髄膜炎で傾眠傾向の3歳児、まず観察すべきは?
看護師国家試験 第103回 午後 第61問 / 小児看護学 / 急性期・特別な状況下の看護
国試問題にチャレンジ
Aちゃん(3歳0か月)は、午後から38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎(meningitis)が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、Aちゃんは、体温38.5℃、呼吸数30/分、心拍数120/分、血圧102/60mmHgであった。 入院時のAちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
- 1.冷罨法を行う。
- 2.水平仰臥位を保つ。
- 3.意識レベルを観察する。
- 4.大泉門の状態を観察する。
対話形式の解説
博士
Aちゃんは発熱に加え嘔吐3回と傾眠傾向が出ている状態じゃ。髄膜炎は脳を包む髄膜の炎症で、頭蓋内圧亢進から脳ヘルニアに至ると命に関わるんじゃよ。
サクラ
傾眠ってもう意識障害なんですか?
博士
そうじゃ、JCSではI桁ながら確実な意識低下のサインじゃ。だからこそ最優先は意識レベルの継続観察、つまり選択肢3が正解じゃ。
サクラ
1の冷罨法ではダメなんですか?
博士
安楽援助としては行ってよいが、命の優先度では下じゃ。意識評価が後回しになってはいかん。
サクラ
2の水平仰臥位はどうですか?
博士
嘔吐がある児を仰向けにすると誤嚥するぞ。側臥位や顔を横向きにする方が安全じゃ。
サクラ
4の大泉門は乳児の観察項目でしたよね?
博士
その通り、大泉門は通常1歳半から2歳で閉鎖するから、3歳児では観察できんのじゃ。
サクラ
意識レベルを見ながら呼吸や瞳孔も同時にチェックすればよいですね。
博士
さらにクッシング徴候が出たら脳ヘルニアの危険サインじゃ、即報告じゃぞ。
POINT
髄膜炎が疑われ傾眠傾向のあるAちゃんでは、意識障害の進行を見逃さないことが最優先です。冷罨法や体位調整は補助的対応であり、3歳では大泉門は閉鎖しています。意識レベル・呼吸・瞳孔・痙攣・頭蓋内圧亢進症状を継続観察し、悪化の兆候を早期発見することが看護のポイントです。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:Aちゃん(3歳0か月)は、午後から38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎(meningitis)が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、Aちゃんは、体温38.5℃、呼吸数30/分、心拍数120/分、血圧102/60mmHgであった。 入院時のAちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。
解説:正解は 3 です。Aちゃんは髄膜炎が疑われ、来院時点ですでに傾眠傾向という意識障害が出現しています。髄膜炎では細菌やウイルスの感染により髄膜が炎症を起こし、頭蓋内圧亢進や脳実質への波及によって急激に意識障害が悪化することがあります。生命に直結するため、まずは意識レベルを継続的に評価し、悪化の兆候を早期に捉えることが最優先となります。
選択肢考察
-
× 1. 冷罨法を行う。
発熱に対する安楽の援助としては有用ですが、現時点で最も生命に近いリスクは意識障害の進行であり、優先度は低くなります。
-
× 2. 水平仰臥位を保つ。
傾眠傾向と嘔吐がある状況で水平仰臥位は誤嚥や窒息の危険を高めます。むしろ側臥位や顔を横に向けた体位が望まれます。
-
○ 3. 意識レベルを観察する。
傾眠傾向はすでに軽度の意識障害です。頭蓋内圧亢進や脳症への進行を見逃さないため、意識レベルの継続観察が最優先となります。
-
× 4. 大泉門の状態を観察する。
大泉門は通常1歳半〜2歳までに閉鎖するため、3歳のAちゃんでは観察対象として適切ではありません。
小児の髄膜炎ではJCSやGCSによる定期的な意識評価に加え、呼吸状態、瞳孔、痙攣の有無、頭痛・嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状を併せて観察します。クッシング徴候(血圧上昇+徐脈+呼吸不整)が出現したら脳ヘルニア徴候として緊急対応が必要です。
髄膜炎で傾眠傾向にある幼児の入院時対応として、意識障害の進行リスクを最優先で評価できるかを問う問題です。
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