穿刺部位の組合せを体系的に整理しよう
看護師国家試験 第108回 午前 第42問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
- 1.胸腔穿刺 ---------- 胸骨体第2肋間
- 2.腹腔穿刺 ---------- 剣状突起と臍窩を結ぶ直線の中間点
- 3.腰椎穿刺 ---------- 第1・2腰椎間
- 4.骨髄穿刺 ---------- 後腸骨稜
対話形式の解説
博士
今日は第108回午前42問、さまざまな穿刺部位を問う組合せ問題じゃ。検査介助は看護師の大切な業務の一つで、部位を理解していないと患者への説明も体位保持も適切にできんのじゃ。
アユム
博士、穿刺って胸腔穿刺や腰椎穿刺など、いろんな種類がありますよね。どれも似たような位置のように思えて混乱します。
博士
そうじゃろうな。じゃが解剖学的ランドマークと結びつけて覚えれば整理しやすいぞ。まず選択肢を見て、正しい組合せはどれか考えてみるかの。
アユム
えーっと、骨髄穿刺が後腸骨稜…これは確か正しいと思います。4番でしょうか。
博士
正解じゃ!正解は4の骨髄穿刺と後腸骨稜の組合せじゃ。成人の骨髄穿刺では後上腸骨棘が第一選択で、骨髄組織が豊富で大血管や神経から離れており安全性が高いのじゃ。
アユム
小児だと違う部位を使うんですか?
博士
小児では脛骨前面から採取することもあるぞ。骨髄がまだ活発に造血しておる場所を選ぶのじゃ。ちなみに後腸骨稜が使えない場合は胸骨穿刺も選択肢になる。
アユム
他の選択肢はどう間違っているんでしょうか。
博士
胸腔穿刺の部位は胸骨体第2肋間ではなく、仰臥位なら中腋窩線上の第4〜6肋間、座位なら後腋窩線上の第7〜8肋間じゃ。排気目的なら鎖骨中線上の第2〜3肋間を選ぶこともある。
アユム
腹腔穿刺はどこでしたっけ?
博士
腹腔穿刺は臍と左右の上前腸骨棘を結ぶ線、これをモンロー・リヒター線と呼ぶのじゃが、その外側1/3点が標準じゃ。剣状突起と臍の中間点では肝臓を傷つける危険があるぞ。
アユム
腰椎穿刺は第1・2腰椎間ではないんですね。
博士
そのとおり。脊髄は第1腰椎あたりで終わって馬尾神経に移行するため、第3〜4または第4〜5腰椎間で穿刺するのじゃ。目安はヤコビー線、つまり左右腸骨稜上縁を結ぶ線が交わる第4腰椎の高さじゃよ。
アユム
ランドマークの名前で覚えるとわかりやすいですね。
博士
そうじゃ。腰椎穿刺後は髄液圧低下による頭痛予防で仰臥位安静、胸腔穿刺は再膨張性肺水腫の観察、骨髄穿刺は穿刺部の圧迫止血と、それぞれ看護ポイントも違うから合わせて覚えておくとよいぞ。
POINT
第108回午前42問は穿刺と穿刺部位の組合せの問題で、正解は4の骨髄穿刺と後腸骨稜です。腰椎穿刺は第3〜4または第4〜5腰椎間、腹腔穿刺はモンロー・リヒター線の外側1/3、胸腔穿刺は中腋窩線第4〜6肋間が標準部位です。解剖学的ランドマークと結びつけて覚えることで、検査介助や患者説明に活かすことができます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
解説:正解は 4 です。骨髄穿刺は造血器疾患の診断や治療効果判定を目的として骨髄液を採取する検査で、成人では後腸骨稜(後上腸骨棘)が第一選択部位となります。後腸骨稜は骨髄組織が豊富で、重要な血管や神経から離れており、患者を腹臥位または側臥位にすることで術者がアクセスしやすいという利点があります。穿刺部位の選択は解剖学的ランドマークと安全性のバランスによって決まっており、各穿刺の標準部位を正確に理解することが安全な介助の前提となります。
選択肢考察
-
× 1. 胸腔穿刺 ---------- 胸骨体第2肋間
胸腔穿刺の標準部位は、排液目的で座位第7〜8肋間後腋窩線上、仰臥位では中腋窩線上の第4〜6肋間です。胸骨体第2肋間は肺や心臓を損傷する危険が大きく穿刺部位ではありません。
-
× 2. 腹腔穿刺 ---------- 剣状突起と臍窩を結ぶ直線の中間点
腹腔穿刺は臍と左右の上前腸骨棘を結ぶ線(モンロー・リヒター線)の外側1/3点が標準部位です。剣状突起と臍を結ぶ中間点は肝臓などの損傷リスクが高く選択されません。
-
× 3. 腰椎穿刺 ---------- 第1・2腰椎間
腰椎穿刺はヤコビー線(左右腸骨稜上縁を結ぶ線)が交わる第4腰椎を目安に、第3〜4または第4〜5腰椎間で行います。第1・2腰椎間では脊髄本体を損傷する恐れがあります。
-
○ 4. 骨髄穿刺 ---------- 後腸骨稜
骨髄穿刺は成人では後腸骨稜(後上腸骨棘)が第一選択です。骨髄組織が豊富で安全性が高く、小児では脛骨前面も用いられます。組合せとして適切で正解となります。
各穿刺部位は『ヤコビー線=第4腰椎』『モンロー・リヒター線=腹腔穿刺』『後腸骨稜=骨髄穿刺』『中腋窩線第4〜6肋間=胸腔穿刺』とセットで整理すると覚えやすくなります。検査介助では体位保持と無菌操作が看護師の重要な役割で、特に腰椎穿刺後は髄液圧低下による頭痛予防のため数時間の仰臥位安静を促します。
代表的な穿刺手技の標準部位を解剖学的ランドマークと結びつけて理解できているかを問う問題です。
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