StudyNurse

胃洗浄と左側臥位の関係

看護師国家試験 第105回 午前 第42問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第42問

胃洗浄を行うときの体位で最も適切なのはどれか。

  1. 1.仰臥位
  2. 2.腹臥位
  3. 3.左側臥位
  4. 4.右側臥位

対話形式の解説

博士 博士

今回は胃洗浄の体位じゃ。急性中毒患者で遭遇する処置で、体位選択は安全に関わる重要なポイントじゃよ。

アユム アユム

そもそも胃洗浄はどんな目的で行うんですか?

博士 博士

薬物や毒物を経口摂取した患者で、まだ胃内にある未吸収の物質を回収するのが主な目的じゃ。原則摂取後1時間以内が適応で、強酸・強アルカリや石油製品は禁忌じゃな。

アユム アユム

なるほど。それで体位はどれが適切なんでしょう?

博士 博士

正解は3番の左側臥位じゃ。しかも頭部を15〜20度下げた頭低位を組み合わせるのが標準じゃよ。

アユム アユム

なぜ左側なんですか?右でも横向きなら同じように思えるのですが。

博士 博士

胃の解剖を思い出してごらん。胃は噴門が右上、幽門が右下に位置し、本体は左側に膨らんでいる。左側臥位にすると幽門が相対的に高い位置になり、胃内容物が十二指腸側に流れ込みにくくなるんじゃ。

アユム アユム

ああ、だから有害物が腸へ移動するのを防げるんですね。

博士 博士

その通りじゃ。4番の右側臥位だと逆に幽門が低くなり、せっかく洗浄している有害物を腸へ送り込んでしまう。1番の仰臥位や2番の腹臥位は嘔吐時の誤嚥リスクが高く、操作性も悪いので適さないんじゃ。

アユム アユム

頭低位にするのも誤嚥予防のためですか?

博士 博士

そうじゃ。万一嘔吐しても口腔側に流れやすく、気道侵入を防げる。ただし意識障害で気道確保できない患者では、必ず気管挿管をしてから実施する必要があるぞ。

アユム アユム

注入量や手技のポイントも教えてください。

博士 博士

成人で1回200〜300mLの生理食塩水をゆっくり注入し、同量を排液する。排液が透明になるまで繰り返し、必要に応じて活性炭を最後に投与する。排液の性状や量、バイタルサインの変動は必ず記録するんじゃ。

アユム アユム

解剖から理解すると体位の理由がしっかり頭に入りますね。

POINT

胃洗浄は中毒物質の除去を目的とし、左側臥位で頭低位をとるのが標準体位です。胃の解剖上、左側臥位では幽門が高位となり有害物の十二指腸流入を防ぎ、頭低位は嘔吐時の気道誤嚥を予防します。適応は摂取後1時間以内が原則で、強酸・強アルカリは禁忌、意識障害例では気道確保が必須です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:胃洗浄を行うときの体位で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。胃洗浄は中毒物質や未消化の有害物を胃内から排出する処置で、胃管を通じて生理食塩水などを注入・排液します。体位は左側臥位かつ頭部を15〜20度低くするトレンデレンブルク様肢位が標準です。胃は解剖学的に左側に膨らんでいるため、左側臥位にすると幽門が相対的に高く噴門が低くなり、内容物が十二指腸側に流入するのを防ぎつつ、嘔吐時の気道への流れ込みも避けられます。

選択肢考察

  1. × 1.  仰臥位

    仰臥位では胃内容物や洗浄液が幽門側へ流れやすく十二指腸への移行を助長します。また嘔吐時に気道へ流入する危険が高いため、胃洗浄の体位として不適切です。

  2. × 2.  腹臥位

    腹臥位は腹部が圧迫されて胃管の挿入・操作が困難で、排液も観察しにくく誤嚥のリスクも高いため胃洗浄には用いません。

  3. 3.  左側臥位

    左側臥位は胃の形態上、幽門が高く噴門が低くなるため有害物の十二指腸への流入を防ぐことができます。頭低位を併用すると嘔吐物の気道誤嚥も予防でき、胃洗浄の標準体位となります。

  4. × 4.  右側臥位

    右側臥位では幽門が低位になり内容物が十二指腸へ流れ込みやすくなるため、胃洗浄で除去したい有害物を腸管へ送ってしまう可能性があります。

胃洗浄の適応は原則として中毒物質摂取後1時間以内で、強酸・強アルカリ・石油製品・意識障害で気道確保できない場合は禁忌です。実施時は気管挿管で気道を確保し、1回注入量は成人で200〜300mL程度にとどめ、排液が透明になるまで繰り返します。活性炭投与と組み合わせる場合もあります。

胃洗浄時の体位選択の根拠を、胃の解剖と誤嚥予防の観点から問う問題です。