じゃ。痛みの増強や腹膜刺激症状の出現は絞扼性のサインじゃぞ。

アユム アユム

X線の所見も看護に役立ちますね!

POINT

立位腹部X線で腸管拡張とニボー像が認められる場合、イレウス(腸閉塞)が最も考えられます。閉塞部より口側で空気と液体が分離し、複数の鏡面像が階段状に並ぶのが典型です。胆石症は超音波・CT、潰瘍性大腸炎は内視鏡、十二指腸潰瘍も内視鏡で診断され、単純X線では本所見は出ません。臨床症状は腹痛・嘔吐・排ガス排便停止・腹部膨満の4徴で、絞扼性の有無を見極めることが看護の要です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:成人の立位の腹部エックス線写真を以下に示す。この所見から最も考えられる疾患はどれか。

解説:正解は2です。立位腹部単純X線で腸管の拡張と「ニボー像(鏡面像/air-fluid level)」が認められるのはイレウス(腸閉塞)の典型所見です。閉塞部位より口側の腸管に空気と液体が溜まり、立位で重力により水平面を作ることで空気と液体の境界が階段状に複数の鏡面像として描出されます。

選択肢考察

  1. × 1.  胆石症(cholelithiasis)

    胆石症の診断は腹部超音波検査やCT、MRI/MRCPが基本です。腹部単純X線では石灰化したコレステロール石や色素石がわずかに描出される程度で、ニボー像は出ません。

  2. 2.  イレウス(ileus)

    立位腹部X線でのニボー像(鏡面像)と腸管拡張はイレウスの典型所見です。機械的腸閉塞では特に鮮明で、複数の鏡面像が階段状に並びます。

  3. × 3.  潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)

    潰瘍性大腸炎の診断は大腸内視鏡検査による粘膜の連続性びらん・潰瘍の所見と生検が中心で、注腸造影や血液・便検査も用います。単純X線でニボー像は通常見られません。

  4. × 4.  十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)

    十二指腸潰瘍の診断は上部消化管内視鏡検査が標準で、出血や穿孔を合併しなければ単純X線では特異的所見はありません。穿孔時は遊離ガス像(free air)が見られます。

イレウスは機械的(閉塞性)と機能的(麻痺性)に分類されます。機械的では絞扼性が緊急手術適応で見逃せません。腹部単純X線で確認すべき所見は、腸管拡張、ニボー像、ケルクリングひだ(小腸)、ハウストラ(大腸)、free air(消化管穿孔)。臨床症状は腹痛、嘔吐、排ガス排便停止、腹部膨満の4徴です。

立位腹部単純X線で見られるニボー像と腸管拡張がイレウスの典型所見であることを画像から読み取れるかを問う設問です。