思春期の発育の特徴を整理
看護師国家試験 第104回 午後 第86問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達
国試問題にチャレンジ
一般的な思春期の発育の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.骨端線が閉鎖する。
- 2.性的成熟は男子の方が女子より早く始まる。
- 3.成長ホルモンが性腺に作用して第二次性徴が起こる。
- 4.男子では身長増加のピークの前に精巣の発育が始まる。
- 5.女子では身長増加のピークの前に乳房の発育が終わる。
対話形式の解説
博士
思春期は身体が大人へ変化する大切な時期じゃが、その特徴を順序立てて整理しよう
アユム
はい、まず身長の伸びと骨端線が関係していますね
博士
そうじゃ。骨端軟骨が骨化して閉鎖すると伸長が止まるんじゃ
アユム
閉鎖の引き金は何ですか
博士
性ホルモンの上昇によって軟骨細胞の増殖が止まるのじゃ
アユム
性的成熟は男子の方が早いのですか
博士
逆じゃ。女子の初経は12歳、男子の精通は13〜14歳頃で女子が早いんじゃ
アユム
第二次性徴は成長ホルモンが性腺に作用するのですか
博士
違うぞ。視床下部のGnRHから下垂体のLH・FSHが性腺に作用するのじゃ
アユム
成長ホルモンの役目は
博士
骨や筋の発育を促すが、性腺刺激は別系統じゃ
アユム
男子では身長スパート前に精巣の発育が始まりますね
博士
その通り。精巣容積4mL以上で思春期発来と判断するんじゃ
アユム
女子は乳房発育が先で、ピーク前に終わるのですか
博士
終わらんぞ。乳房発育は思春期初期に始まるが完成は十代後半までかかる
アユム
すると正解は1と4ですね
博士
見事じゃ。タナー段階という指標もあるから合わせて覚えておくとよい
POINT
思春期の特徴は順序とホルモン制御を理解することがポイントです。骨端線の閉鎖で身長が止まり、男子は精巣発育から、女子は乳房発育から思春期が始まります。性的成熟は女子が約1〜2年早く、第二次性徴の本体はGnRH-LH/FSH-性ホルモン軸であり、成長ホルモンは骨格成長を担います。臨床ではタナー段階や早発・遅発思春期の評価に応用されます。
解答・解説
正解は 1 ・ 4 です
問題文:一般的な思春期の発育の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は1と4です。思春期の終盤では骨端線が閉鎖し身長の伸びが止まります。男子では身長スパートに先立って精巣容積の増大が始まり、これが思春期発来の最初のサインとなります。
選択肢考察
-
○ 1. 骨端線が閉鎖する。
骨端線(骨端軟骨)は長管骨の伸長を担う部位で、思春期の性ホルモン上昇により軟骨細胞の増殖が止まり骨化して閉鎖します。これにより身長の増加が終了し、成人の骨格となります。
-
× 2. 性的成熟は男子の方が女子より早く始まる。
女子の初経は平均12歳、男子の精通は平均13〜14歳頃で、女子の方が約1〜2年早く性的成熟が始まります。身長スパートも女子の方が早く出現するのが一般的です。
-
× 3. 成長ホルモンが性腺に作用して第二次性徴が起こる。
第二次性徴は視床下部のGnRHが下垂体前葉からのLH・FSH分泌を促し、性腺に作用して性ホルモン産生が増えることで起こります。成長ホルモンは骨や筋の成長を促す役割で、性腺に作用するわけではありません。
-
○ 4. 男子では身長増加のピークの前に精巣の発育が始まる。
男子の思春期は精巣容積の増大(4mL以上)から始まり、その後に陰毛発生、陰茎発育、身長スパートと続きます。身長増加のピーク(PHV)は約14歳頃で、精巣発育はそれより1〜2年早く始まります。
-
× 5. 女子では身長増加のピークの前に乳房の発育が終わる。
女子では乳房の発育(乳房発芽)が思春期の最初のサインで、その後に身長スパートが訪れ、初経はさらに後に来ます。身長スパートのピークは約12歳頃ですが乳房発育はその後も続き、完成は十数歳代後半です。
思春期発来の指標としてタナー段階(Tanner stage)が使われ、女子は乳房発育、男子は精巣容積でステージを評価します。男子の思春期発来は精巣容積4mL以上、女子は乳房発育の開始がスタートサインです。早発思春期は男子9歳未満、女子8歳未満で兆候が出現する場合をいいます。
思春期の発来順序とホルモン制御、男女差の特徴を理解しているかを問う問題です。
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