市町村が行う大腸がん検診のキホンを押さえる
看護師国家試験 第113回 午後 第82問 / 健康支援と社会保障制度 / 生活者の健康増進
国試問題にチャレンジ
市町村による大腸がん(colon cancer)検診の項目はどれか。2つ選べ。
- 1.問診
- 2.直腸診
- 3.血液検査
- 4.便潜血検査
- 5.腹部エックス線検査
対話形式の解説
博士
今日はがん検診の制度問題じゃ。市町村の大腸がん検診で行われる検査は何と何かの?
アユム
問診と便潜血検査ですね。
博士
正解じゃ。40歳以上を対象に年1回実施されるのが基本じゃ。
アユム
便潜血検査は『免疫学的便潜血2日法』と呼ばれるものでしたよね。
博士
そうじゃ。2日分の便を提出して感度を高めておるんじゃ。ヒトヘモグロビンに特異的なので食事制限も不要じゃ。
アユム
直腸診が選択肢にありますが、昔は行われていたのですか?
博士
確かに以前は直腸診が併用されておった。しかし届く範囲が限られ、死亡率減少効果のエビデンスが乏しいため現在は外されたんじゃ。
アユム
腫瘍マーカーの血液検査は採用されないのですか?
博士
CEAやCA19-9は感度・特異度が不十分で、スクリーニングには向かんのじゃ。術後のフォローでは有用じゃがな。
アユム
腹部X線も選択肢にありましたが、これも不適切ですよね。
博士
そのとおり。大腸癌は単純X線では写らん。注腸造影は任意型で使うことがあるが対策型ではないぞ。
アユム
ちなみに便潜血陽性の場合、次はどんな検査に進むのでしょう?
博士
全大腸内視鏡検査が標準じゃ。ポリープや癌を確認し、必要に応じて生検や内視鏡切除を行う。
アユム
市町村検診は他にも種類がありますよね。
博士
よう覚えておる。胃がん検診は50歳以上で2年に1回、肺・乳・子宮頸と合わせて5大がん検診じゃ。
アユム
看護師として受診勧奨を行うときは、対象年齢や間隔を正確に伝えたいですね。
POINT
市町村が対策型として行う大腸がん検診は40歳以上・年1回で、問診と免疫学的便潜血検査2日法の2項目が標準です。直腸診や血液検査、腹部X線は現在の指針に含まれず、陽性時には全大腸内視鏡検査による精密検査へ進みます。看護師は受診勧奨と精検未受診者への働きかけも重要な役割です。
解答・解説
正解は 1 ・ 4 です
問題文:市町村による大腸がん(colon cancer)検診の項目はどれか。2つ選べ。
解説:正解は1(問診)と4(便潜血検査)です。健康増進法に基づき市町村が実施する対策型大腸がん検診は、40歳以上を対象に年1回、問診と免疫学的便潜血検査2日法を組み合わせて行うことが国の指針で定められています。
選択肢考察
-
○ 1. 問診
自覚症状・既往歴・家族歴の聴取によりハイリスク者の把握や精密検査勧奨の判断材料とするため、検診項目の基本として必ず実施されます。
-
× 2. 直腸診
直腸診は下部直腸の病変しか触知できず、科学的根拠に乏しいため現在の対策型大腸がん検診からは除外されています。
-
× 3. 血液検査
CEAなどの腫瘍マーカーは感度・特異度が不十分で対策型検診には採用されていません。
-
○ 4. 便潜血検査
免疫学的便潜血検査(FIT)2日法が国際的にも死亡率減少効果が証明されたスクリーニング法として採用されています。
-
× 5. 腹部エックス線検査
腹部単純X線は大腸癌の描出能がなく検診には用いません。注腸X線検査は任意型で行われることがありますが対策型ではありません。
日本のがん検診には国の指針に基づき市町村が実施する『対策型検診』と、人間ドックなど個人が受ける『任意型検診』があります。大腸がんの対策型検診は40歳以上・年1回・問診+便潜血検査(2日法)で、陽性者は全大腸内視鏡検査による精密検査を受けます。胃(50歳以上2年に1回)、肺、乳、子宮頸とあわせ5大がん検診として覚えましょう。
対策型大腸がん検診の標準的検査項目(問診と便潜血検査2日法)を、精密検査との区別とあわせて理解しているかを問う設問です。
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