高齢者総合機能評価CGA7
看護師国家試験 第111回 午前 第88問 / 老年看護学 / 老年看護の基本
国試問題にチャレンジ
高齢者の総合機能評価CGA簡易版〈CGA7〉で評価するのはどれか。2つ選べ。
- 1.BMI
- 2.意欲
- 3.職業歴
- 4.新機器の利用
- 5.日常生活動作〈ADL〉
対話形式の解説
博士
今日は高齢者ケアで重要なCGA7について学ぼう。
アユム
CGA7ってどういうものですか?
博士
高齢者総合機能評価(CGA)は身体・精神・社会機能を多面的に評価する手法で、CGA7はその簡易版。項目を7つに絞って短時間で評価できるようにしたものだ。
アユム
7つの項目を教えてください。
博士
①意欲、②認知機能(時間見当識)、③手段的ADL(交通機関の利用)、④基本的ADL(入浴)、⑤基本的ADL(排泄)、⑥認知機能(遅延再生)、⑦情緒・気分(うつ)の7つだよ。
アユム
選択肢を見ると、意欲とADLが含まれていますね。
博士
その通り。選択肢2の意欲と選択肢5の日常生活動作(ADL)が正解だ。
アユム
意欲はどうやって評価するんですか?
博士
「挨拶をしているか」など、患者が自ら行動を起こすかを観察する。Vitality Index(意欲の指標)にもつながる概念で、意欲低下は予後や介護負担に直結するから重要なんだ。
アユム
選択肢1のBMIはどうですか?
博士
BMIは栄養評価の指標でCGA7には含まれない。高齢者の栄養評価はMNA-SFなど別のスケールで行う。
アユム
選択肢3の職業歴は?
博士
生活歴の一部として聴取することはあるが、CGA7の評価項目ではない。
アユム
選択肢4の新機器の利用は?
博士
家電やスマートフォンなどの使用能力もCGA7には含まれない。手段的ADLとして評価されるのは「交通機関の利用」、つまり一人でバスや電車に乗って出かけられるかどうかだ。
アユム
認知機能はどう評価するんですか?
博士
2項目あって、「今日は何月何日ですか」という時間見当識の確認と、3つの単語を覚えてもらって後で思い出す遅延再生の2つで見る。
アユム
情緒の評価はうつですか?
博士
そう、「毎日の生活が楽しいか」などを尋ねて気分の落ち込みを評価する。問題があればGDS15など本格的なうつスケールに進む。
アユム
CGA7で問題が見つかったらどうするんですか?
博士
MMSEやBarthel Index、IADL尺度、GDS15など詳細な評価に進み、多職種でケアプランを立てる。スクリーニングの役割が中心なんだ。
アユム
よく理解できました。
POINT
CGA7は高齢者の意欲、認知機能(時間見当識・遅延再生)、手段的ADL(交通機関利用)、基本的ADL(入浴・排泄)、情緒の7項目を短時間で評価するスクリーニングツールです。選択肢2の意欲と選択肢5のADLが該当し正解です。BMI、職業歴、新機器利用は含まれません。問題があれば詳細評価へ進み、多職種で介入を計画します。
解答・解説
正解は 2 ・ 5 です
問題文:高齢者の総合機能評価CGA簡易版〈CGA7〉で評価するのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 と 5 です。高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)は、高齢者の身体・精神・社会機能を多面的に評価してQOLの維持・向上を目指す手法です。CGA7は時間を短縮するためにCGAの評価項目を7つに絞った簡易版で、①意欲、②認知機能(時間見当識)、③手段的ADL(交通機関の利用)、④基本的ADL(入浴)、⑤基本的ADL(排泄)、⑥認知機能(遅延再生)、⑦情緒・気分(うつ)を評価します。
選択肢考察
-
× 1. BMI
BMIは栄養評価に用いる指標でCGA7には含まれません。栄養評価はMNA-SFなど別のスケールで行います。
-
○ 2. 意欲
CGA7の1番目の項目で、「自ら挨拶する」かなどを観察して意欲を評価します。Vitality Indexに通じる概念で正解です。
-
× 3. 職業歴
職業歴は生活歴の一部として聴取することはありますが、CGA7の評価項目には含まれません。
-
× 4. 新機器の利用
家電やデジタル機器の使用能力はCGA7の評価項目ではありません。手段的ADLでは交通機関の利用が評価されます。
-
○ 5. 日常生活動作〈ADL〉
CGA7には入浴・排泄といった基本的ADLの評価が含まれるため正解です。手段的ADL(交通機関の利用)も含まれます。
CGA7の各項目の問い方の例として、意欲は「挨拶をしているか」を観察、認知機能は「今日は何月何日か」と3語の遅延再生、手段的ADLは「バスや電車を使って一人で出かけられるか」、基本的ADLは「入浴は自分でできるか」「排泄は失敗なくできるか」、情緒は「毎日の生活が楽しいか」を確認します。問題がある場合はMMSE、Barthel Index、IADL尺度、GDS15などの本格的な評価ツールへ進みます。
CGA7の7項目(意欲・認知・IADL・ADL・情緒)を把握し、含まれる要素と含まれない要素を区別できるかを問う問題です。
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