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避難所生活の高齢者ケアで何を優先するか

看護師国家試験 第104回 午後 第75問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第75問

災害発生後、避難先の体育館で生活を始めた高齢者への対応で最も適切なのはどれか。

  1. 1.トイレに近い場所を確保する。
  2. 2.持参薬を回収して被災者に分ける。
  3. 3.区画された範囲内で過ごすよう促す。
  4. 4.私語を控えて館内の静穏が保てるように指導する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は体育館で避難生活を始めた高齢者への対応じゃ。

サクラ サクラ

慣れない環境で体調を崩しやすい時期ですね。

博士 博士

まず選択肢1、トイレに近い場所の確保はどうじゃ?

サクラ サクラ

移動が楽になり、夜間も安心ですね。

博士 博士

それだけではないぞ。トイレが遠いと水分を控えて脱水になる高齢者が多いのじゃ。

サクラ サクラ

深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群のリスクも上がりますね。

博士 博士

転倒や尿路感染症のリスクも下げられるのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢2、持参薬を回収して分けるのはどうですか。

博士 博士

論外じゃ。処方は個別の病態に合わせたもので、共有してはならぬ。

サクラ サクラ

選択肢3、区画内だけで過ごすのは?

博士 博士

生活不活発病や廃用症候群を招くからダメじゃ。

サクラ サクラ

適度に動いて気分転換も大事ですね。

博士 博士

選択肢4の私語禁止指導はどうかの。

サクラ サクラ

孤立感が強まりストレスが増すと思います。

博士 博士

うむ、感情を表出できる場が心のケアになるのじゃ。

サクラ サクラ

段ボールベッドやついたても役立ちますね。

博士 博士

要配慮者は福祉避難所への移送も検討するのじゃ。

サクラ サクラ

正解は1のトイレに近い場所の確保ですね。

POINT

避難所での高齢者ケアでは、トイレに近い場所の確保が最優先課題の一つです。排泄行動の負担を減らすことで脱水・血栓症・転倒・尿路感染症を予防できます。持参薬の共有や活動制限、私語禁止は不適切で、適切な環境整備と交流促進、必要に応じた福祉避難所活用が望まれます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:災害発生後、避難先の体育館で生活を始めた高齢者への対応で最も適切なのはどれか。

解説:正解は1です。高齢者はトイレが遠いと使用回数を減らそうと飲水を控え、脱水や深部静脈血栓症のリスクが高まります。また夜間の移動による転倒やトイレの失敗も避けるため、トイレに近い場所を確保することが最も適切です。

選択肢考察

  1. 1.  トイレに近い場所を確保する。

    排泄行動の負担軽減により水分摂取を促し、脱水・血栓症・転倒・尿路感染症の予防につながるため、避難所での高齢者配慮として最も重要です。

  2. × 2.  持参薬を回収して被災者に分ける。

    処方薬は本人の病態に合わせて処方されており、他者へ配ることは医薬品医療機器等法上も医療安全上も不適切です。共有ではなく必要な人に新規処方や継続処方を確保します。

  3. × 3.  区画された範囲内で過ごすよう促す。

    活動制限は廃用症候群やエコノミークラス症候群を招きます。適度に体を動かし気分転換を図れるよう促すことが必要です。

  4. × 4.  私語を控えて館内の静穏が保てるように指導する。

    他者との交流はストレス軽減や孤立防止に不可欠で、過度に私語を控えさせる必要はありません。感情の表出を支えることが心のケアにつながります。

避難所の高齢者は、生活不活発病、エコノミークラス症候群、誤嚥性肺炎、低体温、不眠による認知機能低下などのリスクが高まります。要配慮者として福祉避難所への移送や、段ボールベッド・つい立てなど環境整備が必要です。

災害時の避難所生活における高齢者特有のリスクと、生活環境への配慮に関する基礎知識を問う問題です。