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胃カメラ検査の基本!左側臥位と前処置を押さえよう

看護師国家試験 第107回 午前 第40問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第40問

上部消化管内視鏡検査について適切なのはどれか。

  1. 1.2時間前から絶飲食とする。
  2. 2.前投薬には筋弛緩薬を用いる。
  3. 3.体位は左側臥位とする。
  4. 4.終了直後から飲食は可能である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は上部消化管内視鏡検査、いわゆる胃カメラの看護を整理するぞ。

アユム アユム

実習で見たことがあります。患者さんが横を向いて寝ていましたね。

博士 博士

その通り!体位は左側臥位が標準じゃ。なぜかわかるかな?

アユム アユム

うーん…楽な姿勢だから?

博士 博士

惜しい。もっと重要な理由がある。左側臥位だと唾液が口角から自然に流れ出て、誤嚥を防げるのじゃ。しかも胃の解剖学的な形から、胃内を観察しやすい体位でもある。

アユム アユム

なるほど、理由があるんですね!だから選択肢3が正解ですね。

博士 博士

うむ、正解じゃ。ほかの選択肢も見てみよう。1の『2時間前から絶飲食』はどうじゃ?

アユム アユム

短すぎますか?

博士 博士

そうじゃ。前日の夜9時以降は絶食、当日朝も絶食で水分は少量の水のみが一般的じゃ。胃内に食物残渣があると観察できんし、誤嚥の危険もあるのう。

アユム アユム

2の『筋弛緩薬を前投薬』はどうですか?

博士 博士

これはとんでもないぞ!筋弛緩薬は呼吸筋まで麻痺させる。胃カメラに使えば呼吸停止を招く危険極まりない薬じゃ。

アユム アユム

では実際には何を使うんですか?

博士 博士

消化管蠕動を抑える鎮痙薬のブスコパンやグルカゴン、不安軽減の鎮静薬、咽頭麻酔のキシロカインビスカスやスプレーなどじゃ。

アユム アユム

ブスコパンは緑内障の人にはダメでしたよね?

博士 博士

よく覚えておるな!抗コリン作用で眼圧を上げるため、緑内障・前立腺肥大症・重症心疾患では禁忌じゃ。その場合はグルカゴンで代替する。

アユム アユム

4の『終了直後から飲食可能』はどうですか?

博士 博士

これもダメじゃ。咽頭麻酔の効果が残っている間に飲食すると、のどの感覚が鈍って誤嚥する。通常30分〜1時間、生検を行った場合は2時間は禁飲食じゃ。

アユム アユム

生検をしたかどうかでも変わるんですね。

博士 博士

うむ。組織を採った場合は出血リスクもあるから、激しい運動や入浴、アルコールも当日は控えるよう指導する。

アユム アユム

検査中の観察ポイントは?

博士 博士

SpO2、呼吸状態、咳込み、嘔吐、意識レベルじゃ。鎮静薬を使った場合は特に呼吸抑制に注意し、拮抗薬(フルマゼニル)をすぐ使えるようにしておく。

アユム アユム

検査前後の準備と観察、大事なことばかりですね。

博士 博士

その通り。ルーチン検査でも、前処置・体位・前投薬・観察・検査後管理という一連の流れを看護師が把握しておくことが安全につながるのじゃ。

アユム アユム

今日の学びで、胃カメラ介助のイメージがぐっと湧きました!

POINT

本問は上部消化管内視鏡検査の基本を問う設問で、正解は『体位は左側臥位』です。左側臥位は誤嚥予防と胃内観察に最適で、絶食は前日夜9時以降、前投薬はブスコパンなどの鎮痙薬、検査後は30分〜1時間(生検時2時間)の禁飲食が原則です。筋弛緩薬は絶対に前投薬に使わず、鎮静薬使用時は呼吸抑制観察が不可欠で、これらを押さえることで安全な検査介助ができ、国試でも臨床でも頻出の知識となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:上部消化管内視鏡検査について適切なのはどれか。

解説:正解は3の『体位は左側臥位とする。』です。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では、唾液や胃液の誤嚥を防ぎ、胃内の観察もしやすい左側臥位が標準的な体位です。軽く背中を丸め、膝を軽く曲げて全身の力を抜いた状態で実施します。検査前日夜9時以降は絶食(飲水は少量の水は可)とし、前投薬には消化管蠕動を抑えるためのブスコパン(鎮痙薬)やグルカゴン、不安軽減のための鎮静薬、局所麻酔のキシロカインスプレーなどが用いられます。筋弛緩薬は呼吸筋麻痺を招くため使用しません。検査後は咽頭麻酔の効果が切れるまで(通常30分〜1時間)は誤嚥予防のため飲食を控え、生検を行った場合は2時間程度禁飲食とします。

選択肢考察

  1. × 1.  2時間前から絶飲食とする。

    検査前日の午後9時以降を絶食とし、当日朝も絶食で水分は少量の水のみ可が一般的です。2時間では胃内容物が残り観察の妨げや誤嚥の原因となります。

  2. × 2.  前投薬には筋弛緩薬を用いる。

    前投薬は消化管蠕動を抑える鎮痙薬(ブスコパン、グルカゴン)、鎮静薬、咽頭麻酔薬などで、筋弛緩薬は使いません。筋弛緩薬は呼吸筋麻痺を起こす危険な薬剤です。

  3. 3.  体位は左側臥位とする。

    左側臥位は唾液を口角から流出させやすく誤嚥を防ぎ、胃内の観察もしやすい最適な体位です。軽く背中を丸め、肩・顎の力を抜きリラックスしてもらいます。

  4. × 4.  終了直後から飲食は可能である。

    咽頭麻酔の効果が残っている間に飲食すると誤嚥のリスクがあります。検査後30分〜1時間、生検時は2時間程度は飲食を控えます。

上部消化管内視鏡検査の前処置として、消泡剤(ジメチコン)や粘液除去剤(プロナーゼ)を含む液体の服用、キシロカインビスカスによる咽頭麻酔、ブスコパン(緑内障・前立腺肥大症・心疾患では禁忌のためグルカゴンで代替)の筋注などを行います。検査中の観察ポイントはSpO2・呼吸状態・咳込み・嘔吐・意識レベルで、鎮静薬使用時は呼吸抑制に特に注意が必要です。生検や内視鏡的粘膜切除術(EMR)後は出血や穿孔のリスクがあり、食事再開や活動制限を慎重に指導します。

上部消化管内視鏡検査における絶食時間・前投薬・体位・検査後管理の基本を問う問題です。