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健康寿命を伸ばすカギ

看護師国家試験 第108回 午前 第34問 / 健康支援と社会保障制度 / 生活者の健康増進

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第34問

健康寿命の説明で適切なのはどれか。

  1. 1.生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
  2. 2.2013年の健康寿命は2011年よりも短い。
  3. 3.2013年の健康寿命は女性より男性のほうが長い。
  4. 4.平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活ができる期間である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は「健康寿命」について学ぼう。WHO提唱の重要概念だ。

アユム アユム

健康寿命って平均寿命と違うんですか?

博士 博士

違うよ。平均寿命は0歳の平均余命で「何歳まで生きるか」、健康寿命は「日常生活に制限のない期間の平均」で、介護を要しないで自立している年数なんだ。

アユム アユム

なるほど、質を伴った寿命ですね。正解はどれですか?

博士 博士

正解は1番「生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす」だよ。生活習慣病は動脈硬化を介して心疾患・脳卒中を起こし、要介護の主な原因になる。だから予防すれば健康寿命は確実に延びるんだ。

アユム アユム

選択肢2の健康寿命が短くなっているというのは?

博士 博士

逆だね。2010年から2013年で男性は70.42→71.19年、女性は73.62→74.21年と男女とも延伸している。医療の進歩や生活習慣の改善が寄与しているんだ。

アユム アユム

選択肢3の男女差はどうですか?

博士 博士

2013年は男性71.19年、女性74.21年で女性が約3年長い。これは平均寿命も同じで、生物学的要因や生活習慣の違いが関与していると考えられるよ。

アユム アユム

選択肢4の差の意味についてお願いします。

博士 博士

平均寿命と健康寿命の差は「不健康期間」、つまり日常生活に制限がある期間を意味する。選択肢の説明は逆なんだ。この差を縮めるのが健康政策の目的だよ。

アユム アユム

現在の不健康期間はどれくらいですか?

博士 博士

2019年時点で男性約9年、女性約12年だ。女性は長生きする分、不健康期間も長くなる傾向があるね。

アユム アユム

健康日本21とも関係するんですか?

博士 博士

健康日本21(第二次・第三次)では健康寿命の延伸と健康格差の縮小を中心目標に掲げているんだ。生活習慣病予防、社会環境整備、ライフステージに応じた健康づくりが柱だよ。

アユム アユム

介護予防でも重要ですよね。

博士 博士

その通り。要介護の主因は脳卒中、認知症、高齢による衰弱、骨折・転倒、関節疾患など。これらの多くは生活習慣や運動・栄養で予防可能なんだ。

アユム アユム

一次予防・二次予防・三次予防って何ですか?

博士 博士

一次は発症前の生活習慣改善、二次は検診による早期発見・早期治療、三次はリハビリや重症化予防だ。健康寿命延伸には一次予防が最も重要だよ。

アユム アユム

平均寿命の延伸より健康寿命の延伸が大事なんですね。

博士 博士

そうだ。長生きするだけでなく自立して過ごせる期間を増やすことが、本人の幸せと社会保障費抑制の両面で重要なんだ。

POINT

健康寿命はWHOが提唱した「日常生活に制限のない期間の平均」で、生活習慣病予防はその延伸に直結する。2013年時点で男性71.19年、女性74.21年と女性が長く、2010年からも男女とも延びている。平均寿命と健康寿命の差は「不健康期間」を指し、この差の縮小が健康日本21の中心目標。正解は1。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:健康寿命の説明で適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。健康寿命はWHOが2000年に提唱した概念で「日常生活に制限のない期間の平均」と定義され、国民生活基礎調査などで算出されます。生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病など)は日常生活動作の制限や要介護の主要原因であり、その予防は健康寿命の延伸に直結します。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」も生活習慣病予防と健康寿命延伸を主要目標としています。

選択肢考察

  1. 1.  生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。

    生活習慣病は動脈硬化から心血管疾患・脳卒中を引き起こし、要介護の主原因となります。予防により日常生活制限を減らせるため、健康寿命の延伸に直結します。健康日本21の中心目標でもあります。

  2. × 2.  2013年の健康寿命は2011年よりも短い。

    男性は2010年70.42年→2013年71.19年、女性は73.62年→74.21年と男女とも延伸しています。医療・介護・生活習慣改善により近年は延びる傾向です。

  3. × 3.  2013年の健康寿命は女性より男性のほうが長い。

    2013年の健康寿命は男性71.19年、女性74.21年と女性が約3年長く、平均寿命・健康寿命とも全調査年で女性が長いのが一貫した特徴です。

  4. × 4.  平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活ができる期間である。

    平均寿命と健康寿命の差は「不健康期間」つまり日常生活に制限のある期間(介護・支援を要する期間)を意味します。説明が逆で、この差を縮めることが健康政策の目標です。

2019年時点で日本の平均寿命は男性81.41歳・女性87.45歳、健康寿命は男性72.68歳・女性75.38歳と、男女とも差は約9〜12年あります。この「不健康期間」を短縮することが健康日本21(第二次・第三次)の中心テーマです。一次予防(生活習慣改善)、二次予防(早期発見)、三次予防(重症化予防・リハビリ)の3段階を理解しておきましょう。

健康寿命の定義、平均寿命との差の意味、生活習慣病予防との関係を正しく理解しているかを問う問題です。