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「訪問」だらけで紛らわしい!障害者総合支援法のサービスを見抜く

看護師国家試験 第114回 午前 第87問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会福祉の基本

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第87問

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>に基づく障害福祉サービスはどれか。2つ選べ。

  1. 1.訪問介護
  2. 2.訪問看護
  3. 3.療養介護
  4. 4.重度訪問介護
  5. 5.訪問リハビリテーション

対話形式の解説

博士 博士

今日は障害者総合支援法の問題じゃ。選択肢に「訪問」がいっぱい並んでおって、引っかけ満載じゃぞ。

サクラ サクラ

これ難しそうですね…全部似たような名前で。

博士 博士

そうじゃろう。まず大原則として、障害者の福祉サービスは「障害者総合支援法」、高齢者は「介護保険法」、医療的ケアは「医療保険」「介護保険」と、根拠法が異なるのじゃ。

サクラ サクラ

じゃあ「訪問介護」と「訪問看護」と「訪問リハビリテーション」は障害者総合支援法ではない、ということですか?

博士 博士

その通り!この3つは介護保険または医療保険のサービスじゃ。障害者総合支援法では、訪問して介護を行うサービスを「居宅介護」と呼ぶのじゃ。名称が違う。

サクラ サクラ

なるほど、紛らわしいけど名称で区別するんですね。

博士 博士

そう。そして本問の正解である「療養介護」と「重度訪問介護」は、障害者総合支援法に基づく介護給付のサービスじゃ。

サクラ サクラ

療養介護ってどんなサービスですか?

博士 博士

医療と常時介護を要する障害者を対象に、病院などの医療機関で日中の機能訓練・看護・医学的管理下の介護を行うサービスじゃ。代表的な対象者はALS、筋ジストロフィー、重症心身障害児・者などじゃな。

サクラ サクラ

重度訪問介護は?

博士 博士

重度の肢体不自由、重度の知的障害、精神障害があって常時介護を要する人を対象に、居宅介護に加えて外出時の支援、見守りまでを長時間まとめて提供するサービスじゃ。一人暮らしや家族の負担軽減に重要な役割を果たしておる。

サクラ サクラ

他にどんなサービスがあるんですか?

博士 博士

障害者総合支援法のサービスは大きく「介護給付」と「訓練等給付」に分かれる。介護給付には居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、施設入所支援などがある。訓練等給付には自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助(グループホーム)などがある。

サクラ サクラ

就労支援も含まれているんですね。

博士 博士

そうじゃ。障害者の自立した社会生活を支援することが目的じゃから、就労や生活訓練も大事な柱なのじゃ。

サクラ サクラ

サービスを利用するときの自己負担はどうなっているんですか?

博士 博士

応能負担が原則じゃ。本人と配偶者の所得に応じて月額負担上限が決まる。生活保護受給者は無料じゃな。

サクラ サクラ

介護保険対象年齢になったらどうなるんですか?

博士 博士

これは重要な論点じゃ。原則として介護保険が優先されるが、障害福祉特有のサービス(重度訪問介護や同行援護など介護保険にないもの)は引き続き利用できる。両制度をまたぐコーディネートが看護や相談支援の腕の見せ所じゃな。

サクラ サクラ

看護師としては、患者さんが使える制度を提案できるように知っておく必要がありますね。

博士 博士

その通り。法的根拠とサービスの対応を整理しておくことが、退院支援や地域連携で活きるぞ。

サクラ サクラ

法律ごとにサービス名を整理して覚えます!

POINT

障害者総合支援法は障害者・障害児の自立した日常生活と社会生活を支援するための法律で、2013年に障害者自立支援法を改正・改称して施行されました。同法に基づく障害福祉サービスは「介護給付」と「訓練等給付」に大別され、本問の正解である療養介護(医療機関での日中支援)と重度訪問介護(居宅・外出支援)はいずれも介護給付に含まれます。一方、訪問介護・訪問看護・訪問リハビリテーションは介護保険または医療保険に基づくサービスであり、根拠法が異なる点が頻出の引っかけポイントです。看護師は退院支援や地域連携の場面で、患者の状態と利用可能な制度を結びつける役割を担うため、各法律のサービス体系を整理しておくことが実践に直結します。

解答・解説

正解は 3 4 です

問題文:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>に基づく障害福祉サービスはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 3 の療養介護と 4 の重度訪問介護です。障害者総合支援法は2013年に障害者自立支援法を改正して施行された法律で、障害者・障害児の自立した日常生活・社会生活を支援することを目的としています。同法に基づく障害福祉サービスは「介護給付」「訓練等給付」「自立支援医療」「補装具」「相談支援」などに分類され、療養介護(医療と常時介護を要する障害者への医療機関での日中支援)と重度訪問介護(重度肢体不自由者等への居宅・外出支援)はいずれも介護給付に含まれる代表的サービスです。

選択肢考察

  1. × 1.  訪問介護

    介護保険法に基づく居宅サービスの名称。障害者総合支援法では同様の在宅支援を「居宅介護」と呼び、名称が異なる。本問の正解にはならない。

  2. × 2.  訪問看護

    医療保険または介護保険に基づくサービスで、看護師等が居宅に訪問して医療的ケアや療養支援を行う。障害者総合支援法の障害福祉サービスには含まれない。

  3. 3.  療養介護

    医療および常時介護を必要とする障害者を対象に、病院などの医療機関で機能訓練・看護・医学的管理下の介護および日常生活上の世話を行うサービス。介護給付に含まれる。

  4. 4.  重度訪問介護

    重度の肢体不自由、重度の知的障害、精神障害により常時介護を要する障害者に対し、居宅での介護や外出時の移動支援などを総合的に提供するサービス。介護給付の柱の一つ。

  5. × 5.  訪問リハビリテーション

    医療保険または介護保険に基づくサービスで、理学療法士等が居宅に訪問してリハビリを提供する。障害者総合支援法の障害福祉サービスではない。

障害者総合支援法の障害福祉サービスは大きく「介護給付」(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、施設入所支援、重度障害者等包括支援)と「訓練等給付」(自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助)に分かれる。介護保険サービスとの違いは、障害者は障害支援区分(1〜6)で判定され、利用は応能負担が原則となる点。介護保険対象年齢に達した障害者は原則介護保険優先となるが、障害福祉特有のサービスは継続して利用可能。

「訪問」と名がつくサービスのうち、介護保険・医療保険のサービス(訪問介護・訪問看護・訪問リハ)と、障害者総合支援法のサービス(重度訪問介護・療養介護)を区別する問題。