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国民医療費の姿を数字で理解する

看護師国家試験 第105回 午前 第32問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会保障制度の基本

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第32問

日本の平成23年度(2011年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

  1. 1.総額は約25兆円である。
  2. 2.財源の約半分は保険料である。
  3. 3.国民所得に対する比率は5%台である。
  4. 4.人口1人当たりでは65歳以上が65歳未満の約2倍である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は平成23年度の国民医療費を題材に、日本の医療費の全体像を見ていこうかの。

アユム アユム

国民医療費って具体的には何を指すのですか。

博士 博士

医療機関で保険診療の対象となる傷病治療にかかった費用を集計したものじゃ。正常分娩や健診、予防接種、差額ベッド代などは含まれないから注意じゃぞ。

アユム アユム

選択肢1の総額25兆円は正しいでしょうか。

博士 博士

いや、平成23年度は約39兆円じゃ。25兆円というのはもっと以前の数値で、高齢化に伴い年々増加している。最近では40兆円を大きく超えておる。

アユム アユム

選択肢2の財源の約半分が保険料というのは本当ですか。

博士 博士

これが正解じゃ。平成23年度は保険料が48.6%を占めておった。残りは公費約38%、患者の自己負担約13%という構成になっておる。

アユム アユム

税金より保険料の方が多いのですね。

博士 博士

そうじゃ。「保険料5:公費4:自己負担1」と覚えておくと本番で迷わないぞい。

アユム アユム

選択肢3の国民所得に対する比率5%台はどうでしょう。

博士 博士

これも誤りじゃ。平成23年度は11.13%で、すでに10%を超えておった。国民所得比が上がり続けているのは医療費の持続可能性の大きな論点じゃ。

アユム アユム

選択肢4の65歳以上が65歳未満の約2倍は正しそうに思えますが。

博士 博士

ここは引っかけじゃ。実際は約4倍。65歳以上では1人当たり72万円超、65歳未満では17万円台じゃ。高齢者は慢性疾患を複数抱えやすく、入院医療の利用も多いからのう。

アユム アユム

なるほど、高齢者医療費が全体を押し上げているのですね。

博士 博士

その通りじゃ。だからこそ後期高齢者医療制度のような仕組みで世代間で支え合っておる。

アユム アユム

正解は財源の約半分は保険料、つまり2ですね。

博士 博士

よく整理できておる。数字は細かく覚えなくても大まかな割合感覚を持つことが大事じゃ。

POINT

平成23年度の国民医療費は約39兆円で、財源構成は保険料約5割・公費約4割・自己負担約1割となっています。国民所得比は11%台、65歳以上の1人当たり医療費は65歳未満の約4倍に達していました。細かな数値よりも「保険料が約半分」「高齢者が約4倍」という大枠を押さえることが重要で、本問の正解は選択肢2です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:日本の平成23年度(2011年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

解説:正解は2です。平成23年度の国民医療費は約38兆5,850億円(約39兆円)で、前年度比3.1%増加しました。財源別内訳では保険料が約48.6%と最も大きな割合を占め、公費負担が約38.4%、患者の自己負担などが約13.0%でした。国民所得に対する比率は11.13%で、前年度より上昇しています。人口1人当たりの医療費は30万1,900円で、65歳以上は72万1,500円、65歳未満は17万4,800円とおおむね4倍の開きがありました。

選択肢考察

  1. × 1.  総額は約25兆円である。

    誤りです。平成23年度の国民医療費の総額は約39兆円で、25兆円ではありません。国民医療費は少子高齢化を背景に毎年増加しており、近年は45兆円前後で推移しています。

  2. 2.  財源の約半分は保険料である。

    正しい記述です。平成23年度の国民医療費の財源構成は保険料が48.6%で、約半分を占めていました。次いで公費(国・地方)が約38%、患者負担が約13%となっています。

  3. × 3.  国民所得に対する比率は5%台である。

    誤りです。平成23年度の国民所得に対する国民医療費の比率は約11.13%で、5%台ではありません。すでに10%を超えており、医療費の増大が課題となっています。

  4. × 4.  人口1人当たりでは65歳以上が65歳未満の約2倍である。

    誤りです。65歳以上の1人当たり医療費は65歳未満の約4倍で、2倍ではありません。高齢者の方が慢性疾患を複数抱えやすく医療費が高額になりがちです。

国民医療費とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の推計値です。正常分娩や予防接種、健診、差額ベッド代などは含まれません。「保険料約5割・公費約4割・自己負担約1割」というおおまかな構成比で覚えると試験対策に有効です。

国民医療費の総額、財源構成、国民所得比、年齢階級別1人当たり医療費の大まかな数値を理解しているかを問う問題です。