赤血球濃厚液の正しい輸血手技
看護師国家試験 第103回 午後 第45問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
赤血球濃厚液の輸血について正しいのはどれか。
- 1.専用の輸血セットを使用する。
- 2.使用直前まで振盪(しんとう)させて使用する。
- 3.使用直前に冷蔵庫から取り出して使用する。
- 4.呼吸困難出現時は滴下数を減らして続行する。
対話形式の解説
博士
今日は赤血球濃厚液の輸血について学ぶぞ。輸血は患者の命に直結する処置じゃ、正しい知識が欠かせん。
サクラ
博士、まず使う器具から大事ですよね。
博士
その通り。正解は1番、専用の輸血セットを使うことじゃ。フィルター付きで微小凝集物を除去できる構造になっておる。
サクラ
普通の輸液セットではダメなんですか?
博士
ダメじゃ。フィルターがないと凝集物がそのまま血管内に入ってしまうからのう。
サクラ
2番の振盪は血小板の話でしたね。
博士
うむ、血小板濃厚液は20〜24℃で水平振盪保存じゃ。赤血球は静置で2〜6℃保存なんじゃよ。
サクラ
3番の冷蔵庫から直前に出すのは?
博士
これも誤りじゃ。輸血前にはダブルチェックや指示確認に時間がかかるから、事前に取り出して準備するんじゃ。冷たいまま急速投与すると低体温の原因になるぞ。
サクラ
4番の呼吸困難で滴下数を減らして続行は怖いですね。
博士
その通り。呼吸困難はアナフィラキシーやTRALIの徴候じゃ、即座に輸血を中止して医師に報告するんじゃ。
サクラ
輸血副作用は迅速対応が命なんですね。
博士
うむ、開始後5分間はベッドサイドで観察、15分後と終了時にも副作用チェックを忘れずに。
POINT
赤血球濃厚液の輸血ではフィルター付き専用セットを使用し、保存温度2〜6℃から取り出して準備します。振盪は血小板に必要な操作であり、呼吸困難出現時はTRALIなどを疑いただちに中止します。各血液製剤の特性と副作用への迅速対応が安全な輸血の要です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:赤血球濃厚液の輸血について正しいのはどれか。
解説:正解は1です。輸血では血液製剤に含まれる微小凝集物などを除去するため、170〜260μmのフィルターを内蔵した専用の輸血セット(輸血ライン)を使用します。通常の輸液セットでは血液成分や凝集物の漏出につながり安全に投与できません。
選択肢考察
-
○ 1. 専用の輸血セットを使用する。
正しい記述です。フィルター付きの専用輸血セットで微小凝集物を除去しながら投与する必要があります。
-
× 2. 使用直前まで振盪(しんとう)させて使用する。
誤った記述です。振盪保存が必要なのは血小板濃厚液で、20〜24℃で水平振盪します。赤血球濃厚液は静置保存します。
-
× 3. 使用直前に冷蔵庫から取り出して使用する。
誤った記述です。赤血球濃厚液は2〜6℃で保存しますが、使用前にダブルチェックを行うため取り出した後に開始しても問題ありません。冷たいまま急速投与すると血圧変動や低体温の原因にもなります。
-
× 4. 呼吸困難出現時は滴下数を減らして続行する。
誤った記述です。呼吸困難はアナフィラキシーやTRALI(輸血関連急性肺障害)の徴候であり、ただちに輸血を中止し医師に報告します。
血液製剤の保存温度は赤血球が2〜6℃、血小板が20〜24℃(振盪)、新鮮凍結血漿が-20℃以下です。輸血開始後5分間はベッドサイドで観察し、15分後と終了時にも副作用のチェックを行います。
血液製剤の取り扱いと輸血副作用への対応を正しく理解しているかを問う問題です。
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