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真空採血の手順〜駆血帯はいつ外す?試薬逆流を防ぐ鉄則

看護師国家試験 第112回 午前 第42問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第42問

真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。

  1. 1.採血針を皮膚に刺した直後
  2. 2.真空採血管内への血液の流入が始まったとき
  3. 3.真空採血管内への血液の流入が終わったとき
  4. 4.ホルダーから真空採血管を抜去した後

対話形式の解説

博士 博士

今日は真空採血管を用いた採血手順、特に駆血帯を外すタイミングを学ぶぞ。

アユム アユム

採血って実習でも見学しましたが、駆血帯を外す順番って意識していませんでした。

博士 博士

そこが国試でも臨床でも問われるポイントじゃ。まず真空採血管の仕組みから説明しよう。採血管の中は陰圧、つまり真空に近い状態になっておる。

アユム アユム

真空だから血液が勝手に吸い込まれるんですね。

博士 博士

その通り。針が血管に刺さった状態で採血管をホルダーに差し込むと、陰圧によって血液が自動的に流入する仕組みじゃ。

アユム アユム

便利ですね。じゃあ駆血帯はいつ外すのが正解なんですか?

博士 博士

結論から言うと『すべての採血管を抜去した後』じゃ。理由が二つある。

アユム アユム

二つもあるんですか。

博士 博士

一つ目は採血量の確保。早く外すと静脈圧が下がって必要量が採れなくなる。二つ目は試薬の逆流防止。採血管には抗凝固剤などの試薬が入っておるじゃろ?採血管が装着されたまま駆血を外すと、血管内圧が急低下した瞬間に採血管から血管内へ試薬が逆流する危険があるのじゃ。

アユム アユム

試薬が血管に入ったら大変じゃないですか…。

博士 博士

そうじゃ、アレルギー反応や凝固異常の原因になる。だから安全のために採血管を抜いてから駆血を外すのが鉄則じゃ。

アユム アユム

手順としては『駆血→穿刺→採血管装着→採血→採血管抜去→駆血解除→抜針→圧迫止血』の順ですね。

博士 博士

完璧じゃ!ついでに言うと、駆血時間は1分以内が原則。長く駆血すると血液が濃縮してカリウム値や乳酸値が上がってしまうぞ。

アユム アユム

検査データが歪んでしまうんですね。採血って細かい配慮がたくさんあるんですね。

博士 博士

その通り。手順一つひとつに根拠があるのじゃ。機械的に覚えるのではなく、『なぜそうするのか』を理解することが大切じゃぞ。

POINT

真空採血管とホルダーを用いた採血では、駆血帯を解除するタイミングは『ホルダーから真空採血管を抜去した後』が正解です。採血管の陰圧と血管内圧の関係上、採血管が装着されたまま駆血を外すと採血量不足や、採血管内の試薬が血管内へ逆流する危険性があります。標準手順は『駆血→穿刺→採血→採血管抜去→駆血解除→抜針』の順序で、駆血時間は1分以内に留めるのが望ましいとされています。看護師は手順一つひとつの根拠を理解し、患者の安全と検査データの信頼性を守る役割を担っています。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。

解説:正解は4の『ホルダーから真空採血管を抜去した後』です。真空採血管は管内が陰圧に設定されており、採血管がホルダーに接続されている間は血液が流入し続けます。駆血帯を先に外すと静脈圧が低下し、採血量が不足したり採血管内の抗凝固剤などの試薬が血管内へ逆流したりする恐れがあります。したがって、すべての採血管を抜去してから駆血帯を解除するのが安全な手順です。

選択肢考察

  1. × 1.  採血針を皮膚に刺した直後

    穿刺直後に駆血を外すと静脈の怒張がなくなり血管内圧が下がるため、必要量の血液を採取できなくなる。駆血はまだ解除してはいけない。

  2. × 2.  真空採血管内への血液の流入が始まったとき

    流入開始直後は採血が完了していないため、駆血を外すと採血量が不足する。また血流量が減ることで採血時間が延長する原因にもなる。

  3. × 3.  真空採血管内への血液の流入が終わったとき

    採血管がホルダーに接続されたまま駆血を解除すると、駆血解除により血管内圧が下がった瞬間に採血管内の試薬が血管内へ逆流する危険がある。必ず採血管を抜いてから駆血を外す。

  4. 4.  ホルダーから真空採血管を抜去した後

    採血管を抜いた後は採血管とホルダー内部の陰圧が解除されるため逆流のリスクがなく、駆血帯を外しても問題ない。この順序が正しい手順である。

真空採血の標準手順は「駆血→穿刺→採血管装着→採血→採血管抜去→駆血解除→抜針→圧迫止血」の順である。駆血時間は1分以内を目安とし、長時間の駆血は血液濃縮や溶血、カリウム上昇など検査値への影響をもたらす。また採血管にはEDTA、クエン酸、凝固促進剤など種類ごとに異なる試薬が含まれ、血管内への逆流はアレルギーや凝固異常を引き起こす可能性がある。

真空採血における駆血解除のタイミングを問う問題。採血量確保と試薬逆流防止の両面から「採血管抜去後」が正解となる理由を理解することが重要。