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動脈性外出血の正しい止血法

看護師国家試験 第111回 午後 第40問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第40問

四肢の動脈性外出血に対する止血法で適切なのはどれか。

  1. 1.出血部位を心臓より高く保つ。
  2. 2.止血帯は幅1cm未満を用いる。
  3. 3.止血帯は連続して4時間使用する。
  4. 4.出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する。

対話形式の解説

博士 博士

四肢の動脈性出血に対する止血法を問う問題じゃ。動脈性と静脈性で対応が変わる点が重要じゃぞ。

アユム アユム

動脈性出血ってどんな出血ですか?

博士 博士

心臓の拍動に合わせて鮮紅色の血液が噴出するのが特徴じゃ。短時間で大量出血しショックに至るから、迅速な止血が命を左右する。

アユム アユム

正解はどれですか?

博士 博士

正解は1の「出血部位を心臓より高く保つ」じゃ。患肢を心臓より高く挙上することで重力による動脈圧低下が期待できる。

アユム アユム

選択肢2の止血帯は幅1cm未満は?

博士 博士

幅が狭いほど局所への圧力が集中し、神経麻痺や皮膚・筋肉損傷を起こす。止血帯は幅3cm以上の広いものが基本じゃ。

アユム アユム

選択肢3の4時間連続使用は?

博士 博士

長時間連続使用は末梢の虚血壊死やクラッシュ症候群(再灌流症候群)を招く。市民救命救急では30〜60分ごとに緩めて血流を再開させる、または開始時刻を記録して早期搬送するのが原則じゃ。

アユム アユム

選択肢4の動脈圧より低い圧で圧迫は?

博士 博士

動脈圧より低ければ血液が噴出し続けるだけで止まらん。動脈圧以上の圧で直接圧迫することが必要じゃ。

アユム アユム

止血法の種類を整理してください。

博士 博士

①直接圧迫止血法:清潔なガーゼで出血部位を直接強く圧迫、最も基本かつ有効②間接圧迫止血法:出血部より中枢側の動脈(上腕動脈、大腿動脈など)を圧迫③止血帯法:直接圧迫で止まらない時の最終手段④挙上法:補助的、の4種類じゃ。

アユム アユム

間接圧迫の部位は?

博士 博士

上肢なら上腕動脈(上腕の内側)、下肢なら大腿動脈(鼠径部)を骨に押し付けるように圧迫する。

アユム アユム

止血帯使用のポイントは?

博士 博士

幅3cm以上、心臓に近い側に巻く、装着時刻を明記、30〜60分ごとの緩解または速やかな医療機関搬送、じゃ。

アユム アユム

クラッシュ症候群って何ですか?

博士 博士

長時間の圧迫で虚血した筋組織から、圧迫解除時にカリウムやミオグロビンが大量に血中へ流出し、高カリウム血症や急性腎不全、不整脈を起こす状態じゃ。災害時の下敷き外傷でも有名じゃな。

アユム アユム

動脈性出血を発見したらまず何をしますか?

博士 博士

①自分の安全確保と感染防御(手袋着用)②清潔なガーゼで直接圧迫③患肢挙上④救急要請⑤ショック徴候の観察、の順番じゃ。

アユム アユム

出血性ショックの徴候は?

博士 博士

血圧低下、頻脈、冷汗、皮膚蒼白、冷感、頻呼吸、意識レベル低下じゃ。循環血液量の15〜30%の喪失で症状が現れる。

アユム アユム

出血量のアセスメントも大切なんですね。

博士 博士

その通り、止血だけでなく全身管理まで見据えるのが看護じゃ。

POINT

四肢の動脈性外出血では、直接圧迫止血を基本に、患肢を心臓より高く挙上する補助法を併用します。止血帯は幅3cm以上の広いものを用い、長時間連続使用せず開始時刻を記録することが原則で、圧迫は動脈圧より高い圧で行います。動脈性出血は短時間でショックに至るため、止血と同時に循環動態の観察と速やかな医療機関搬送が必須です。クラッシュ症候群など止血帯解除時の合併症にも注意が必要です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:四肢の動脈性外出血に対する止血法で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。四肢の動脈性出血では、出血部位を心臓より高く挙上することで、重力により局所の血圧・血流量を低下させ、止血を補助します。これは直接圧迫法と併用する補助的止血法で、意識的に実施することで出血量を減らせます。

選択肢考察

  1. 1.  出血部位を心臓より高く保つ。

    患肢を心臓より高く挙上することで動脈圧が低下し、出血量を減少させられます。直接圧迫と併用する基本的な補助止血法です。

  2. × 2.  止血帯は幅1cm未満を用いる。

    幅の狭い止血帯は神経や組織を局所的に強く圧迫し、神経麻痺や皮膚・筋肉損傷を起こします。止血帯は幅3cm以上の広いものを用います。

  3. × 3.  止血帯は連続して4時間使用する。

    止血帯を長時間連続使用すると末梢の虚血壊血や神経損傷、駆血解除後のクラッシュ症候群を招きます。30〜60分ごとに緩めて血流を再開させる、または使用開始時刻を記録し早期に医療機関へ搬送します。

  4. × 4.  出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する。

    動脈性出血を止めるには動脈圧より高い圧で圧迫する必要があります。低い圧では血液が噴出し続け止血できません。

外出血の止血法は①直接圧迫止血法(最も基本的かつ有効)②間接圧迫止血法(出血部位より中枢側の動脈を圧迫)③止血帯法(直接圧迫で止血困難な場合の最終手段)④挙上法(補助的)の4つです。動脈性出血は拍動に合わせて鮮紅色の血液が噴出する危険な状態で、ショックへの進行が早いため迅速な止血と医療機関への搬送が必要です。止血帯は「TQ」「ターニケット」とも呼ばれ、開始時刻を明記することが必須です。

動脈性外出血に対する止血法の原則(直接圧迫、挙上、適切な止血帯使用)を理解しているかを問う問題です。