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気管支鏡検査の看護 出血と気胸に備える

看護師国家試験 第109回 午後 第49問 / 成人看護学 / 呼吸器系

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第49問

気管支鏡検査を受ける成人患者への援助で正しいのはどれか。

  1. 1.検査の予約の際に抗凝固薬の内服の有無を確認する。
  2. 2.検査の 1 時間前から飲食しないように指導する。
  3. 3.検査中の咳は我慢しなくてよいと指導する。
  4. 4.検査後は肺気腫〈 pulmonary emphysema 〉の症状に注意する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は気管支鏡検査について学ぶぞ。気管支鏡検査とはどんな検査か説明できるかの?

サクラ サクラ

細いファイバースコープを口や鼻から入れて、気管や気管支の中を直接観察する検査ですよね。病変の組織を採取することもできます。

博士 博士

その通り。目的は観察だけでなく、生検、気管支肺胞洗浄、異物除去、止血、ステント留置など多岐にわたる。出血や気胸といった合併症リスクがある検査じゃ。

サクラ サクラ

選択肢1の抗凝固薬の確認が検査予約時に必要、というのは正解っぽいですね。

博士 博士

正解じゃ。TBLB(経気管支肺生検)では気管支粘膜や肺組織を生検するから出血しやすい。ワルファリンやDOAC、抗血小板薬を飲んでいると止血困難になる。

サクラ サクラ

休薬期間ってどれくらいですか?

博士 博士

薬剤によって異なる。ワルファリンは約3〜5日、DOACは1〜2日、アスピリンは7日、クロピドグレルは5〜7日が目安じゃ。予約時に確認しないと休薬スケジュールが間に合わん。

サクラ サクラ

選択肢2の検査1時間前から絶食、というのは?

博士 博士

短すぎる。通常は検査当日の朝食から絶食し、少なくとも3〜4時間以上は空ける。理由は2つ。1つは咽頭麻酔により嚥下反射が低下して誤嚥しやすくなること、もう1つは嘔吐による誤嚥リスクを避けるためじゃ。

サクラ サクラ

検査後も絶食ですよね?

博士 博士

そう。検査後2時間程度は絶飲食。咽頭麻酔が完全に切れて嚥下反射が戻ってから飲水テストをしてから食事開始じゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の『検査中の咳は我慢しなくてよい』は?

博士 博士

これは不正解。咳発作が起きると生検中の出血増加や検査中断、気管支鏡損傷のリスクがある。そこでキシロカインで咽頭・気管・気管支を局所麻酔して咳反射を抑える。

サクラ サクラ

でも完全には止められないですよね?

博士 博士

その通り。どうしても咳がでそうなときは手を挙げて合図するよう事前に説明しておく。鎮静薬(ミダゾラムなど)を併用することも多いのう。

サクラ サクラ

選択肢4の肺気腫はどうですか?

博士 博士

肺気腫は既存の慢性疾患であって、検査後に急性発症する合併症ではない。検査後に注意すべきは気胸じゃ。

サクラ サクラ

気胸ってどうやって起こるんですか?

博士 博士

生検時に胸膜を穿破すると空気が胸腔に漏れて肺が虚脱する。症状は突然の呼吸困難、胸痛、SpO2低下、患側呼吸音減弱じゃ。検査後数時間以内に起こることが多いから、SpO2モニタリングと呼吸観察を徹底する。

サクラ サクラ

他にも出血、発熱、麻酔のアレルギー反応に注意ですよね。

博士 博士

その通り。血痰は検査直後は少量なら正常範囲だが、量が増える、鮮紅色が続く、呼吸苦を伴う場合は緊急性が高い。

サクラ サクラ

検査前・中・後それぞれでリスクを予測して準備する視点が大事なんですね。

POINT

気管支鏡検査を受ける成人患者への援助では、検査予約時に抗凝固薬・抗血小板薬の内服有無を確認することが最も重要です。生検を伴う検査では出血リスクが高く、薬剤ごとに必要な休薬期間が異なるため、早期の確認と休薬スケジュールの調整が不可欠です。検査前は誤嚥予防のため3〜4時間以上の絶食、検査中は局所麻酔による咳反射抑制、検査後は気胸・出血・発熱・低酸素血症といった合併症の観察が看護の中心となります。特に気胸はSpO2低下と突然の呼吸困難で気づくことが多く、検査後数時間の厳重な呼吸モニタリングが救命につながるため、系統立てたリスク管理の視点が求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:気管支鏡検査を受ける成人患者への援助で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 の検査の予約の際に抗凝固薬の内服の有無を確認する、である。気管支鏡検査では経気管支肺生検(TBLB)やブラシ擦過など生検を伴うことが多く、出血リスクが高い。抗凝固薬や抗血小板薬を内服している場合は、検査予約時に休薬スケジュールを立てる必要があるため、早期の確認が必須となる。

選択肢考察

  1. 1.  検査の予約の際に抗凝固薬の内服の有無を確認する。

    ワルファリン・DOAC・抗血小板薬は生検時の出血を増加させる。薬剤によって必要な休薬期間が異なる(ワルファリン約3〜5日、DOAC約1〜2日、アスピリン7日など)ため、予約時の確認が不可欠。

  2. × 2.  検査の 1 時間前から飲食しないように指導する。

    咽頭麻酔と誤嚥予防のため、検査前は少なくとも3〜4時間、通常は当日朝食から絶食とする。1時間前では不十分で、嘔吐による誤嚥のリスクが残る。

  3. × 3.  検査中の咳は我慢しなくてよいと指導する。

    咳発作は生検時の出血増加や検査中断、気管支鏡の損傷を招く。キシロカインで咽頭・気管の局所麻酔を行い、咳反射を抑えた状態で実施する。我慢できない時は手を挙げて合図するよう指導する。

  4. × 4.  検査後は肺気腫〈 pulmonary emphysema 〉の症状に注意する。

    検査後に注意すべき合併症は気胸、出血、発熱(吸引性肺炎)、麻酔によるショック、低酸素血症など。肺気腫は慢性進行性の既存疾患であり、検査後に急性発症する合併症ではない。

気管支鏡検査の主な目的は(1)病変の直視観察、(2)生検・擦過細胞診、(3)気管支肺胞洗浄(BAL)、(4)治療的介入(異物除去、止血、ステント留置)。前処置では咽頭麻酔、鎮静薬(ミダゾラム等)、鎮咳薬、抗コリン薬の使用がある。検査後は意識・呼吸状態確認、絶飲食2時間(咽頭麻酔解除まで)、血痰・呼吸苦・気胸徴候の観察、SpO2モニタリングが重要。

気管支鏡検査の前処置・検査中・検査後援助の正誤を問う。抗凝固薬休薬、絶食時間、咳コントロール、合併症観察(特に気胸)が頻出。