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顔の感覚は三叉神経、顔の動きは顔面神経——脳神経12対の整理術

看護師国家試験 第109回 午後 第12問 / 必修問題 / 人体の構造と機能

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第12問

三叉神経の機能はどれか。

  1. 1.視覚
  2. 2.眼球の運動
  3. 3.顔面の知覚
  4. 4.表情筋の運動

対話形式の解説

博士 博士

今日は脳神経の話じゃ。三叉神経の機能といえば何じゃと思う?

アユム アユム

名前は聞いたことがありますが、顔に関係する神経でしたっけ…?

博士 博士

そう、顔に関係するが『感覚』担当じゃ。三叉神経は第Ⅴ脳神経で、顔面の知覚を司るのじゃ。

アユム アユム

顔の知覚……触った感覚とか、痛みとかですか?

博士 博士

その通り。触覚・痛覚・温度覚、さらに角膜反射の感覚入力、口腔・鼻腔粘膜の感覚、歯の感覚までぜんぶ担当しておる。三叉神経痛では顔の片側に電撃のような激痛が走るのが特徴じゃ。

アユム アユム

顔を動かすのはどの神経なんですか?

博士 博士

表情筋を動かすのは顔面神経(第Ⅶ脳神経)じゃ。ここを混同しないのがコツ。三叉=感覚、顔面=運動と覚えるのじゃ。

アユム アユム

なるほど!視覚や眼球運動も別の神経が担当しているんですよね?

博士 博士

視覚は第Ⅱの視神経。眼球運動は動眼(Ⅲ)・滑車(Ⅳ)・外転(Ⅵ)の3対が分担する。ちなみに瞳孔を縮める副交感線維も動眼神経に乗っておる。

アユム アユム

3つも神経で眼球を動かしているんだ。覚え方のゴロってありますか?

博士 博士

有名なゴロでは『嗅いで視る動く車の三つの外、顔聴く舌の迷う副舌』なんてのがある。Ⅰ〜Ⅻを順に暗唱するのじゃ。

アユム アユム

面白い!三叉神経の下顎枝には運動成分もあるって聞いたことがあるんですが?

博士 博士

よく気づいたな。下顎枝は咀嚼筋(咬筋・側頭筋・翼突筋群)への運動線維を含むから、三叉神経は厳密には混合神経じゃ。噛む筋肉は三叉神経、表情筋は顔面神経と整理するとよい。

アユム アユム

顔面神経麻痺では額のしわが寄らない、目が閉じないって症状がありますよね。

博士 博士

そう。中枢性と末梢性の鑑別ポイントにもなる。末梢性(Bell麻痺など)は患側の額も動かなくなるが、中枢性では額が動くことが多い。

アユム アユム

脳神経ごとの役割を整理すると、症状から原因が推測できるんですね!

POINT

三叉神経は第Ⅴ脳神経で顔面の知覚を司る最大の脳神経であり、眼神経・上顎神経・下顎神経の3枝に分かれて前頭部から下顎までの皮膚・角膜・口腔粘膜・歯などの感覚を脳幹へ伝えます。表情筋の運動は顔面神経(第Ⅶ脳神経)、視覚は視神経(第Ⅱ脳神経)、眼球運動は動眼・滑車・外転神経の3対が担うという分業を押さえることが重要です。下顎枝には咀嚼筋を動かす運動線維も含まれ混合神経に分類される点や、三叉神経痛・Bell麻痺といった臨床症状まで結びつけると暗記が知識に変わります。脳神経12対は必修問題で頻出のため、機能と代表疾患をセットで整理しておきましょう。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:三叉神経の機能はどれか。

解説:正解は 3 です。三叉神経(第Ⅴ脳神経)は橋から出る最大の脳神経で、眼神経(V1)・上顎神経(V2)・下顎神経(V3)の三つの枝に分かれて顔面の広い範囲の知覚を支配する。角膜・鼻腔粘膜・口腔粘膜・歯・舌前2/3の一般感覚もこの神経の担当領域である。さらに下顎神経枝には咀嚼筋を動かす運動線維も含まれる。

選択肢考察

  1. × 1.  視覚

    視覚は視神経(第Ⅱ脳神経)が担う。網膜で受け取った光情報を外側膝状体を経て後頭葉の一次視覚野へ伝達する。

  2. × 2.  眼球の運動

    眼球運動は動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・外転神経(Ⅵ)の3対が分担する。動眼神経は上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋と上眼瞼挙筋および瞳孔括約筋を、滑車神経は上斜筋を、外転神経は外側直筋を支配する。

  3. 3.  顔面の知覚

    三叉神経は顔面皮膚・前頭部・角膜・口腔・歯・鼻腔粘膜の知覚を司る。三叉神経痛では片側顔面に電撃様の激痛が生じる。

  4. × 4.  表情筋の運動

    表情筋の運動は顔面神経(第Ⅶ脳神経)が支配する。顔面神経麻痺では患側の額のしわ寄せ不能・閉眼不全・口角下垂などが現れる。

『三叉神経=顔の感覚』『顔面神経=顔の運動』と対にして覚えると混同しにくい。三叉神経の下顎枝は咀嚼筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)への運動線維も含むため混合神経に分類される。脳神経は全12対(Ⅰ嗅・Ⅱ視・Ⅲ動眼・Ⅳ滑車・Ⅴ三叉・Ⅵ外転・Ⅶ顔面・Ⅷ内耳・Ⅸ舌咽・Ⅹ迷走・Ⅺ副・Ⅻ舌下)で必修頻出。

脳神経の機能分担を問う基本問題。三叉神経は顔面の感覚、顔面神経は表情筋運動という対比を明確にする。