男性導尿の角度を解剖から理解しよう
看護師国家試験 第113回 午後 第19問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
男性の導尿でカテーテルを挿入するとき、体幹に対する頭部側からの挿入角度はどれか。
- 1.0〜10度
- 2.40〜50度
- 3.80〜90度
- 4.120〜130度
対話形式の解説
博士
男性の導尿はコツが必要じゃ。なぜ女性より難しいかわかるかの?
サクラ
男性の尿道は長くて、S字に曲がっているからです。
博士
その通り。長さはおおよそどのくらいじゃったかな?
サクラ
16〜20cmくらいと習いました。女性は3〜4cmですよね。
博士
よく覚えておる。では挿入時に陰茎をどう保持するかの?
サクラ
体幹に垂直になるよう、80〜90度に引き上げます。
博士
なぜ垂直にするのじゃ?
サクラ
S字のカーブを伸ばして、カテーテルが真っ直ぐ進めるようにするためです。
博士
正解じゃ。途中で抵抗を感じたらどうする?
サクラ
60度くらいに倒して、ゆっくり進めていきます。
博士
痛みが強いときはどうするかの?
サクラ
無理に進めず、医師に報告します。尿道損傷のおそれがあります。
博士
その判断は大切じゃ。血尿が見られたらどうする?
サクラ
尿道や膀胱の損傷が疑われるので、抜去を検討します。
博士
素晴らしい。清潔操作も忘れずにな。
サクラ
はい、尿路感染の予防も重要ですね。
POINT
男性の尿道はS字状に屈曲しているため、導尿時には陰茎を体幹に対して80〜90度に引き上げ、カーブを直線化させて挿入します。抵抗部位では角度を60度程度に戻して進めます。無理な挿入は尿道損傷を招くため、痛みや血尿に注意し異常時は速やかに中止・報告することが重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:男性の導尿でカテーテルを挿入するとき、体幹に対する頭部側からの挿入角度はどれか。
解説:正解は 3 の80〜90度です。男性の尿道はS字状に屈曲しているため、陰茎を体幹に対して垂直(80〜90度)に引き上げてS字カーブを伸ばすことで、カテーテルをスムーズに進めることができます。
選択肢考察
-
× 1. 0〜10度
陰茎を寝かせた状態ではS字状の尿道が屈曲したままとなり、尿道壁を損傷するリスクが高くなります。挿入抵抗も大きく不適切です。
-
× 2. 40〜50度
中間的な角度では尿道の屈曲を十分に矯正できず、カテーテル先端が尿道壁に当たりやすくなります。挿入抵抗や粘膜損傷の原因となるため不適切です。
-
○ 3. 80〜90度
陰茎を体幹に対して垂直に引き上げるとS字カーブが直線化し、カテーテルが抵抗なく進みます。球部尿道付近で抵抗を感じたら角度を60度程度に戻して挿入を続けます。
-
× 4. 120〜130度
陰茎を頭側へ過度に反らすと尿道に不自然な力がかかり、粘膜や尿道壁を損傷する恐れがあります。生理的な方向ではないため不適切です。
男性の尿道は約16〜20cmで、前立腺部・膜様部・海綿体部を通るS字状構造を持ちます。挿入時は無菌操作を徹底し、痛みや抵抗が強い場合は無理に進めず医師へ報告します。女性の尿道は約3〜4cmで直線的に走行し、挿入角度は特に意識しなくてもよい点が違いです。
男性導尿時の解剖学的特徴とカテーテル挿入角度の理解を問う問題です。
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