学童期の肥満
看護師国家試験 第111回 午後 第59問 / 小児看護学 / 健康増進のための小児看護
国試問題にチャレンジ
学童期の肥満で正しいのはどれか。
- 1.Kaup〈カウプ〉指数で評価する。
- 2.症候性の肥満がほとんどを占める。
- 3.食事では蛋白質の摂取制限を行う。
- 4.成人期の生活習慣病のリスク因子である。
対話形式の解説
博士
今日は学童期の肥満について考えよう。
サクラ
子どもの肥満も増えているんですか?
博士
学校保健統計でも肥満傾向児の割合は高水準が続いているんだ。
サクラ
評価はどうやって行うのですか?
博士
学童期は肥満度やBMIで評価する。肥満度=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100で計算するよ。
サクラ
正解は何番ですか?
博士
正解は4の成人期の生活習慣病のリスク因子であるだ。
サクラ
選択肢1のカウプ指数は?
博士
カウプ指数は乳幼児用の指標。学童期には使わない。
サクラ
選択肢2の症候性肥満は?
博士
学童期の肥満はほとんどが単純性(原発性)肥満で、摂取エネルギー過多や運動不足が原因。症候性は内分泌疾患などによる少数例だよ。
サクラ
選択肢3の蛋白質制限は?
博士
成長期に蛋白質を制限すると発育に悪影響。バランスを整え、脂質や糖質の過剰を見直すのが基本。
サクラ
肥満度の区分はどうなっていますか?
博士
+20%以上で軽度、+30%以上で中等度、+50%以上で高度肥満だよ。
サクラ
どんな合併症が心配ですか?
博士
小児期から2型糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、高血圧を発症する例もある。動脈硬化も早期に進行するよ。
サクラ
介入のコツは?
博士
子どもだけでなく家族全体の食事・運動習慣を見直すこと。行動療法的アプローチが有効だ。
サクラ
早期介入が将来につながるんですね。
博士
そのとおり。思春期までに適正体重に近づけることが成人肥満予防の鍵なんだ。
POINT
学童期の肥満は肥満度で評価し、ほとんどが単純性肥満です。蛋白質制限は行わずバランスの良い食事と運動で介入します。学童期肥満は成人肥満に移行しやすく生活習慣病のリスク因子となるため、家族を含めた早期の生活習慣改善が重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:学童期の肥満で正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。学童期の肥満の多くは成人肥満に移行し、2型糖尿病・脂質異常症・高血圧・脂肪肝など成人期の生活習慣病のリスクを高めます。早期の予防と介入が重要です。
選択肢考察
-
× 1. Kaup〈カウプ〉指数で評価する。
カウプ指数は乳幼児(生後3か月〜5歳頃)の体格評価に用います。学童期は肥満度(%)や成人同様のBMIで評価します。
-
× 2. 症候性の肥満がほとんどを占める。
学童期肥満の多くは過剰なエネルギー摂取と運動不足による単純性(原発性)肥満で、症候性肥満は少数です。
-
× 3. 食事では蛋白質の摂取制限を行う。
成長期のため蛋白質制限は成長を妨げるので行いません。総エネルギー量を適正化し、脂質・糖質の過剰摂取を見直しバランスを整えます。
-
○ 4. 成人期の生活習慣病のリスク因子である。
学童期肥満は成人肥満への移行率が高く、2型糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝・動脈硬化など生活習慣病の発症リスクを上昇させます。
学童期の肥満判定は肥満度=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100で計算し、+20%以上を軽度肥満、+30%以上を中等度、+50%以上を高度肥満とします。小児肥満症診療ガイドライン2017では、肥満度+20%以上かつ体脂肪率が有意に増加した状態を肥満と定義しています。介入では家族を含めた生活習慣改善が鍵です。
学童期肥満の評価指標、原因、食事指導の原則、将来のリスクを統合的に理解しているかを問う問題です。
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