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昼夜逆転への看護介入

看護師国家試験 第103回 午後 第98問 / 老年看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

103回 午後 第98問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(75歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer Disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌(gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉16点、Mini-MentalStateExamination〈MMSE〉18点。 術後1週間が経過した。Aさんは日中は病室で眠っていることが多いが、夜間は病棟内の廊下を徘徊している。 Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。

  1. 1.朝は無理に起こさない。
  2. 2.午後にレクリエーション活動を計画する。
  3. 3.夕食の時間を就寝前に変更する。
  4. 4.夜間は病室の天井の電気をつけておく。

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは術後1週間で、日中は眠って夜間は廊下を徘徊しておるんじゃ。

アユム アユム

典型的な昼夜逆転ですね。

博士 博士

うむ、生活リズムを整えるのが看護の柱じゃ。

アユム アユム

選択肢から最適な介入を選ぶんですね。

博士 博士

正解は2の「午後にレクリエーション活動を計画する」じゃ。日中の活動が夜間の入眠を促すんじゃ。

アユム アユム

なぜ午後なんですか?

博士 博士

昼食後は眠気が出やすい時間帯じゃ。ここで活動して覚醒を保つことで、夜間の自然な入眠につながるんじゃ。

アユム アユム

選択肢1の朝は起こさないは?

博士 博士

朝寝坊はさらに昼夜逆転を悪化させるんじゃ。朝日を浴びて生活リズムを整えるのが基本じゃ。

アユム アユム

選択肢3の夕食を就寝前に?

博士 博士

生活リズムを乱すうえ、胃全摘後のAさんでは逆流性食道炎やダンピング症状のリスクが高くなるんじゃ。

アユム アユム

選択肢4の夜間照明は?

博士 博士

明るい光はメラトニン分泌を抑制して概日リズムを乱すんじゃ。安全のための足元灯にとどめて室内は暗くするのが基本じゃ。

アユム アユム

認知症の昼夜逆転対策の原則は?

博士 博士

日中の光曝露、活動量確保、夜間の暗環境、規則正しい食事、カフェイン制限、昼寝は短くする、じゃ。

アユム アユム

徘徊そのものはどう対応しますか?

博士 博士

制止せず安全な環境で見守るのが原則じゃ。徘徊の背景に不安や疼痛、トイレなどの欲求があることもあるから観察が大切じゃ。

アユム アユム

レクリエーションは社会的交流にもなりますね。

博士 博士

その通り、BPSDの軽減にも有効じゃ。Aさんの趣味や好きなことを取り入れると効果的じゃのう。

アユム アユム

生活リズム改善には総合的アプローチが必要なんですね。

博士 博士

うむ、薬剤に頼る前に非薬物的介入を尽くすのが認知症ケアの基本じゃぞ。

POINT

認知症高齢者の昼夜逆転には日中の活動を増やして夜間の入眠を促す介入が有効です。午後のレクリエーション活動は覚醒維持と社会的交流の双方をもたらし、夜間の自然な睡眠につなげます。朝寝坊や夜間照明は概日リズムを乱し、食事時間の変更は生活リズムを崩します。光曝露・活動・暗環境・食事時間など総合的な非薬物的介入が基本となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(75歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer Disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌(gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉16点、Mini-MentalStateExamination〈MMSE〉18点。 術後1週間が経過した。Aさんは日中は病室で眠っていることが多いが、夜間は病棟内の廊下を徘徊している。 Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。

解説:正解は2です。Aさんは昼夜逆転の状態にあり、生活リズムを整えることが優先されます。日中の活動を増やすと夜間の自然な入眠を促すことができます。午前中はまだ覚醒が不十分なことが多いため、午後にレクリエーション活動を計画することで適度な活動と社会的交流を提供し、夕方以降の眠気・夜間の睡眠につなげることができます。

選択肢考察

  1. × 1.  朝は無理に起こさない。

    誤りです。朝寝坊を許すと昼夜逆転がさらに悪化します。光を浴びて生活リズムを整えるためにも、朝はしっかり起きてもらい食事や日中活動につなげる必要があります。

  2. 2.  午後にレクリエーション活動を計画する。

    正しい看護です。日中、特に昼食後の眠気が出やすい時間帯にレクリエーションを行うことで覚醒を促し、夜間の自然な入眠と昼夜逆転の改善が期待できます。社会的交流は認知症患者のBPSD軽減にも有効です。

  3. × 3.  夕食の時間を就寝前に変更する。

    誤りです。食事時間の大幅な変更は生活リズムをかえって乱します。就寝前の食事は逆流性食道炎やダンピング症状のリスクもあり、胃全摘後のAさんには不適切です。

  4. × 4.  夜間は病室の天井の電気をつけておく。

    誤りです。夜間の明るい照明はメラトニン分泌を抑制し、概日リズムを乱します。安全のための足元灯程度にとどめ、室内は暗くして睡眠を促すことが必要です。

認知症高齢者の昼夜逆転対策として、日中の光曝露(朝日を浴びる、日光浴)、活動量の確保、夜間の暗環境、規則正しい食事時間、カフェイン制限、昼寝は短時間に留めることなどが有効です。BPSDとしての徘徊には不安や疼痛などの背景因子の評価も重要で、行動を制止せず安全な環境で見守る姿勢が基本となります。

認知症高齢者の昼夜逆転に対する非薬物的介入の原則を理解しているかが問われています。