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アセチルコリンはなぜ神経伝達物質?体内物質の役割をスッキリ整理

看護師国家試験 第106回 午後 第11問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第11問

神経伝達物質はどれか。

  1. 1.アルブミン
  2. 2.フィブリン
  3. 3.アセチルコリン
  4. 4.エリスロポエチン

対話形式の解説

博士 博士

今日は神経伝達物質について学ぶぞい。選択肢にはアルブミン、フィブリン、アセチルコリン、エリスロポエチンと似たような名前が並んでおるが、役割は全く違うのじゃ。

サクラ サクラ

名前がどれも難しくて…神経伝達物質って、そもそも何ですか?

博士 博士

神経細胞どうしのつなぎ目、シナプスで情報を次の細胞へ渡す化学物質のことじゃ。電気信号を化学信号に変換する橋渡し役と思うとよい。

サクラ サクラ

なるほど!じゃあアセチルコリンがその橋渡しをするんですか?

博士 博士

その通り。アセチルコリンは副交感神経や運動神経の終末から放出される代表的な神経伝達物質じゃ。骨格筋を動かすときも、この物質が神経筋接合部で筋収縮を引き起こすのじゃよ。

サクラ サクラ

ほかの選択肢はどう違うんですか?

博士 博士

アルブミンは肝臓で作られる血漿蛋白で、血液の膠質浸透圧を保ったり薬物を運ぶ役目じゃ。栄養状態の指標としても有名じゃな。

サクラ サクラ

フィブリンはどうですか?なんとなく血と関係ありそうな…

博士 博士

よい直感じゃ。フィブリンはフィブリノゲンがトロンビンで切断されてできる線維状蛋白で、血栓を作って出血を止める二次止血の主役じゃ。

サクラ サクラ

エリスロポエチンは名前からして赤血球に関係しそうですね。

博士 博士

その通り!腎臓で作られるホルモンで、骨髄に働きかけて赤血球を増やすのじゃ。腎不全になると分泌が減り、腎性貧血を起こすぞ。

サクラ サクラ

じゃあ、この問題は「シナプスで働くかどうか」で判断すればいいんですね。

博士 博士

うむ。ちなみに神経伝達物質にはドパミンやセロトニン、ノルアドレナリン、GABAなど多彩な種類があって、抑うつ・パーキンソン病・統合失調症など多くの疾患に関係しておる。

サクラ サクラ

重症筋無力症はアセチルコリンと関係があると聞きました。

博士 博士

よく知っておるの!アセチルコリン受容体に対する自己抗体ができて、神経から筋への信号が伝わりにくくなる疾患じゃ。眼瞼下垂や筋力低下、夕方に悪化する特徴がある。

サクラ サクラ

体内の物質も役割を分けて整理すると覚えやすいですね。

POINT

神経伝達物質とは、神経細胞どうしのシナプスで情報を伝える化学物質のことで、アセチルコリンはその代表例です。副交感神経や運動神経終末から放出され、骨格筋収縮や臓器機能の調節を担います。アルブミンは血漿蛋白、フィブリンは凝固蛋白、エリスロポエチンは腎臓由来の造血ホルモンであり、いずれも神経伝達物質ではありません。体内物質は「どこで作られ、どう働くか」を整理して覚えることで、国試で類似選択肢が並んでも迷わず解答できるようになります。看護師として、重症筋無力症や腎性貧血など臨床で出会う疾患の背景を理解するうえでも基礎となる知識です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:神経伝達物質はどれか。

解説:正解は 3 です。神経伝達物質とは、シナプスで神経細胞(ニューロン)から次の細胞へ情報を伝達するための化学物質の総称で、アセチルコリン・ノルアドレナリン・ドパミン・セロトニン・GABA・グルタミン酸などが代表例。アセチルコリンは自律神経の副交感神経節後線維終末や運動神経と骨格筋との接合部(神経筋接合部)で放出され、筋収縮や臓器機能調節に関与する。

選択肢考察

  1. × 1.  アルブミン

    肝臓で合成される血漿蛋白質の約60%を占める成分で、膠質浸透圧の維持や薬物・ホルモンの運搬を担う。栄養状態の指標として用いられるが、神経伝達物質ではない。

  2. × 2.  フィブリン

    血漿蛋白質であるフィブリノゲンがトロンビンの作用で変化して生じる線維状の蛋白質。二次止血で血栓を形成する凝固因子であり、神経伝達物質ではない。

  3. 3.  アセチルコリン

    副交感神経系や運動神経終末から放出される代表的な神経伝達物質。ニコチン性受容体とムスカリン性受容体を介して作用し、骨格筋収縮や腺分泌亢進、心拍数低下などを引き起こす。

  4. × 4.  エリスロポエチン

    腎臓の尿細管周囲間質細胞で産生される造血因子(ホルモン)で、骨髄で赤血球産生を促進する。腎不全で分泌が低下すると腎性貧血の原因になるが、神経伝達物質ではない。

神経伝達物質は興奮性(グルタミン酸など)と抑制性(GABA、グリシンなど)に分類され、さらにモノアミン系(ドパミン・ノルアドレナリン・セロトニン)、アミノ酸系、ペプチド系などに分けられる。重症筋無力症ではアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され筋力低下をきたすなど、臨床でも頻出の知識。対して選択肢に並んだアルブミン・フィブリン・エリスロポエチンはいずれも蛋白質やホルモンとしての役割で国試に頻出するため、機能と分類を混同しないように整理しておきたい。

神経伝達物質とそれ以外(血漿蛋白・凝固因子・造血因子)を区別できるかを問う基本問題。