信頼関係の鍵は患者の価値観じゃ
看護師国家試験 第104回 午前 第36問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念
国試問題にチャレンジ
看護師と患者の信頼関係の構築において最も考慮すべき要素はどれか。
- 1.病院の方針
- 2.看護師の思い
- 3.患者の価値観
- 4.家族の経済状況
対話形式の解説
博士
学生くん、患者と信頼関係を築くために最も大事なものは何だと思うかの?
アユム
やっぱり、患者さんを理解しようとする姿勢でしょうか。
博士
その通りじゃ。具体的には「患者の価値観」を知り、それを尊重することじゃ。
アユム
病院の方針は重要ではないのですか?
博士
組織として守るべきものではあるが、信頼関係の中心ではないのじゃ。方針を盾にすると個別性を損なうこともあるからの。
アユム
看護師の思いも大切に思えますが…。
博士
もちろん看護師の専門的な思いは重要じゃ。しかし個人的な感情を前面に出すと、押し付けや一方通行になってしまうのじゃ。
アユム
家族の経済状況はどうですか?
博士
退院支援や治療継続を考えるうえで把握する必要はあるが、信頼関係そのものの基盤ではないのじゃ。
アユム
患者の価値観を知るには何をすればよいですか?
博士
まずは傾聴じゃ。患者の語りに耳を傾け、何を大切にしているか、どんな生活を望んでいるかを聴き取るのじゃ。
アユム
ロジャーズの理論を授業で習いました。
博士
おお、よく覚えておったの。「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」の3要素は信頼関係の基盤じゃ。
アユム
トラベルビーも関係論で有名ですね。
博士
うむ。「人間対人間の関係」を提唱し、看護師と患者が一人の人間として出会うことを重視したのじゃ。
アユム
傾聴・受容・共感が3本柱ですね。
博士
その通り。これに加えて、患者の個別性を尊重する姿勢が信頼関係を育てるのじゃ。
アユム
患者中心の看護を意識します!
POINT
看護師と患者の信頼関係構築において最も考慮すべきは患者の価値観です。患者がどう病気を捉え、どんな生き方を望むかを理解し、それに沿った看護を提供することで「尊重されている」という安心感が生まれます。病院の方針、看護師の思い、家族の経済状況も補助的に重要ですが中心ではありません。傾聴・受容・共感を基本姿勢に、患者中心の関わりを大切にしましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:看護師と患者の信頼関係の構築において最も考慮すべき要素はどれか。
解説:正解は3です。信頼関係(ラポール)は患者を一人の人間として尊重する姿勢から生まれます。患者がどう病気を捉え、どんな生き方を望み、何を大切にしているかという価値観を理解し、それに沿った看護を提供することが、最も基本的かつ重要な要素となります。
選択肢考察
-
× 1. 病院の方針
病院の方針は組織として遵守すべきものですが、信頼関係構築の中心ではありません。むしろ方針を絶対視すると患者の個別性を損なう恐れがあります。
-
× 2. 看護師の思い
看護師個人の感情や考えを優先すると、押し付けや一方通行のケアとなり、患者中心の関わりから外れてしまいます。
-
○ 3. 患者の価値観
患者の価値観・人生観・希望を尊重して看護を提供することで、患者は「自分を理解してくれている」と感じ、信頼関係が育まれます。患者中心の看護の根幹です。
-
× 4. 家族の経済状況
経済状況は治療継続や退院支援を考えるうえで把握すべき情報ですが、信頼関係構築の中心要素ではありません。
信頼関係構築の基本姿勢として、ロジャーズが提唱した「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」の3要素は患者中心の援助関係に通じます。トラベルビーは「人間対人間の関係」の重要性を強調しました。傾聴・受容・共感は信頼関係の3本柱です。
信頼関係構築の中核が患者中心の姿勢、すなわち患者の価値観の尊重にあることを理解しているかを問う設問です。
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