レビー小体型認知症のAさん、妻の入院中に使えるサービスは?
看護師国家試験 第111回 午前 第111問 / 精神看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。 Aさんの入院中に妻は自営業の仕事を減らし、自宅でAさんを介護する準備を整えた。Aさんが退院し、3か月が経過したころ、Aさんの妻が3週間程度の予定で入院して手術をすることになった。Aさんは杖を使用し散歩ができるが、入浴や食事については妻が介護を行っていた。 妻の入院中にAさんに必要なサービスはどれか。
- 1.短期入所〈ショートステイ〉
- 2.精神科病院への入院
- 3.重度訪問介護
- 4.同行援護
対話形式の解説
博士
今日はレビー小体型認知症のAさんの事例じゃ。妻が3週間手術で入院することになり、Aさんの介護をどうするかが問題になっておる。
サクラ
Aさんは杖歩行はできるけど、入浴と食事は妻が介助していたんですよね。3週間も妻がいないのは困りますね。
博士
そこで選択肢を見てみよう。正解は1の短期入所、いわゆるショートステイじゃ。介護保険の短期入所生活介護は、介護者が病気や入院、冠婚葬祭などで一時的に介護できないときに、要介護認定を受けた高齢者が施設に短期入所して介護を受けられるサービスなんじゃ。
サクラ
連続何日まで利用できるんですか?
博士
原則30日までじゃから、3週間ならしっかりカバーできる。入浴・排泄・食事の介助や機能訓練も受けられるぞ。
サクラ
2の精神科病院への入院はどうしてダメなんでしょう?
博士
Aさんは症状悪化や自傷他害のリスクが示されておらん。精神科入院は医学的適応があってこそ行うもので、介護者不在を理由に入院させるのは人権上も不適切じゃ。
サクラ
3の重度訪問介護は障害福祉サービスですよね。
博士
そのとおり。重度訪問介護は常時介護を要する重度の肢体不自由・知的障害・精神障害の方が対象で、Aさんのように杖歩行可能な方は対象外じゃ。
サクラ
4の同行援護は視覚障害の方向けですね。Aさんには視覚障害はないので当てはまりません。
博士
よく理解しておるな。レビー小体型認知症の4大特徴も押さえておこう。パーキンソン症状、認知機能の動揺、幻視、そしてREM睡眠行動障害じゃ。入眠90分以降に暴れる行動はREM睡眠行動障害、台所に子どもが見えるのは幻視の典型じゃな。
サクラ
介護保険サービスと障害者総合支援法のサービスを区別することが大事ですね。しっかり覚えます。
博士
その通り。対象者要件を正確に押さえれば迷わず選べるぞ。
POINT
レビー小体型認知症のAさんは、妻の3週間の入院中、入浴や食事の介助を代替する必要があります。介護保険の短期入所(ショートステイ)は要介護認定を受けた方が一時的に施設入所して生活介護を受けられるサービスで、連続30日まで利用可能です。精神科入院は医学的適応が必要、重度訪問介護と同行援護は障害者総合支援法のサービスで対象者要件が異なります。介護者の一時的不在時には短期入所が第一選択となります。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:次の文を読み以下の問いに答えよ。 Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。 Aさんの入院中に妻は自営業の仕事を減らし、自宅でAさんを介護する準備を整えた。Aさんが退院し、3か月が経過したころ、Aさんの妻が3週間程度の予定で入院して手術をすることになった。Aさんは杖を使用し散歩ができるが、入浴や食事については妻が介護を行っていた。 妻の入院中にAさんに必要なサービスはどれか。
解説:正解は 1 です。主介護者である妻が約3週間入院するため、その間にAさんの入浴や食事などの日常生活介護を代替する必要があります。短期入所(ショートステイ)は、介護者の疾病・冠婚葬祭・出張や介護負担軽減などを理由に、要介護認定を受けた高齢者が短期間施設に入所して介護を受けられる介護保険サービスで、レビー小体型認知症で要介護認定を受けているAさんが妻不在中に利用するのに最適です。
選択肢考察
-
○ 1. 短期入所〈ショートステイ〉
介護保険の短期入所生活介護は、特別養護老人ホーム等で入浴・排泄・食事の介助や機能訓練を受けられるサービス。介護者の入院時の一時的な代替介護に適しており、連続利用は原則30日以内と定められているため3週間の妻の入院期間をカバーできます。
-
× 2. 精神科病院への入院
Aさんのレビー小体型認知症は現時点で症状悪化や自傷他害のリスクが示されておらず、精神科入院の医学的適応はありません。介護者不在を理由に精神科病院へ入院させることは不適切です。
-
× 3. 重度訪問介護
重度訪問介護は障害者総合支援法に基づく福祉サービスで、重度の肢体不自由や重度の知的・精神障害により常時介護を要する方が対象。Aさんは杖歩行が可能で常時介護を必要としないため対象外です。
-
× 4. 同行援護
同行援護は視覚障害により移動が著しく困難な方に対し、外出時に情報提供や移動の援護を行うサービス。Aさんに視覚障害はないため該当しません。
レビー小体型認知症ではパーキンソン症状・認知機能の動揺・幻視・REM睡眠行動障害が4大特徴。入眠後90分以上で暴れる行動はREM睡眠行動障害の典型で、日中の台所の子どもの幻視も典型的所見です。介護保険サービスと障害者総合支援法のサービスを区別し、対象者要件を押さえることが重要です。
主介護者が一時的に不在となる状況で、要介護高齢者に適切な社会資源を選択できるかが問われています。
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