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CKDステージ2の76歳女性への優先指導

看護師国家試験 第108回 午後 第49問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第49問

Aさん(76歳、女性)は、ステージ2の慢性腎臓病(chronic kidney disease)と診断された。身長146cm、体重50kg。日常生活は自立し、毎日家事をしている。週2回、ビールをグラス1杯程度飲んでいる。 Aさんへの生活指導の内容で優先されるのはどれか。

  1. 1.安静
  2. 2.禁酒
  3. 3.減塩
  4. 4.体重の減量

対話形式の解説

博士 博士

今日はAさん76歳女性の事例じゃ。身長146cm体重50kgでBMIは23.5、日常生活自立で家事もでき、週2回ビール1杯飲んでおる。CKDステージ2と診断されたんじゃ。

サクラ サクラ

ステージ2ってどんな段階ですか?

博士 博士

腎障害があってGFRが60〜89mL/分/1.73㎡と軽度低下した段階じゃ。自覚症状はほぼないが、この時期の介入が進行抑制に重要なんじゃよ。

サクラ サクラ

優先される指導は何ですか?

博士 博士

3の減塩じゃ。

サクラ サクラ

どうして減塩が最優先なんですか?

博士 博士

塩分過剰は高血圧を招き、糸球体に過剰濾過をかけて腎機能を悪化させるからじゃ。日本腎臓学会のガイドラインでは食塩1日6g未満が推奨されておる。

サクラ サクラ

1の安静はどうして違うんですか?

博士 博士

CKDステージ2では過度な安静はむしろ害じゃ。Aさんは自立して家事もできておるし、適度な活動で心血管リスクを下げる方が腎保護に有用なんじゃ。

サクラ サクラ

2の禁酒は?

博士 博士

CKDで禁酒は必須ではなく、Aさんは週2回ビール1杯程度と節度ある量じゃ。現段階で優先する指導ではないな。

サクラ サクラ

4の体重減量は?

博士 博士

AさんのBMIは50÷1.46²で約23.5、標準体型じゃ。高齢者に無理な減量を指示すると低栄養やサルコペニアを招くから注意が必要じゃよ。

サクラ サクラ

CKDの食事療法って段階的に変わるんですか?

博士 博士

その通り。減塩は全ステージ共通じゃが、たんぱく質制限はステージ3から、カリウム制限はステージ3bから、リン制限はステージ5前後じゃな。

サクラ サクラ

たんぱく質はどのくらいに制限しますか?

博士 博士

ステージ3aで0.8〜1.0g/kg/日、3b以降で0.6〜0.8g/kg/日が目安じゃ。エネルギーは25〜35kcal/kg/日をしっかり確保するのが大事じゃぞ。

サクラ サクラ

高齢者で特に気をつけることは?

博士 博士

低栄養・フレイル予防とのバランスじゃ。画一的な制限は避け、個別に調整せねばならんのじゃ。

サクラ サクラ

減塩の具体的な工夫は?

博士 博士

だしや酸味・香辛料で風味を補い、加工食品や漬物を控え、汁物は1日1杯までなどじゃな。

サクラ サクラ

Aさんの背景を踏まえた指導の優先順位が理解できました。

POINT

CKDステージ2の生活指導では減塩が最優先で、1日6g未満が推奨されます。減塩は高血圧と糸球体過剰濾過の悪循環を断ち、腎保護と心血管保護に寄与します。適度な運動は推奨され、適量の飲酒も許容されます。高齢者では低栄養やサルコペニア予防とのバランスが重要で、個別性を踏まえた指導が求められます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:Aさん(76歳、女性)は、ステージ2の慢性腎臓病(chronic kidney disease)と診断された。身長146cm、体重50kg。日常生活は自立し、毎日家事をしている。週2回、ビールをグラス1杯程度飲んでいる。 Aさんへの生活指導の内容で優先されるのはどれか。

解説:正解は 3 です。慢性腎臓病(CKD)ステージ2は腎障害の存在に加え軽度の腎機能低下(GFR 60〜89mL/分/1.73㎡)を認める段階で、この時期から減塩を中心とした生活指導で進行を抑制することが重要です。日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでは食塩摂取量を1日3g以上6g未満とし、高血圧と腎機能悪化の悪循環を断つことが推奨されています。

選択肢考察

  1. × 1.  安静

    CKDステージ2では過度の安静は推奨されず、むしろ適度な運動が心血管リスク低減と腎保護に有用です。Aさんは日常生活自立・家事可能な状態で、安静の指示は不要です。

  2. × 2.  禁酒

    CKDの食事療法では禁酒は必須ではなく、適量であれば飲酒は許容されます。Aさんは週2回ビール1杯程度と節度ある飲酒量であり、現段階で優先すべき指導ではありません。

  3. 3.  減塩

    塩分過剰は高血圧を助長し糸球体過剰濾過を招いてCKDを進行させます。ステージ2から厳格な減塩(6g/日未満)を行うことで腎保護と心血管保護が図れ、最優先の指導項目です。

  4. × 4.  体重の減量

    AさんのBMIは50÷1.46²≒23.5で標準範囲内であり、積極的な減量は不要です。むしろ高齢者の過度な体重減少はサルコペニア・フレイルを招くため注意が必要です。

CKDの食事療法はステージに応じて段階的に強化されます。減塩は全ステージ共通、たんぱく質制限はステージ3から開始(3aで0.8〜1.0g/kg/日、3b以降で0.6〜0.8g/kg/日)、エネルギーは25〜35kcal/kg/日を確保します。カリウム制限はステージ3b以降、リン制限はステージ5前後で導入されます。高齢者では低栄養・サルコペニア予防とのバランスが重要で、画一的な制限は避けます。

CKDステージ2の高齢者への生活指導の優先順位を問う問題です。患者背景(高齢・標準体型・少量飲酒・自立)を踏まえた減塩の優先度を判断できるかが焦点です。