介護老人保健施設の根拠法は?老健と特養の違いを整理
看護師国家試験 第106回 午後 第9問 / 必修問題 / 看護で活用する社会保障
国試問題にチャレンジ
介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。
- 1.介護保険法
- 2.健康保険法
- 3.地域保健法
- 4.老人福祉法
対話形式の解説
博士
今回は介護保険施設のひとつ、介護老人保健施設について学ぶぞ。通称「老健」と呼ばれておるが、どんな施設か知っておるかのう?
サクラ
おじいちゃん・おばあちゃんが入る施設…ですよね?でも特養との違いがよく分からなくて。
博士
よくあるモヤモヤじゃ。老健は要介護1以上の人が在宅復帰を目指してリハビリテーションを受ける「中間施設」じゃ。医師が常勤し、看護師・理学療法士・作業療法士・介護職員が配置されておる。
サクラ
病院と特養の間みたいな位置づけですね。
博士
その通り。急性期の治療は終わったが、いきなり家に帰るのは難しい人が、3〜6か月を目安にリハビリと介護を受ける場じゃ。
サクラ
で、今回の問題の正解は介護保険法ですよね?
博士
正解!介護老人保健施設の設置目的は介護保険法に規定されておる。同じ介護保険施設として、介護老人福祉施設(特養)、介護医療院も介護保険法が根拠法じゃ。
サクラ
でも特養は老人福祉法にも出てきますよね?
博士
いい指摘じゃ。特別養護老人ホームは老人福祉法に基づく「老人福祉施設」じゃが、介護保険法上は「介護老人福祉施設」として指定を受ける。いわば二段構造なのじゃ。
サクラ
それに対して、老健は純粋に介護保険法だけが根拠なんですね。
博士
その通り。老健は医療寄りのリハビリ施設という性格から、介護保険法が直接の根拠法になるのじゃ。
サクラ
介護医療院ってあまり聞かないんですが、何ですか?
博士
2018年に創設された比較的新しい施設じゃ。長期的な医療と介護を必要とする要介護者向けで、これまでの介護療養型医療施設の後継じゃな。介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止されたぞ。
サクラ
施設の種類が多くて混乱します…
博士
整理するとよいぞ。①特養(介護老人福祉施設):要介護3以上、生活の場、長期入所。②老健:要介護1以上、在宅復帰のためのリハビリ、中間施設。③介護医療院:長期的な医療と介護、重度者向け。対象と機能で区別するのじゃ。
サクラ
看護師はどの施設で働けるんですか?
博士
すべての介護保険施設で看護職員の配置基準がある。特に老健は100人あたり看護・介護職員が合わせて34人以上など、比較的手厚い配置じゃ。医療処置が必要な入所者も多いから、看護師の役割は大きいぞ。
サクラ
他の選択肢はどうして違うんですか?
博士
健康保険法は医療保険給付の法律、地域保健法は保健所や市町村保健センターの基本事項、老人福祉法は養護・特養など「福祉施設」の設置根拠じゃ。どれも老健の直接の根拠にはならぬ。
サクラ
なるほど、法律の役割分担が見えてきました。
博士
介護保険法は介護保険制度全般と介護保険施設、老人福祉法は福祉的な老人施設、医療関係は医療法・健康保険法・高齢者医療確保法、という大まかな縦割りを頭に入れるとよいぞ。
サクラ
老健=介護保険法、特養は二段構造、介護医療院も介護保険法。しっかり整理できました!
POINT
介護老人保健施設(老健)は介護保険法に基づく介護保険施設で、要介護者の在宅復帰を目的としたリハビリテーション中心の中間施設です。医師が常勤し、看護職員・リハビリ職・介護職員が配置され、概ね3〜6か月の入所期間で自宅や他施設への移行を支援します。特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は老人福祉法に基づく老人福祉施設であると同時に、介護保険法に基づく介護保険施設でもあるという二段構造を理解しておくと混乱が減ります。看護師は、高齢者の生活支援や在宅復帰支援において、法制度と施設機能を踏まえたケア提供が求められます。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。
解説:正解は 1 です。介護老人保健施設(老健)は、介護保険法第8条第28項に基づく「介護保険施設」のひとつで、主に要介護者が在宅復帰を目指してリハビリテーションや医療管理・介護を受ける中間施設と位置づけられています。施設の設置・運営基準および設置目的は介護保険法に規定されており、医師が常勤配置される点で特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)と区別されます。
選択肢考察
-
○ 1. 介護保険法
介護老人保健施設の設置・目的・基準は介護保険法に規定されている。他の介護保険施設(介護老人福祉施設、介護医療院)も同法に基づく。
-
× 2. 健康保険法
健康保険法は被用者医療保険の給付を規定する法律で、介護保険施設の設置根拠ではない。
-
× 3. 地域保健法
地域保健法は保健所・市町村保健センターの設置など地域保健対策の基本事項を定めるもので、介護老人保健施設とは別領域。
-
× 4. 老人福祉法
老人福祉法は養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホームなどの老人福祉施設の設置根拠法。介護保険施設としての特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は介護保険法に基づく指定も受けるが、老健の設置根拠は介護保険法のみ。
介護保険施設は現在3種類:①介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、②介護老人保健施設(老健)、③介護医療院。介護療養型医療施設(療養病床)は2024年3月末で廃止され、介護医療院などへ転換した。老健は「生活施設」というより「在宅復帰・在宅支援のための中間施設」で、医師・看護職員・理学療法士等・介護職員が配置される。入所期間は概ね3〜6か月を目安にリハビリを行い自宅や特養などへの移行を支援する。特養は原則要介護3以上で長期入所が中心、介護医療院は長期的な医療と介護を必要とする者向け、と役割分担を整理しておくとよい。
介護保険施設の根拠法を問う必修頻出問題。「老健=介護保険法」「特養も介護保険施設としての根拠は介護保険法、老人福祉法は福祉施設としての根拠」の二段構造を理解する。
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