同じ手袋でよい場面、ダメな場面じゃ
看護師国家試験 第104回 午前 第40問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
臥床している患者に対して看護師が手袋を装着して口腔ケアを実施した。口腔ケア後の看護師の行動で適切なのはどれか。
- 1.手袋を外し、すぐに新しい手袋を装着して別の患者のケアを行う。
- 2.使用した手袋を装着したまま患者の寝衣を交換する。
- 3.手袋を装着したまま患者の歯ブラシを洗浄する。
- 4.使用した手袋は一般廃棄物の容器に捨てる。
対話形式の解説
博士
学生くん、口腔ケア後にそのまま歯ブラシを洗ってもよいかの?
アユム
えっ、手袋を換えなくていいんですか?
博士
同一患者の同一処置の延長なら、新たな汚染拡大は起こらんから問題ないのじゃ。
アユム
選択肢1の別患者へのケアは?
博士
手袋を換えても、必ず手指衛生(手洗いまたはアルコール消毒)を行わねばならんのじゃ。手袋交換だけでは不十分じゃ。
アユム
選択肢2の寝衣交換はどうしてダメなのですか?
博士
口腔ケアで使った手袋には唾液が付いておる。それで清潔な寝衣を扱えば、せっかくの清潔操作が台無しになるのじゃ。
アユム
では正しい流れは?
博士
口腔ケア後、手袋を外し、手指衛生をしてから新しい手袋を装着して寝衣交換をするのじゃ。
アユム
使用済みの手袋はどう捨てますか?
博士
唾液は体液じゃから、口腔粘膜に触れた手袋は感染性廃棄物として橙色のバイオハザードマーク付き容器に捨てるのじゃ。
アユム
一般廃棄物ではないんですね。
博士
違うぞ。一般ごみ箱に捨てると清掃員などへの感染リスクとなるのじゃ。
アユム
標準予防策の考え方も復習したいです。
博士
すべての血液・体液・分泌物(汗を除く)・粘膜・損傷皮膚を感染源とみなして対応するのが標準予防策じゃ。
アユム
WHOの5つのタイミングも習いました。
博士
「患者接触前、清潔操作前、体液曝露後、患者接触後、患者周囲環境接触後」じゃ。手指衛生はあらゆる感染対策の基本じゃぞ。
アユム
手袋を過信せず手指衛生を徹底しますね。
博士
その姿勢が大事じゃ。手袋はあくまで補助的な防具じゃ。手指衛生こそが感染対策の要じゃ。
POINT
口腔ケア後に同じ手袋のまま患者本人の歯ブラシを洗浄するのは、同一患者・同一処置の延長として適切な行動です。別の患者へ移る際は手袋交換に加え必ず手指衛生を行い、寝衣交換は新しい手袋で実施します。使用済みの手袋は唾液という体液に触れているため感染性廃棄物として処理します。標準予防策とWHOの手指衛生5つのタイミングを基本に、手袋は補助、手指衛生こそが感染対策の要であることを徹底しましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:臥床している患者に対して看護師が手袋を装着して口腔ケアを実施した。口腔ケア後の看護師の行動で適切なのはどれか。
解説:正解は3です。患者の歯ブラシは口腔ケアで実際に唾液や口腔内分泌物に触れた器具なので、同じ手袋のまま洗浄しても新たな汚染を広げません。むしろ手袋を外して素手で扱う方が感染リスクが上がります。標準予防策では「同一患者の同一処置の延長」では手袋交換は不要です。
選択肢考察
-
× 1. 手袋を外し、すぐに新しい手袋を装着して別の患者のケアを行う。
別患者のケアに移る前は、たとえ手袋を交換しても必ず手指衛生(手洗いまたは速乾性擦式アルコール製剤による手指消毒)を行う必要があります。手袋交換だけでは交差感染を防げません。
-
× 2. 使用した手袋を装着したまま患者の寝衣を交換する。
唾液で汚染された手袋でそのまま寝衣を扱うと、清潔な寝衣を汚染してしまいます。手袋を外し手指衛生を行ってから、別ケアに移るのが原則です。
-
○ 3. 手袋を装着したまま患者の歯ブラシを洗浄する。
口腔ケアで使った歯ブラシは既に同じ患者の口腔内分泌物に触れているため、同じ手袋で洗浄しても新たな汚染拡大は起こりません。同一患者・同一処置の延長として適切です。
-
× 4. 使用した手袋は一般廃棄物の容器に捨てる。
唾液は体液に含まれ、口腔粘膜と接触した手袋は感染性廃棄物として扱う必要があります。バイオハザードマーク付き容器(橙色相当)に廃棄します。
標準予防策(スタンダードプリコーション)では、すべての血液・体液・分泌物(汗を除く)・粘膜・損傷皮膚を感染源とみなして対応します。手袋は「処置ごとに交換」「外したら手指衛生」が基本。WHOの「手指衛生5つのタイミング」(患者接触前、清潔操作前、体液曝露後、患者接触後、患者周囲環境接触後)も重要です。
標準予防策における手袋使用と手指衛生の原則、および同一患者内での器具洗浄の取り扱いを理解しているかを問う設問です。
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