高齢者総合機能評価CGAの基本
看護師国家試験 第104回 午後 第58問 / 老年看護学 / 老年看護の基本
国試問題にチャレンジ
高齢者の総合機能評価〈CGA〉について正しいのはどれか。
- 1.介護者の介護負担は含まない。
- 2.多職種チームで結果を共有する。
- 3.疾患の改善を目指すことが目的である。
- 4.主な対象者は重度の要介護高齢者である。
対話形式の解説
博士
今日はCGA、つまりComprehensive Geriatric Assessmentについてじゃ
アユム
総合機能評価ですね。高齢者の状態を多面的に見るものと習いました
博士
そう、ADLやIADL、認知機能、気分、栄養、社会経済状況など幅広く評価する
アユム
介護者の負担も含まれるのですか
博士
もちろんじゃ。在宅生活が続けられるかどうかは介護者の状況によって大きく左右される
アユム
では選択肢1は誤りですね
博士
次に対象は重度要介護者だけかというと、これも違う
アユム
自立した高齢者にもCGAは行うのですか
博士
むしろフレイルや軽度認知障害の段階で介入することが要介護化予防に役立つんじゃ
アユム
目的は疾患の改善ですか
博士
ここがポイントじゃ。疾患を治すことよりも、生活機能や生活の質を維持・向上させて個別性のあるケアを提供することが目的じゃ
アユム
残るは多職種チームで結果を共有するですね
博士
そう、医師だけでは捉えきれない情報を看護師、リハビリ職、薬剤師、栄養士、ケアマネジャーなどが持ち寄って統合するんじゃ
アユム
評価ツールは何が使われますか
博士
ADLはBarthel指数、IADLはLawton尺度、認知機能はMMSEやHDS-R、抑うつはGDS、栄養はMNA-SFなどじゃ
アユム
病院で行うのか在宅で行うのか
博士
入院時、退院前、外来、訪問診療、施設入所時など、さまざまな場面で実施される
アユム
看護師の役割は何でしょうか
博士
生活面の情報収集と評価、家族支援、多職種への橋渡し、ケアプランへの反映じゃ
アユム
評価結果はどのように活用されますか
博士
退院支援計画、リハビリ目標、薬剤調整、地域連携、社会資源の調整に直結する
アユム
高齢者は症状が典型的でないことも多いですね
博士
その通り、複数疾患と多剤併用が常じゃから、CGAで全体像を把握することが安全な医療につながる
POINT
CGAは高齢者の身体的、精神心理的、社会的側面を多面的に評価し、多職種で共有して個別的なケアにつなげる手法です。介護者の負担も評価に含まれ、対象は重症度を問わず全ての高齢者です。目的は疾患治癒ではなく生活機能と生活の質の維持向上で、看護師は情報収集と多職種連携の中核を担います。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:高齢者の総合機能評価〈CGA〉について正しいのはどれか。
解説:正解は2の多職種チームで結果を共有するです。高齢者総合機能評価〈CGA〉は身体機能、精神心理機能、社会経済的状況など多面的に評価するもので、医師、看護師、理学療法士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどが結果を共有して総合的なケアプランを立案します。
選択肢考察
-
× 1. 介護者の介護負担は含まない。
CGAでは社会経済的評価の一部として家族や介護者の介護能力、介護負担、住居環境などが含まれます。介護者の状況は在宅生活の継続性に直結するため、評価項目から除外されることはありません。
-
○ 2. 多職種チームで結果を共有する。
CGAは医師、看護師、リハビリ職、薬剤師、栄養士、ケアマネジャーなど多職種が情報を共有してケアを計画する仕組みです。高齢者の複雑な健康問題に対応するためにチームアプローチが不可欠です。
-
× 3. 疾患の改善を目指すことが目的である。
CGAの目的は疾患の治癒ではなく、高齢者の生活機能や生活の質を維持・改善し、個別性に応じた医療と介護を提供することです。慢性疾患を抱えた高齢者の全人的支援が中心となります。
-
× 4. 主な対象者は重度の要介護高齢者である。
CGAは要介護度に関わらず、自立から要介護まで全ての高齢者が対象です。むしろフレイルや軽度認知障害など軽症段階での介入が、要介護化予防に有効とされています。
CGAの主な評価領域はADL(Barthel指数など)、IADL(Lawton尺度)、認知機能(MMSE、HDS-R)、気分(GDS)、栄養(MNA-SF)、社会経済状況、介護者の負担などです。高齢者は症状が非典型的で複数疾患を抱えるため、多職種カンファレンスで結果を統合し、ケアプランや退院支援、地域連携につなげます。
CGAの目的と対象、評価領域、多職種協働の意義を理解しているかを問う問題です。
「老年看護の基本」の関連記事
-
できないことより「できること」を見る、ストレングスモデルの神髄
ストレングスモデルの定義を、エンパワメント・自己効力感・健康生成論など類似概念と区別して理解できているかを問…
114回
-
IADLとBADLを区別しよう
IADLとBADL、認知機能評価情報を区別して整理できるかを問う設問です。
113回
-
BADLとIADLの違いを整理しよう
身辺の基本動作を測るBADLと、地域生活に必要なより高次の活動を測るIADLを区別できるかが問われています。
113回
-
身体拘束の3要件、言えますか?切迫性・非代替性・一時性を理解する
身体拘束の3要件(切迫性・非代替性・一時性)と、組織的判断・家族同意の必要性を問う問題。高齢者の尊厳に直結する…
112回
-
高齢者総合機能評価CGA7
CGA7の7項目(意欲・認知・IADL・ADL・情緒)を把握し、含まれる要素と含まれない要素を区別できるかを問う問題です。
111回