良肢位を覚えてADLを守るポジショニング
看護師国家試験 第113回 午前 第36問 / 基礎看護学 / 日常生活援助技術
国試問題にチャレンジ
仰臥位の患者の良肢位で正しいのはどれか。
- 1.肩関節外転90度
- 2.肘関節屈曲90度
- 3.膝関節屈曲90度
- 4.足関節底屈90度
対話形式の解説
博士
今回は良肢位について整理しようかの。
アユム
良肢位と基本肢位って似ていて混乱します……。
博士
基本肢位は解剖学的な「0度」の姿勢で、関節可動域を測る基準じゃ。良肢位はもし拘縮してもADLに困らない角度のことを言う。
アユム
つまり実際のケアで保持すべき角度が良肢位なんですね。
博士
その通り。肘を例に挙げると、良肢位は90度屈曲じゃ。
アユム
確かに90度なら食事や洗顔がしやすいです。
博士
一方、肩関節の良肢位は外転10〜30度にとどめる。
アユム
90度外転させると腋窩の神経や血管を圧迫してしまうんですね。
博士
膝関節は10度屈曲が目安じゃ。90度では膝窩が圧迫され、深部静脈血栓症のリスクも上がる。
アユム
足関節はどうですか?
博士
足関節は0度、いわゆる中間位が良肢位じゃ。底屈位のまま放置すると尖足になって立てなくなってしまう。
アユム
長期臥床の患者さんにはフットボードを当てて予防する、と習いました。
博士
よく覚えておるな。良肢位はクッションや枕を使って保持し、褥瘡や拘縮、血栓も一緒に予防するのが看護の腕の見せ所じゃ。
アユム
今回の問題では肘関節屈曲90度の②が良肢位として正解ですね。
POINT
良肢位は「万一拘縮してもADLに支障が少ない肢位」です。肘関節90度屈曲は食事や整容など日常動作に直結する角度で、仰臥位の良肢位として代表的です。肩関節は10〜30度外転、膝関節は約10度屈曲、足関節は0度(中間位)が基本です。長期臥床患者にはポジショニング用具を活用し、拘縮・褥瘡・血栓症を予防することが重要です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:仰臥位の患者の良肢位で正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。良肢位とは、万一関節が拘縮しても日常生活動作に最も支障が少ない肢位のことを指します。肘関節では90度屈曲位が食事・整容・書字などの動作に適しており、仰臥位における良肢位として正しい角度です。
選択肢考察
-
× 1. 肩関節外転90度
肩関節の良肢位は外転10〜30度程度です。90度外転では腋窩血管・神経への圧迫や肩関節周囲筋への過伸展が生じ、長時間維持すると拘縮や循環障害のリスクが高まります。
-
○ 2. 肘関節屈曲90度
肘関節屈曲90度は食事・洗顔・書字など多くのADLに直結する角度で、万一この位置で拘縮しても生活動作を保ちやすい良肢位です。仰臥位・端座位いずれでも標準となります。
-
× 3. 膝関節屈曲90度
膝関節の良肢位はおよそ10度屈曲です。90度屈曲では膝窩部の血管・神経が圧迫され深部静脈血栓症を誘発する恐れがあり、歩行動作にも不利になるため不適切です。
-
× 4. 足関節底屈90度
足関節の良肢位は0度(中間位)です。底屈90度は尖足位で、立位・歩行が不可能になります。長臥床患者では尖足予防にクッションやフットボードで中間位を保持します。
主な関節の良肢位は、肩関節:外転10〜30度、肘関節:屈曲90度、手関節:背屈10〜20度、股関節:屈曲15〜30度・外転0〜10度、膝関節:屈曲10度、足関節:0度(中間位)です。長期臥床や麻痺のある患者では、枕・クッションを使って良肢位を保持し、褥瘡・拘縮・尖足・深部静脈血栓症を予防します。基本肢位(解剖学的肢位)と混同しないよう注意しましょう。
良肢位の意義と各関節の具体的な角度、特に肘関節90度屈曲位が基本となることを理解しているかを問う問題です。
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