男性導尿の挿入角度を解剖で理解
看護師国家試験 第107回 午後 第18問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。
- 1.30~40度
- 2.80~90度
- 3.120~130度
- 4.160~170度
対話形式の解説
博士
今日は男性への導尿の角度について勉強するのじゃ
アユム
男性の尿道はS字に曲がっていて長いと習いました
博士
その通り。約16〜18cmあるのじゃ
アユム
女性は4cmくらいでしたよね
博士
うむ、女性と男性では手技がかなり違うのじゃ
アユム
男性は腹壁に対して80〜90度、つまり陰茎を垂直に立てて挿入するんですよね
博士
正解じゃ。なぜその角度にするか分かるかな
アユム
尿道の恥骨下の屈曲を伸ばすためですね
博士
さよう。まっすぐにすることでカテーテルがスムーズに進むのじゃ
アユム
15〜20cm進めたらどうしますか
博士
陰茎を60度くらいに倒して後部尿道へ進めるのじゃ
アユム
全体で20〜23cmくらい挿入するんですよね
博士
よく覚えておる。尿流出を確認したらバルーンを膨らませる
アユム
蒸留水で膨らませるんでしたね、生理食塩水は詰まるので使わない
博士
その通りじゃ。膨らませたら軽く引いて内尿道口に固定する
アユム
清潔操作も大事ですね
博士
無菌操作は感染予防の生命線じゃ
POINT
男性導尿はカテーテル挿入開始時に腹壁に対して80〜90度の角度で陰茎を牽引します。これにより長さ約16〜18cmのS字状尿道が直線化し、カテーテルがスムーズに進みます。15〜20cm挿入したら陰茎を約60度に倒し、全体で20〜23cm挿入します。女性では尿道が短く手技が簡便ですが、男女とも無菌操作を徹底することが感染予防の基本。バルーンは必ず蒸留水で膨らませ、軽く引いて内尿道口に固定します。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。男性の尿道は長さ約16〜18cmでS字状に屈曲していますが、陰茎を腹壁に対して80〜90度(ほぼ垂直に上方)に牽引することで前部尿道の屈曲が伸展し直線化するため、カテーテルを挿入しやすくなります。15〜20cm進めたら陰茎を60度程度に倒し、後部尿道へ進めます。
選択肢考察
-
× 1. 30~40度
陰茎が腹壁に対して寝た状態で、尿道のS字湾曲が残ったまま挿入することになります。抵抗が強く尿道損傷のリスクが高まるため不適切です。
-
○ 2. 80~90度
陰茎を腹壁に対しほぼ垂直に上方へ牽引することで、恥骨下弯の尿道が真っ直ぐになりカテーテルがスムーズに進みます。男性導尿の基本角度として記憶しましょう。
-
× 3. 120~130度
腹壁側に倒しすぎた角度で、尿道は逆に強く屈曲してしまいカテーテルが通らなくなります。解剖学的にも不自然な体位であり選択肢として不適切です。
-
× 4. 160~170度
陰茎を頭側にほぼ伏せるような角度で、尿道はさらに鋭く屈曲し挿入不可能になります。誤答選択肢として常識的にも選ばれません。
女性の尿道は約4cmと短く陰唇を開いて直接挿入します。男性では約20〜23cm挿入して尿の流出を確認し、バルーンを蒸留水で膨らませた後軽く引いて内尿道口に固定します。消毒は清潔な手で尿道口を中心から外側へ、感染予防のため無菌操作を徹底します。
男性導尿は腹壁に対して80〜90度で挿入開始、15〜20cm進めたら60度に倒して後部尿道へ。
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