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膿の正体は何?急性炎症の主役・好中球を理解する

看護師国家試験 第114回 午前 第78問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第78問

急性の化膿性炎症で最初に血管外に遊走し炎症の中心となるのはどれか。

  1. 1.血小板
  2. 2.好酸球
  3. 3.好中球
  4. 4.赤血球
  5. 5.リンパ球

対話形式の解説

博士 博士

今日は炎症の主役・好中球について学ぶぞ。傷が化膿したとき、何が起こっておるかわかるかな?

アユム アユム

白血球が集まってきて細菌と戦うイメージです。

博士 博士

その通り。じゃが、白血球と一口に言っても種類が色々ある。今日はそのうち好中球がなぜ急性化膿性炎症の主役になるかを掘り下げよう。

アユム アユム

白血球の種類って何種類ありましたっけ?

博士 博士

主に5種類じゃ。好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球。役割が違うのじゃ。

アユム アユム

好中球の特徴は何ですか?

博士 博士

白血球の中で最も多く50〜70%を占める。寿命は短いが、細菌などの異物への反応が極めて速く、急性炎症の最前線を担う。

アユム アユム

血管外遊走って何ですか?

博士 博士

炎症が起こると、まず血管が拡張し透過性が亢進する。次に好中球が血管内皮に接着し、内皮細胞の隙間を通って組織内へにじみ出るのじゃ。これがダイアペデーシスとも呼ばれる血管外遊走じゃ。

アユム アユム

どうやって炎症の場所がわかるんですか?

博士 博士

走化性因子が呼び寄せるのじゃ。細菌成分、補体C5a、サイトカインなどが目印となり、好中球はそれを目指して動いていく。

アユム アユム

組織に到達したら何をするんですか?

博士 博士

貪食じゃ。細菌を取り込み、活性酸素やリソソーム酵素で分解・殺菌する。じゃが好中球自身も短時間で死滅してしまう。

アユム アユム

死んだ好中球はどうなるんですか?

博士 博士

ここがポイントじゃ。死んだ好中球と崩壊した組織、細菌の残骸が集まったもの、これが膿(pus)の正体じゃ。化膿性炎症と呼ばれる所以じゃな。

アユム アユム

アレルギー反応のときは別の細胞が中心ですよね?

博士 博士

アレルギー反応では好酸球やマスト細胞、IgEが中心。寄生虫感染でも好酸球が活躍する。リンパ球はウイルス感染と慢性炎症、特異的免疫応答の主役じゃ。

アユム アユム

慢性炎症では何が中心になるんですか?

博士 博士

慢性炎症ではマクロファージとリンパ球が中心。結核などでは肉芽腫を形成する。急性と慢性で主役の細胞が違うことを押さえるのじゃ。

アユム アユム

血小板や赤血球は炎症と関係ないんですか?

博士 博士

血小板は止血と血液凝固、赤血球は酸素運搬が主な役割で、炎症部位への能動的遊走の主役ではない。今回の設問の答えとはならぬ。

アユム アユム

好中球=急性炎症の主役、と覚えれば良いんですね。

POINT

好中球は白血球の50〜70%を占める最も多い細胞で、急性化膿性炎症の最前線を担います。炎症部位では血管拡張と透過性亢進が起こった後、好中球が血管内皮に接着し血管外へ遊走(ダイアペデーシス)して組織内に浸潤、走化性因子に誘導されて細菌や壊死組織を貪食・殺菌します。死滅した好中球と組織崩壊成分が集積したものが膿で、これが化膿性炎症の特徴となります。慢性炎症ではマクロファージとリンパ球、アレルギーでは好酸球やマスト細胞が主役となるなど、炎症の性質によって動員される細胞が異なる点を理解しておくことが、感染症や免疫疾患の病態理解の基礎となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:急性の化膿性炎症で最初に血管外に遊走し炎症の中心となるのはどれか。

解説:正解は 3 です。急性の化膿性炎症(細菌感染による炎症)では、まず血管が拡張し透過性が亢進する。続いて好中球が血管内皮に接着・遊走し(血管外遊走、ダイアペデーシス)、組織内へ浸潤して細菌の貪食・殺菌を行う。好中球は白血球の中で最も数が多く(白血球の50〜70%)、細菌感染における最前線の防御細胞として急性炎症の中心を担う。

選択肢考察

  1. × 1.  血小板

    血小板は止血と血液凝固に関与する細胞断片で、炎症部位での組織浸潤の中心ではない。

  2. × 2.  好酸球

    好酸球はアレルギー反応や寄生虫感染で活躍する細胞で、化膿性炎症の主役ではない。白血球中の割合も少ない。

  3. 3.  好中球

    急性炎症の主役。血管外へ遊走し、細菌や壊死組織を貪食・殺菌する。死滅した好中球と組織壊死成分の集まりが膿(pus)の正体。

  4. × 4.  赤血球

    赤血球はヘモグロビンによる酸素運搬を担う細胞で、炎症部位への能動的遊走はしない。

  5. × 5.  リンパ球

    リンパ球はウイルス感染、慢性炎症、特異的免疫応答で中心的役割を果たすが、急性化膿性炎症の初期遊走の主役ではない。

急性炎症の細胞動態は、(1)血管の拡張と透過性亢進、(2)血流の停滞、(3)好中球の辺縁化と内皮接着(セレクチン・インテグリンを介した相互作用)、(4)血管外遊走(ダイアペデーシス)、(5)走化性因子による誘導、(6)貪食・殺菌の順で進む。好中球は活性酸素やリソソーム酵素により細菌を破壊するが、自身も短時間で死滅し、その死骸と崩壊組織が膿となる。慢性炎症ではマクロファージとリンパ球が中心となり、肉芽腫形成などの病像を示す。

急性炎症と慢性炎症の中心細胞、および各白血球の機能を区別する問題。「化膿性=好中球」がキーワード。