酸素ボンベあと何分?公式で解く使用可能時間
看護師国家試験 第112回 午後 第90問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。 使用可能な時間は何分か。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第位を四捨五入すること。
- 1.113分
- 2.125分
- 3.139分
- 4.157分
- 5.166分
対話形式の解説
博士
今日は酸素ボンベの計算じゃ。搬送や在宅酸素で必須の知識じゃぞ。
アユム
500Lのボンベで内圧10MPa、流量3L/分で何分持つか、ですね。
博士
まずボンベの残量を出す。公式は『容量 × 現圧 ÷ 充填圧』じゃ。
アユム
500×10÷14.7ですね。計算すると340.1Lくらいでしょうか。
博士
その通り。次に使用可能時間は『残量÷流量』じゃ。340.1÷3は?
アユム
113.4分、四捨五入して113分です。
博士
正解じゃ。選択肢1が答えじゃな。
アユム
なぜ圧で割る必要があるんですか?
博士
ボンベ容量500Lというのは充填圧14.7MPaで圧縮されたときに出せるガスの量じゃ。現在の圧が下がっていれば、取り出せる量もその比率で減る。だから比例計算で求めるのじゃ。
アユム
14.7MPaって特別な数字ですね。
博士
日本の医療用酸素ボンベの標準充填圧じゃ。昔の単位では150kgf/cm2に相当する。1MPa=約10kgf/cm2の換算じゃ。
アユム
ボンベの容量には種類がありますか?
博士
一般的に300L、500L、1500L、7000Lなど様々じゃ。携帯型では300〜500Lが主流。計算式はどの容量でも同じじゃ。
アユム
搬送中、どれくらいの残量で交換すべきですか?
博士
安全マージンとして残圧5MPa(充填圧の約1/3)を切ったら早めに交換するのが慣例じゃ。特に搬送中や在宅の外出時は予備ボンベを必ず携行する。
アユム
酸素ボンベの取り扱いで注意することは?
博士
立位で固定し転倒防止、火気厳禁、油脂や有機物との接触回避じゃ。酸素は支燃性ガスで、油と触れると自然発火のリスクがある。ハンドクリームにも注意じゃ。
アユム
酸素流量の指示は何L/分が多いですか?
博士
呼吸困難の状態によるが、鼻カニューレで1〜5L/分、簡易マスクで5〜8L/分、リザーバーマスクで6〜15L/分が目安じゃ。
アユム
計算問題は公式を覚えれば怖くないですね。
博士
その通り。『容量×現圧÷充填圧÷流量』を体に染み込ませれば、数値が変わっても解ける。試験でも臨床でも役立つぞ。
POINT
酸素ボンベの使用可能時間は『ボンベ容量(L)×現在の内圧(MPa)÷充填時内圧(MPa)÷流量(L/分)』で算出します。本問では500×10÷14.7≒340.1Lの残量があり、3L/分で使うと約113分となります。日本の医療用酸素ボンベは充填圧14.7MPaが標準で、安全マージンとして残圧5MPaを切ったら早めに交換するのが原則です。取り扱いでは立位固定、火気厳禁、油脂・有機物との接触回避を徹底し、搬送時は予備ボンベを必ず携行することが患者安全の観点から重要です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。 使用可能な時間は何分か。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第位を四捨五入すること。
解説:正解は 1 です。酸素ボンベの残量は『ボンベ容量 × 現在の内圧 ÷ 充填時内圧』で求めます。500 × 10 ÷ 14.7 ≒ 340.1 L が残量です。使用可能時間は『残量 ÷ 流量』で、340.1 ÷ 3 ≒ 113.4 分、小数点以下第1位を四捨五入して 113 分となります。
選択肢考察
-
○ 1. 113分
500×10÷14.7≒340.1L、340.1÷3≒113.4分を四捨五入して113分。計算通りの正解。
-
× 2. 125分
残量を約375Lと誤算した場合に出る値。充填圧の分母を落としている可能性がある。
-
× 3. 139分
残量計算に誤りがある場合に出る誤答。
-
× 4. 157分
充填時の総量500Lをそのまま使用時間に割り振った誤算。
-
× 5. 166分
500÷3=166.6分とした場合の値で、圧力低下を無視した誤答。
酸素ボンベ計算の公式は『使用可能時間(分) = ボンベ容量(L) × 現圧(MPa) ÷ 充填圧(MPa) ÷ 流量(L/分)』。500L ボンベの充填圧は14.7MPa(150kgf/cm2)が標準。臨床では安全マージンを考慮し、残圧が5MPa(約1/3)を切ったら早めに交換するのが慣例。搬送中は振動や転倒による事故防止のため、立位で固定し火気から離す。酸素は支燃性ガスで、油脂・有機物との接触で自然発火のリスクがある。計算問題は頻出で、医師の指示流量(5L/分、10L/分など)や異なる容量(300L、500L、1500Lなど)でも同じ公式で解けるよう練習する。
酸素ボンベの残量・使用可能時間の計算公式を正確に使えるかを問う計算問題。
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