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健康増進法の核心は受動喫煙防止、他の法律との違いを押さえる

看護師国家試験 第109回 午後 第37問 / 健康支援と社会保障制度 / 生活者の健康増進

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第37問

健康増進法に基づき実施されるのはどれか。

  1. 1.受療行動調査
  2. 2.特定保健指導
  3. 3.アレルギー疾患対策
  4. 4.受動喫煙の防止対策

対話形式の解説

博士 博士

今回は健康増進法に基づいて実施される施策を問う問題じゃ。紛らわしい他の法律と区別できるかが勝負じゃぞ。

サクラ サクラ

健康増進法ってどんな法律ですか?

博士 博士

2002年に制定され2003年に施行された法律で、国民の健康増進を総合的に推進するための基本枠組みじゃ。旧栄養改善法を発展的に継承した形じゃな。

サクラ サクラ

何が規定されているんですか?

博士 博士

主な柱は「健康日本21」の基本方針、「国民健康・栄養調査」の実施、「特定給食施設の栄養管理」、「健康増進事業」、そして「受動喫煙防止対策」じゃ。

サクラ サクラ

受動喫煙防止って最近厳しくなったイメージがあります。

博士 博士

そうじゃ。2018年の法改正で2020年から全面施行された。飲食店、事務所、学校、医療機関、官公庁など多数の者が利用する施設では原則屋内禁煙が義務化された。違反には罰則もある。

サクラ サクラ

医療機関は特に厳しいんですか?

博士 博士

医療機関・学校・児童福祉施設・行政機関は「第一種施設」として敷地内禁煙が原則じゃ。飲食店などの「第二種施設」は屋内禁煙だが、専用の喫煙室を設けて分煙することは可能という違いがある。

サクラ サクラ

特定保健指導は健康増進法じゃないんですね。

博士 博士

そう、特定保健指導は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく施策じゃ。40〜74歳の医療保険加入者に対し、特定健診でメタボリスクが高いとされた人に保健指導を行う。

サクラ サクラ

受療行動調査はどうですか?

博士 博士

受療行動調査は「統計法」に基づく一般統計調査で、3年ごとに実施される。医療施設利用患者の受療状況や満足度を調べ、医療行政の資料にする。

サクラ サクラ

アレルギー疾患対策は独立した法律があるんですか?

博士 博士

2014年に「アレルギー疾患対策基本法」が制定されておる。気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなどの予防・治療・生活環境整備を総合的に進める法律じゃ。

サクラ サクラ

健康日本21って何ですか?

博士 博士

健康増進法に基づく国民健康づくり運動の計画で、2024年度から第三次が始まっておる。健康寿命の延伸、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上、ライフコースアプローチが基本方針じゃ。

サクラ サクラ

看護師として健康増進法を理解する意義は何ですか?

博士 博士

地域保健や職域保健、学校保健の現場では、健康診査、保健指導、栄養指導、禁煙支援、受動喫煙防止の啓発などがすべて健康増進法の枠組みに基づく。個人への関わりが法律という大きな仕組みに支えられているという視点は、看護師として外せない。

サクラ サクラ

国民健康・栄養調査も重要ですよね。

博士 博士

そう、毎年実施される調査で、日本人の栄養摂取状況や運動習慣、喫煙、飲酒など生活習慣の実態を把握する基礎データになる。食生活指導や健康日本21の評価にも直結する重要施策じゃ。

POINT

健康増進法は2003年施行の法律で、国民の健康増進を総合的に推進するための基本枠組みを定めています。主な施策には健康日本21の推進、国民健康・栄養調査、特定給食施設の栄養管理、受動喫煙防止対策などが含まれ、2018年改正により多数の者が利用する施設での原則屋内禁煙が義務化されました。一方、特定保健指導は高齢者医療確保法、アレルギー疾患対策はアレルギー疾患対策基本法、受療行動調査は統計法と、それぞれ別の法律に基づく施策であり混同しないことが重要です。看護師は地域保健・職域保健・学校保健の現場で、健康診査や保健指導、禁煙支援といった日々の実践が法律という大きな仕組みの上に成り立っていることを理解し、根拠ある支援を提供する必要があります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:健康増進法に基づき実施されるのはどれか。

解説:正解は 4 です。健康増進法(2002年制定、2003年施行)は、国民の健康増進の総合的推進に関する基本事項を定め、栄養改善や健康増進のための措置を講ずることを目的とする法律である。第25条(2018年改正後は第6章)に受動喫煙の防止が明記されており、多数の者が利用する施設管理者に対し受動喫煙防止措置を講ずる努力義務、2020年全面施行の改正法では原則屋内禁煙の義務が課されている。さらに国民健康・栄養調査、特定給食施設への栄養士配置、市町村による健康増進事業(健康診査・保健指導)なども本法に基づく。

選択肢考察

  1. × 1.  受療行動調査

    統計法に基づく一般統計調査として3年ごとに実施される。全国の医療施設利用患者の受療状況や医療満足度を把握し、医療行政の基礎資料とする。健康増進法とは別枠組みである。

  2. × 2.  特定保健指導

    高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)に基づき、40〜74歳の医療保険加入者を対象に行われる特定健康診査の結果に基づく保健指導。メタボリックシンドローム対策が主目的。

  3. × 3.  アレルギー疾患対策

    2014年制定のアレルギー疾患対策基本法に基づき実施される。アレルギー疾患の予防・治療・生活環境整備を総合的に推進する法律で、健康増進法とは別の根拠法を持つ。

  4. 4.  受動喫煙の防止対策

    健康増進法に規定される。2018年の改正(2020年全面施行)により、飲食店・事務所・学校・医療機関など多数の者が利用する施設での原則屋内禁煙が義務化された。

健康増進法に基づく主要施策には「健康日本21(第三次)」(国民の健康づくりの基本方針)、「国民健康・栄養調査」(毎年実施)、「特定給食施設への栄養士・管理栄養士配置基準」、「健康診査等指針」、そして受動喫煙防止対策などがある。健康日本21(第三次)は2024年度から開始され、健康寿命の延伸、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上、ライフコースアプローチを基本方針としている。

健康増進法と他の法律(高齢者医療確保法、アレルギー疾患対策基本法、統計法)の施策を区別する問題。受動喫煙防止がキーワード。