大動脈は左心室から!心臓4つの部屋と血液の流れを一気に整理
看護師国家試験 第106回 午前 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能
国試問題にチャレンジ
大動脈に血液を送り出す部位はどれか。
- 1.左心室
- 2.右心室
- 3.左心房
- 4.右心房
対話形式の解説
博士
今日は心臓の解剖と血液循環を復習するぞ。必修問題の定番じゃ。
サクラ
心臓って4つの部屋に分かれているんですよね。右心房、右心室、左心房、左心室でしたっけ。
博士
その通り。上が心房、下が心室じゃ。心房は血液を受け取る部屋、心室は血液を送り出すポンプと覚えるとよい。
サクラ
じゃあ大動脈に血液を送り出すのは…心室のどちらかですね。
博士
うむ。大動脈は全身に酸素を届ける大血管。酸素化された動脈血を駆出するのはどちらじゃ?
サクラ
動脈血は肺で酸素をもらうから…左心房に戻ってきて、左心室から大動脈ですね!正解は左心室。
博士
正解じゃ。一方、右心室は全身から戻った静脈血を肺動脈へ送り出す。肺でガス交換するための肺循環の起点じゃな。
サクラ
なるほど。右心室は肺動脈、左心室は大動脈…混同しやすいです。
博士
ちなみに左心室の壁は右心室よりも3倍ほど厚い。なぜじゃと思う?
サクラ
全身に血液を送るには強い圧力が必要だからですか?
博士
その通り。体循環は圧が高く、肺循環は圧が低い。だから左心室だけが特に筋肉質になるのじゃ。
サクラ
弁の位置も覚えたほうがよさそうですね。
博士
そうじゃな。右心房と右心室の間が三尖弁、右心室と肺動脈の間が肺動脈弁、左心房と左心室の間が僧帽弁、左心室と大動脈の間が大動脈弁。4つの弁は血液の逆流を防ぐ一方弁じゃ。
サクラ
心筋梗塞や弁膜症の理解にもつながる基礎ですね。
博士
その通り。解剖が分かれば病態も臨床もスッと入ってくる。繰り返し図でイメージすることが大事じゃぞ。
POINT
心臓は右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋からなり、全身へ動脈血を送り出す大動脈は左心室から出ています。血液は「全身→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身」と循環しており、右系が肺循環、左系が体循環を担います。体循環は圧が高いため左心室の心筋壁は最も厚く、4つの心臓弁(三尖弁・肺動脈弁・僧帽弁・大動脈弁)が血液の一方向性を保っています。この基本的な解剖と循環経路の理解は、心疾患・循環動態のアセスメント全般の土台となるため、必修問題として繰り返し問われます。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:大動脈に血液を送り出す部位はどれか。
解説:正解は 1 です。心臓は右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋(腔)に分かれており、全身循環(体循環)の起点となる大動脈は左心室から送り出される。左心室は肺で酸素化された動脈血を肺静脈→左心房経由で受け取り、強い収縮で大動脈弁を通して大動脈へ駆出する。体循環を担うため、左心室の心筋壁は右心室より約3倍厚い。
選択肢考察
-
○ 1. 左心室
左心室は左心房から流入した動脈血を大動脈弁を介して大動脈へ送り出す。体循環(大循環)の起点であり、全身に酸素と栄養を供給する役割を担う。
-
× 2. 右心室
右心室は右心房から流入した静脈血を肺動脈弁を通して肺動脈へ送り出す。肺循環(小循環)の起点であり、大動脈ではなく肺動脈につながる。
-
× 3. 左心房
左心房は肺静脈から戻った動脈血を受け取り、僧帽弁を通して左心室へ送る。全身へ血液を駆出するポンプ機能は心室が担う。
-
× 4. 右心房
右心房は上・下大静脈と冠状静脈洞から静脈血を受け取り、三尖弁を通じて右心室へ送る。大動脈とは解剖学的に直接つながっていない。
血液の流れは「全身→上下大静脈→右心房→(三尖弁)→右心室→(肺動脈弁)→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→(僧帽弁)→左心室→(大動脈弁)→大動脈→全身」の順。右系は静脈血・肺循環、左系は動脈血・体循環と覚えると混乱しにくい。左心室の心筋が最も厚いこと、心房中隔・心室中隔で左右が隔てられていることも押さえたい。
心臓の4つの腔と血液循環経路を整理し、体循環の起点(大動脈が出る部位)がどこかを問う基本問題。
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