地域包括支援センターの4つの仕事—地域包括ケアの司令塔
看護師国家試験 第114回 午後 第9問 / 必修問題 / 看護の対象と活動の場
国試問題にチャレンジ
地域包括支援センターの主な業務に含まれるのはどれか。
- 1.特定健康診査・特定保健指導
- 2.予防接種法に基づく予防接種
- 3.介護予防ケアマネジメント
- 4.要介護認定調査
対話形式の解説
博士
今日は地域包括支援センターについて学ぶぞ。地域包括ケアシステムの中核となる機関じゃ。
サクラ
2006年に介護保険法改正でできた機関ですよね。
博士
その通り。市町村またはその委託を受けた法人が設置し、おおむね中学校区に1か所くらいの密度で配置されておる。
サクラ
どんな職員がいるんですか?
博士
保健師(または看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャーの3職種が原則じゃ。それぞれの専門性を生かしてチームで地域を支える。
サクラ
主な業務は何ですか?
博士
4本柱で覚えるとよい。(1)総合相談支援、(2)権利擁護、(3)包括的・継続的ケアマネジメント支援、(4)介護予防ケアマネジメントじゃ。
サクラ
今回の選択肢では介護予防ケアマネジメントが正解ですね。
博士
そうじゃ。要支援1・2の認定を受けた人や介護予防・日常生活支援総合事業の対象者に対して、ケアプランを作成しサービスを調整する。
サクラ
要介護認定調査は地域包括支援センターの仕事じゃないんですか?
博士
違うのじゃ。要介護認定調査は市町村職員、または市町村から委託を受けた指定居宅介護支援事業者などが行う。
サクラ
特定健康診査・特定保健指導はどこが?
博士
これは医療保険者じゃ。健康保険組合や協会けんぽ、市町村国保などが40〜74歳の加入者に実施する。
サクラ
予防接種法に基づく定期接種は市町村ですよね。
博士
その通り。乳幼児の定期接種も高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌ワクチンも市町村が実施主体じゃ。
サクラ
権利擁護って具体的に何をするんですか?
博士
高齢者虐待への対応、成年後見制度の利用支援、消費者被害の防止などじゃ。判断能力が低下した高齢者の権利を守る重要な業務。
サクラ
包括的・継続的ケアマネジメント支援とは?
博士
地域のケアマネジャーへの助言・指導、困難事例への対応支援、ネットワーク構築などじゃ。地域全体のケアの質を底上げする役割。
サクラ
地域包括ケアシステムって医療・介護・予防・住まい・生活支援の5要素を統合するものでしたよね。
博士
よく覚えておるな。その司令塔が地域包括支援センターじゃ。看護師としても地域連携の窓口として関わる機会が増えるじゃろう。
サクラ
総合相談支援はワンストップで何でも相談できるんですか?
博士
そうじゃ。介護のこと、生活のこと、家族のこと、何でも気軽に相談できる窓口を目指しておる。看護師の知識は健康相談で大いに役立つのじゃ。
サクラ
地域看護や老年看護の実習でも訪れる機会がありそうですね。
POINT
地域包括支援センターは2006年の介護保険法改正で創設された地域包括ケアシステムの中核機関で、市町村またはその委託法人が設置します。保健師(看護師)・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種を中心に、(1)総合相談支援、(2)権利擁護、(3)包括的・継続的ケアマネジメント支援、(4)介護予防ケアマネジメントの4本柱を担います。要介護認定調査は市町村、特定健康診査は医療保険者、予防接種は市町村と、それぞれ実施主体が異なる点を区別することが重要です。看護師は地域包括支援センターを地域連携の重要な窓口として理解し、退院支援や在宅療養支援での連携に活用します。地域包括ケアシステムの全体像とセットで業務範囲を整理しておくことが必修問題対策の鍵です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:地域包括支援センターの主な業務に含まれるのはどれか。
解説:正解は 3 です。地域包括支援センターは2006年の介護保険法改正で創設された、地域包括ケアシステムの中核機関です。市町村またはその委託を受けた法人が設置し、保健師(または看護師)・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種を中心に配置します。主な業務は、(1)総合相談支援、(2)権利擁護(高齢者虐待対応・成年後見制度利用支援等)、(3)包括的・継続的ケアマネジメント支援、(4)介護予防ケアマネジメント(要支援者・事業対象者向け)の4つです。
選択肢考察
-
× 1. 特定健康診査・特定保健指導
高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、医療保険者が40〜74歳の被保険者・被扶養者に実施する。地域包括支援センターの業務ではない。
-
× 2. 予防接種法に基づく予防接種
予防接種法に基づく定期接種は市町村が実施主体。地域包括支援センターは関与しない。
-
○ 3. 介護予防ケアマネジメント
要支援1・2の認定者および介護予防・日常生活支援総合事業対象者に対するケアプラン作成・サービス調整は地域包括支援センターの中核業務。
-
× 4. 要介護認定調査
市町村職員または市町村から委託を受けた指定居宅介護支援事業者・介護保険施設等が訪問調査を行う。地域包括支援センターの主業務ではない。
地域包括ケアシステムは「住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで続けられる」ことを目指す体制で、医療・介護・予防・住まい・生活支援の5要素を一体的に提供する仕組み。地域包括支援センターはその中核を担い、おおむね中学校区に1か所程度設置される。職員配置は保健師等・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種が原則で、各専門性を生かしてチーム対応する。要支援者のケアプランは介護予防サービス計画と呼ばれ、指定居宅介護支援事業者に委託することも可能。
地域包括支援センターの中核業務を問う問題。「総合相談・権利擁護・包括的ケアマネ支援・介護予防ケアマネ」の4本柱が核。
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