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卵アレルギー児が保育所で誤食!母の不安にどう応える?

看護師国家試験 第107回 午前 第101問 / 小児看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第101問

Aちゃん( 3歳、女児 )は、父親( 会社員 )と母親( 会社員 )との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギー( food allergy )と診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。 翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。 このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。

  1. 1.「保育所はしばらくお休みしましょう」
  2. 2.「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」
  3. 3.「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
  4. 4.「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」

対話形式の解説

博士 博士

さて、今日は3歳のAちゃんが保育所で隣の子の卵おかずを食べてしまって蕁麻疹と咳が出た事例じゃ。

サクラ サクラ

除去食は出ていたのに、事故が起きてしまったんですね。

博士 博士

そこがポイントじゃ。給食自体には卵が入っていなかった。ではなぜ発症した?

サクラ サクラ

隣の席の園児のおかずを摂ってしまったからですよね。つまり献立の問題ではなく、食事中の環境の問題。

博士 博士

その通り。じゃから栄養士に献立を相談してもあまり意味がないんじゃ。

サクラ サクラ

なるほど。現場で見守る保育士さんと席順や配膳の仕方を話し合うことが大切なんですね。

博士 博士

うむ。3歳児というのは隣の子のものが気になりやすく、交換や盗み食いもよく起きる発達段階じゃからのう。

サクラ サクラ

だから大人側が環境を整えないといけないんですね。園児本人に説明しても理解は難しそうです。

博士 博士

そこを問うのが選択肢4じゃ。周囲への説明は大事じゃが、3歳児に抽象概念を説明するより先に、大人の管理体制じゃ。

サクラ サクラ

保育所を休ませるという選択肢はどうですか?

博士 博士

気持ちは分かるが、それでは発達や社会性の機会を失う。休ませる前に環境調整を試みるべきじゃ。

サクラ サクラ

具体的には席を離す、トレーの色を変える、交換禁止のルールを徹底するなどでしょうか。

博士 博士

その通り。加えてエピペンの預け方、緊急時の救急連絡フローまで保育士と詰めておきたいのう。

サクラ サクラ

母親の不安にも寄り添いつつ、実行可能な対策を一緒に考える姿勢が大切なんですね。

POINT

食物アレルギー児の誤食事故では、原因となった場面を正確に分析することが第一歩です。本事例では給食自体は適切に除去されており、隣席児からの誤摂取が原因でした。したがって献立や栄養士ではなく、見守りの最前線にいる保育士と連携し、席配置・配膳・監視体制・緊急時対応を具体的に詰めることが再発防止の鍵となります。看護師は母親の不安に共感しつつ、現実的で継続可能な環境調整を提案しましょう。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:Aちゃん( 3歳、女児 )は、父親( 会社員 )と母親( 会社員 )との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギー( food allergy )と診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。 翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。 このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。

解説:正解は3です。Aちゃんのアレルギー症状は、保育所が提供していた除去食そのものではなく、隣席の園児が食べていた卵入りおかずを誤って摂取したために起きています。つまり食物そのものの管理というより、配膳の位置取り・食具の扱い・食事中の見守り体制という「給食時の環境」に課題があったと考えられます。3歳児は自制が難しく他児と食べ物を交換しやすいため、担任保育士と席順・配膳導線・緊急時対応(エピペンや救急搬送の手順)まで含めて具体的に相談することが、再発予防として最も有効です。

選択肢考察

  1. × 1.  「保育所はしばらくお休みしましょう」

    保育所を休むことは再発予防の一手段ではあるものの、成長発達や集団生活の機会を奪うことになり、根本的な環境調整にもなりません。休ませる前にまず給食場面の安全対策を講じるのが筋道です。

  2. × 2.  「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」

    提供されていた給食は既に卵が除去されており、献立そのものに問題はありません。今回の原因は隣席児の食物への接触であり、栄養士より先に現場で見守る保育士との相談が優先されます。

  3. 3.  「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」

    事故は配膳・着席中の摂取場面で発生しており、保育士と席配置、トレー色分け、食事中の監視、アレルギー児用のおかず交換禁止ルールなどを具体化することが再発防止に直結します。

  4. × 4.  「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」

    周囲の理解を得ること自体は望ましいですが、3歳児に対して抽象的なアレルギー概念を説明しても行動変容は期待しにくく、まずは大人が管理する環境整備が先決です。

食物アレルギー児の保育所生活では、厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」や学校給食での生活管理指導表の活用が推奨されています。配膳時の色分けトレー、席の固定、除去食の別配膳、職員全員での情報共有、エピペン使用のシミュレーション訓練などが基本対策です。家庭でも緊急時の連絡先と対応手順を文書化し、保護者・園・医療機関で共有しておくと安心です。

食物アレルギー児が集団生活で誤食した際、再発防止のためにどの職種・場面に介入すべきかを問うています。原因場面を特定し優先順位の高い対応を選ぶ力が問われます。