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AMLの必修所見「白血病裂孔」とMPO染色を徹底整理

看護師国家試験 第109回 午後 第31問 / 成人看護学 / 血液・免疫系

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第31問

急性骨髄性白血病( acute myelogeneous leukemia )の検査所見で正しいのはどれか。

  1. 1.赤血球数が増加する。
  2. 2.血小板数が増加する。
  3. 3.白血球分画に白血病裂孔を認める。
  4. 4.ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が 3 %未満である。

対話形式の解説

博士 博士

今回のテーマは急性骨髄性白血病、略してAMLの検査所見じゃ。国試では頻出じゃから、要点をしっかり押さえるのじゃぞ。

サクラ サクラ

AMLって、骨髄の中で白血病細胞がどんどん増える病気ですよね。血液検査ではどんな異常が出るんですか?

博士 博士

良いスタートじゃ。骨髄が白血病細胞に埋め尽くされると、正常な造血スペースが奪われる。結果として赤血球、血小板、そして正常な好中球がすべて減る「汎血球減少」が典型的じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ赤血球が増えるとか血小板が増えるって選択肢は、その時点でバツなんですね。

博士 博士

そのとおりじゃ。続いて注目してほしいのが「白血病裂孔(hiatus leukemicus)」という用語じゃ。

サクラ サクラ

白血病裂孔って、どういう意味ですか?なんだか難しい言葉ですね。

博士 博士

末梢血の白血球分画を見ると、一番幼い芽球と、ごく一部の成熟好中球だけがいて、その間をつなぐ前骨髄球・骨髄球・後骨髄球といった中間段階の細胞がごっそり抜け落ちておる。この分化段階の「裂け目」を裂孔と呼ぶのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、分化の途中が飛び石みたいに抜けているんですね。慢性骨髄性白血病でも同じ所見になるんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。CMLでは分化途中のすべての段階が連続的に見えるから裂孔は生じない。ここはAMLとCMLを鑑別する重要ポイントじゃ。

サクラ サクラ

4番のミエロペルオキシダーゼの話もよくわかりません。なぜ3%が境目なんですか?

博士 博士

ミエロペルオキシダーゼ、略してMPOは骨髄系細胞に特異的な酵素じゃ。FAB分類では芽球のMPO陽性率が3%以上あればAML、3%未満ならALLと鑑別する。つまり3%未満はAMLではなくALLを疑うサインなのじゃ。

サクラ サクラ

だから選択肢4は逆で、AMLはMPO陽性率が3%以上になるんですね。

博士 博士

そのとおり。さらにAMLでは芽球の中にAuer小体という針状の封入体が見られることがある。これもMPO陽性で、見つかれば骨髄系の証拠になる。

サクラ サクラ

汎血球減少、白血病裂孔、MPO陽性、Auer小体、この四つがAMLのキーワードですね。

博士 博士

完璧な整理じゃ。加えてAPL(M3)ではDICを合併しやすく、ATRAという特異的治療が効くというのも必修レベルじゃ。臨床では易感染・貧血・出血傾向の三徴を意識して観察することが看護の基本になる。

POINT

急性骨髄性白血病は骨髄系前駆細胞の遺伝子異常により芽球が無制限に増殖する造血器悪性腫瘍で、骨髄の占拠によって赤血球・血小板・正常好中球すべてが減少する汎血球減少を呈します。末梢血の白血球分画では未熟な芽球と成熟好中球のみが現れ中間段階が欠如する白血病裂孔が特徴で、これはCMLとの鑑別点でもあります。診断ではミエロペルオキシダーゼ染色陽性率3%以上がAMLの基準となり、Auer小体の存在も骨髄系由来の根拠となります。看護の実際では、貧血に伴う倦怠感、血小板減少による出血傾向、好中球減少による易感染性という三徴を軸にした観察と感染予防、出血予防が基盤となり、化学療法中は無菌管理や粘膜ケアが鍵となる重要テーマです。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:急性骨髄性白血病( acute myelogeneous leukemia )の検査所見で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄系前駆細胞に遺伝子異常が生じ、分化・成熟能を失った骨髄芽球(白血病細胞)が骨髄内で無制限に増殖する造血器悪性腫瘍である。骨髄が芽球で占拠される結果、正常造血が抑制され、赤血球・血小板・正常好中球は減少する。末梢血の白血球分画では、きわめて幼若な芽球と一部の成熟好中球のみが出現し、中間段階の前骨髄球・骨髄球・後骨髄球がほとんど見られない「白血病裂孔(hiatus leukemicus)」が認められる。これはAMLに特徴的な所見である。

選択肢考察

  1. × 1.  赤血球数が増加する。

    骨髄が白血病細胞に占拠されて正常造血が抑制されるため、赤血球は減少し正球性正色素性の貧血となる。増加することはない。

  2. × 2.  血小板数が増加する。

    巨核球系の造血も抑制されるため血小板も減少し、皮下出血や歯肉出血などの出血傾向が出現する。増加はしない。

  3. 3.  白血球分画に白血病裂孔を認める。

    未分化な芽球と少数の成熟好中球のみが見られ、中間分化段階の細胞が欠如する所見で、AMLの特徴的な末梢血像である。慢性骨髄性白血病(CML)では連続的な分化段階の細胞がみられ裂孔は生じない点と対比して覚えるとよい。

  4. × 4.  ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が 3 %未満である。

    ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は骨髄系細胞に特異的な酵素で、FAB分類では芽球のMPO陽性率が3%以上であればAMLと診断する。3%未満は急性リンパ性白血病(ALL)を示唆する所見である。

AMLは汎血球減少に伴う貧血・易感染性・出血傾向の三徴が典型的で、骨髄穿刺でAuer小体を認めれば診断価値が高い。近年はFAB分類に加えてWHO分類が主流となり、t(15;17)のAPL、t(8;21)、inv(16)など染色体・遺伝子異常に基づく分類が治療選択に直結する。とくに急性前骨髄球性白血病(APL, M3)は全トランス型レチノイン酸(ATRA)が著効する一方、DICを合併しやすいため初期対応が重要である。

急性骨髄性白血病に特徴的な末梢血所見である「白血病裂孔」と、MPO染色によるAML/ALL鑑別の基準を問う問題。